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狭心症の治療方法は3種類存在する
狭心症の治療法には、薬物治療、心臓カテーテル治療、冠動脈バイパス手術があります。それぞれの患者さんの病状や希望によって、適応となる治療法が異なります。今回は、筑波記念病院つくばハートセンターセン...
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狭心症の治療方法は3種類存在する

公開日 2018 年 04 月 20 日 | 更新日 2018 年 09 月 20 日

狭心症の治療方法は3種類存在する
我妻 賢司 先生

医療法人筑波記念会 筑波記念病院 つくばハートセンター センター長

我妻 賢司 先生

目次

狭心症の治療法には、薬物治療、心臓カテーテル治療、冠動脈バイパス手術があります。それぞれの患者さんの病状や希望によって、適応となる治療法が異なります。

今回は、筑波記念病院つくばハートセンターセンター長の我妻賢司先生に、狭心症のそれぞれの治療法の特徴やメリット・デメリットについて、話しを伺いました。

狭心症の治療の種類

狭心症の治療法の種類は、薬物治療、心臓カテーテル治療、冠動脈バイパス手術の3種類があります。

薬物治療

狭心症の薬物治療には、心臓の血管全体を拡張させ血流をよくすることで症状を抑える効果のある薬物を使用します。また、心筋梗塞*の発生を防ぐために抗血小板薬という血栓(血が固まったもの)を抑える薬も使用します。狭心症の発作が起こった場合は、応急処置として、ニトログリセリンという舌下錠*を使用する場合もあります。

薬物治療は症状を抑える治療であり、病変を治すものではありません。

心筋梗塞…心臓の冠動脈が完全に塞がり、心臓の筋肉が壊死することによって発症する病気

舌下錠…舌の下でゆっくり溶かしながら服用する薬

心臓カテーテル治療

心臓カテーテル治療とは、手首や足の付け根に局所麻酔をかけ、そこから血管にカテーテルという細い管を挿入します。そして、狭くなった心臓の冠動脈をバルーンで広げ、多くはステントという金属でつくられた網を留置し、血液を通りやすくする治療法です。

(心臓カテーテル治療について詳しくは、記事4「狭心症の治療方法の1種であるTRIとは」をご参照ください。)

心臓カテーテル治療のイメージ
心臓カテーテル治療のイメージ

冠動脈バイパス手術

冠動脈バイパス手術とは、心臓の近くを通っている内胸動脈という血管、あるいは脚などからとってきた血管を狭くなった心臓の血管に繋げることで、血液の迂回路をつくる手術療法です。全身麻酔が必要な手術であり、胸部を切開するため、患者さんの心身にかかる負担は大きくなります。

冠動脈バイパス手術と心臓カテーテル治療の違い
冠動脈バイパス手術と心臓カテーテル治療の違い

何本の冠動脈に病変があるかによって治療法が異なる

心臓の冠動脈は3本の血管で構成されています。右冠動脈は1本で独立しており、左冠動脈は前下行枝と回旋枝の2本に分かれています。

右冠動脈と左冠動脈
右冠動脈と左冠動脈

薬物治療、心臓カテーテル治療、冠動脈バイパス手術のうちどれを実施するのかという判断には、この3本の冠動脈のうち、何本に狭心症の病変(病気による変化が起きている箇所)が発生しているか、さらに病変の場所や性状(長い病変、カルシウムが沈着した硬い病変かどうか等)を参考にします。

1本の冠動脈に病変がある場合は薬物治療も選択肢のひとつ

3本の冠動脈のうち、1本だけに病変がみられる場合は、薬物治療によるその後の生命予後(心臓が原因で命をなくす割合)が、他の治療(心臓カテーテル治療、冠動脈バイパス手術)と比べて大きな差はないので選択肢のひとつと言えます。しかし、狭くなった血管を根本的に治す治療ではないので症状が改善しない場合もあり、また、病変の場所によっては心筋梗塞を発病した場合、命にかかわるケースもあることから、心臓カテーテル治療が選択されることが実際には多いです。

