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睡眠時無呼吸症候群の対策と検査
睡眠時無呼吸症候群(SAS:SleepApneaSyndrome)とは、眠っているときに無呼吸(10秒以上呼吸が停止すること)または低呼吸(もう少しで止まりそうな弱い呼吸)の状態になる病気です。...
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睡眠時無呼吸症候群の対策と検査

公開日 2018 年 05 月 29 日 | 更新日 2018 年 09 月 20 日

睡眠時無呼吸症候群の対策と検査
石渡 庸夫 先生

国家公務員共済組合連合会九段坂病院 内科部長

石渡 庸夫 先生

目次

睡眠時無呼吸症候群(SAS:Sleep Apnea Syndrome)とは、眠っているときに無呼吸(10秒以上呼吸が停止すること)または低呼吸(もう少しで止まりそうな弱い呼吸)の状態になる病気です。睡眠時無呼吸症候群の対策と検査について、国家公務員共済組合連合会 九段坂病院の石渡庸夫(いしわた のぶお)先生にお話を伺いました。

睡眠時無呼吸症候群になりやすい傾向とは?

肥満は睡眠時無呼吸症候群に深いかかわりがある

記事2『睡眠時無呼吸症候群の症状』でお話ししたように、睡眠時無呼吸症候群は肥満と深いかかわりがあります。

睡眠時無呼吸症候群の対策・セルフケア

仰向けで寝ない・ダイエットで肥満を解消するなど

仰向けで寝ると気道の狭窄・閉塞を起こしやすいため、横向きで寝るように心がけるとよいでしょう。また、記事1『睡眠時無呼吸症候群の原因』でお話ししたように、気道周辺の脂肪沈着によって睡眠時無呼吸症候群が引き起こされることがあるため、ダイエットをして肥満を解消することも重要です。

また、睡眠導入剤やアルコールによって気道は狭窄・閉塞しやすくなることがわかっています。そのため睡眠時無呼吸症候群の対策・セルフケアとしては、睡眠導入剤やアルコールを控えることをおすすめします。

〈睡眠時無呼吸症候群の対策・セルフケア〉

  • 仰向けで寝ない
  • ダイエットで肥満を解消する
  • 睡眠導入剤やアルコールの摂取を控える

など

睡眠時無呼吸症候群の検査・診断

(1)問診

記事2『睡眠時無呼吸症候群の症状』でお話ししたように、患者さんは同居している家族などに睡眠中のいびきや無呼吸を指摘されて来院されることが多いです。

まず、外来診療で問診を行います。起きているときの症状(覚醒症状)と睡眠中の症状を確認した結果、睡眠時無呼吸症候群を疑うときには、アプノモニターと呼ばれる装置を用いた簡易検査を行います。

(2)アプノモニターを用いた簡易検査

アプノモニターと呼ばれる装置を自宅に持ち帰り、簡易検査を行います。(保険適用)

アプノモニターとは、睡眠中にセンサーを指先と鼻に装着し、睡眠時の血液中酸素飽和度や呼吸の状態を測定する装置です。簡易検査は、自宅で行うことが可能かつ操作が簡易であるため、患者さんの負担が少ないことが特徴です。

検査結果はAHI(無呼吸亭呼吸指数)という数値で示されます。簡易検査の結果、AHIが40未満で睡眠時無呼吸症候群と確定できない場合には、ポリソムノグラフィー(睡眠ポリグラフ検査ともいいます)を行います。

一方、AHIが40以上であることに加えて、日中の眠気などの症状が認められる場合には、CPAP(シーパップ:経鼻的持続陽圧呼吸)療法の対象となります。

睡眠時無呼吸症候群の治療については、記事4『睡眠時無呼吸症候群の治療』をご覧ください。

AHIによる睡眠時無呼吸症候群の重症度の判断

睡眠時無呼吸症候群の重症度は、AHIを1つの基準として判断することができます。AHI5~15を軽症、15~30を中等症、30以上を重症としています。

(3)ポリソムノグラフィー(睡眠ポリグラフ検査)

ポリソムノグラフィーは、睡眠中の脳波、血液中の酸素の量、心電図、気管内の空気の流れ、眼やあごの筋肉の動き、胸部や腹部の動きなどを観察する検査です。睡眠ポリグラフ検査とも呼ばれます。

ポリソノムグラフィーは、頭の皮膚、顎、胸部、指などにテープや電極などのセンサーを装着し、睡眠時の状態を測定します。体に装着するセンサーとデータを解析するモニターは独立しているため、センサーをつけた後も自由に動くことが可能です。

検査には1泊の入院が必要です。通常は夕方に入院し、翌朝には退院できます。また、ポリソムノグラフィーは保険適用です。

AHIによる睡眠時無呼吸症候群の重症度の判断

ポリソムノグラフィーを用いた睡眠時無呼吸症候群の検査入院の一例

ポリソムノグラフィーを用いた検査入院について、九段坂病院での例を挙げてご説明します。(情報:2018年2月現在)

  • 15時に来院し、手続きを行います。
  • 入室し、シャワーを浴びます。
  • 16時に検査機器を装着します。
  • 18時に夕食をとります。
  • 検査機器の最終取り付けを行い、検査を開始します。
  • 睡眠をとります。
  • 翌日、6時に検査機器を取り外し、シャワーを浴びます。
  • 8時に朝食をとり、その後退院します。

睡眠時無呼吸症候群の診断基準・定義

アメリカ睡眠学会(AASM、1999年)による閉塞型の睡眠時無呼吸症候群の診断基準は、以下の通りです。

 

1.診断基準:以下のA+CあるいはB+Cを要する

A.日中に傾眠(周囲からの刺激があれば覚醒するが、すぐ意識が混濁する状態)があり、ほかの因子で説明できないこと

B.下記のうち2つ以上あり、ほかの因子で説明できないこと

睡眠中の窒息感やあえぎ呼吸

睡眠中の頻回の覚醒

熟睡感の欠如

日中の倦怠感

集中力の欠如

C.閉塞型呼吸イベントは閉塞型無呼吸/低呼吸あるいは呼吸努力関連覚醒のいずれかの組み合わせによる。

 

2.閉塞型睡眠時無呼吸 /低呼吸の定義

以下のA+Bあるいは B+Cを要する。無呼吸と低呼吸を区別する必要はない。

A.呼吸振幅がベースラインから50%より大きく減少。

B.呼吸振幅の低下が50%未満であっても、3%より大きい酸素飽和度の低下が覚醒を伴う。

C.イベントの持続は 10秒以上

 

3.呼吸努力関連覚醒イベントの定義

呼吸努力(呼吸をしようとする動き)の増加により覚醒をきたすが、無呼吸や低呼吸の基準を満たさないもので、以下のA+Bを要する。

A.徐々に食道内圧が低下し、突然陰圧(物体の内部の圧力が外部より低い状態)の程度が小さくなり、覚醒とともに終了する。

B.イベントの持続は 10秒以上

 

引用元:The Report of an American Academy of Sleep Medicine Task Force: Sleep-related breathing disorders in adults: Recommendations for syndrome definition and measurement techniques in clinical research. Sleep 1999; 22: 667-689.

睡眠時無呼吸症候群と診断されたら

なるべく早期に治療を開始することが望まれる

記事2『睡眠時無呼吸症候群の症状』でお話ししたように、睡眠時無呼吸症候群は脳血管障害や不整脈、高血圧や糖尿病といった合併症を引き起こすことがあります。

また、睡眠時無呼吸症候群は睡眠の質を低下させるため、日中の眠気を引き起こします。日常生活への影響を考慮し、睡眠時無呼吸症候群と診断された場合には早期に治療を開始することが望まれます。

睡眠時無呼吸症候群の対策・検査についてメッセージ

自分では気づいていなくても、家族や友人・同僚などからいびきや居眠り、睡眠中の無呼吸を指摘されたら、睡眠時無呼吸症候群を疑ってみてください。自分では認識できないことだからこそ、周囲からのアドバイスを聞き入れることが重要です。「いつものこと」、「疲れているから」で済まさず、早めに対処することが大切です。

記事4『睡眠時無呼吸症候群の治療』では、睡眠時無呼吸症候群の治療についてご説明します。
 

睡眠時無呼吸症候群(石渡 庸夫先生)の連載記事

山形大学医学部卒業後、東京医科歯科大学の第二内科に入局。2005年より国家公務員共済組合連合会九段坂病院の内科にて部長を務め、幅広い呼吸器疾患に対応している。病気やリハビリテーションに対する理解を深めることを大切にし、チーム一丸となって患者さんやそのご家族をサポートしている。

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