冠動脈のうち2本・3本に病変がある場合は、心臓カテーテル治療か冠動脈バイパス手術を実施

3本の冠動脈のうち、2本または3本に病変がみられる場合は、薬物治療のみで生命予後が悪化する可能性が高く、心臓カテーテル治療か冠動脈バイパス手術を実施します。2018年現在は、冠動脈バイパス手術よりも患者さんの心身に負担の少ない心臓カテーテル治療を優先的に選択することが多くなっています。また、高齢者の患者さんの場合、身体に負担の大きな冠動脈バイパス手術を実施すると、術後の合併症(ある病気や、手術や検査が原因となって起こる別の症状)として肺炎などを起こすリスクが高くなることも、心臓カテーテル治療が選択されている理由です。

しかし、左冠動脈から前下行枝と回旋枝の分岐点である左主幹部が狭くなっている狭心症は本来、冠動脈バイパス手術が選択されることが多いですが、心臓カテーテル治療を行う場合、より術者のスキルが必要になります。必要に応じてセカンドオピニオン*を活用し、心臓カテーテル治療ができる施設を探すことも1つの方法です。

セカンドオピニオン…主治医以外の医師に意見をきくこと

左主幹の位置
左主幹の位置

治療後に狭心症が再発することはあるのか

頭をかしげている中高年の男性

もともとの病変とは違う場所が狭くなる

心臓カテーテル治療は、動脈硬化*の根本を治す治療ではありません。そのため、ステントを入れた場所以外のところが、新しく狭くなる可能性があります。一方、冠動脈バイパス手術の場合、つなぐ血管として動脈を使ったものは基本的に再発することはないと考えられています。しかし、脚の静脈を用いてバイパス手術を行った場合は、再発することもあるといわれています。

動脈硬化…動脈が硬くなる病気。動脈硬化が起こると血管の内側がもろくなり、血管のなかが狭くなる。

ステントを入れた部分が再び狭くなる

ステントは金属でできた網であり、患者さんの体にとっては異物です。そのため、ステントを入れた後は血栓(血液が固まったもの)ができるステント血栓症を発症しやすくなります。そのため、ほとんどの患者さんが心臓カテーテル治療前には、血栓を防ぐ薬を服用します。そして、時間が経過するにつれ、ステントの表面には患者さん自身の細胞が付着していきます。細胞が付着することによりステントの表面が膜で覆われるため血栓ができる心配は薄くなります。

しかし、ステントの表面に細胞が過剰に増殖することによって、ステントを入れた部分が再び狭くなるという問題が発生します。そこで、2004年くらいから日本でも、薬剤溶出ステントという種類のステントの使用を開始しました。薬剤溶出ステントとは、ステントの周りに免疫抑制剤などの薬剤が塗ってあるもので、ステントの表面に細胞が増殖することを防ぐ効果のあるステントです。この薬剤溶出ステントの使用により、再び血管が狭くなり狭心症が再発するリスクは低くなりました。

しかし、長期間にわたって、冠動脈のなかでステントの金属が露出することになるため、血栓の発生にも長期間にわたって注意する必要があります。血栓が発生すると、心筋梗塞を発症するリスクが高まります。心臓カテーテル治療後は、血栓予防の薬を継続して服用することや、血栓が発生する原因となる脱水症状などを避けることが重要なのです。

狭心症の再発を防ぐために患者さんができることは

元気にウォーキングをしている中高年の夫婦

ステントが原因となる狭心症の再発を、患者さんご自身で完全に予防することは困難です。しかし、ステントを入れた場所以外にできる、新たな狭心症を防ぐことはできます。そのためには、動脈硬化の進行を避けることが効果的です。たとえば、糖尿病や高血圧の管理として、バランスのよい食事や適度な運動を心掛けてください。また、喫煙をやめたり、心身ともにストレスを溜めたりしないことも大切です。

そして、狭心症と思われる症状が再び発生した場合は、早急に病院やクリニックを受診し適切な治療を受けてください。

(狭心症の症状について詳しくは、記事1「狭心症の症状には再現性がある 特徴や発症しやすい方について」をご参照ください。)
 

1990年より心臓カテーテル検査、治療に携わり、以後、一貫して虚血性心疾患に対するPCIを専門とする。重症患者、複雑冠動脈病変に対する経橈骨動脈アプローチによるPCI(TRI)を得意とし、海外での治療経験、招請講演も多数

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