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胸のしこり、乳がんの可能性は?
胸のしこりは、乳がんの特徴的な症状のひとつです。しかし、胸にしこりを感じる病気は乳がんだけに限りません。また、なかには正常な乳腺をしこりと勘違いされる方もいます。今回は、胸にしこりができる原因や...
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胸のしこり、乳がんの可能性は?

公開日 2018 年 06 月 13 日 | 更新日 2018 年 06 月 14 日

胸のしこり、乳がんの可能性は?
千島 隆司 先生

独立行政法人 労働者健康安全機構 横浜労災病院 乳腺外科部長

千島 隆司 先生

目次

胸のしこりは、乳がんの特徴的な症状のひとつです。しかし、胸にしこりを感じる病気は乳がんだけに限りません。また、なかには正常な乳腺をしこりと勘違いされる方もいます。今回は、胸にしこりができる原因や、乳がんのしこりの特徴、セルフチェックの方法について独立行政法人労働者健康安全機構 横浜労災病院乳腺外科部長である千島隆司先生にお話を伺いました。

胸にしこりがあるとき考えられる原因は?

胸にしこりができる病気には、乳がんや良性乳腺疾患(乳腺にできる良性の病気の総称)があります。しかし、病気ではないにもかかわらず胸にしこりがあると勘違いしてしまうケースも多々あります。

正常な乳腺をしこりと感じてしまうことがある

胸のしこり

「胸のしこり」というと真っ先に乳がんを疑ってしまう方も多いかと思いますが、実は正常な乳腺がしこりと勘違いされてしまうことが多くあります。

上図のように、乳腺は"海ぶどう"のようなものが大量に集まった凸凹の形状をしています。乳腺は脂肪や間質組織に包まれているため、胸を触っても乳腺に触れることは基本的にはありません。しかし、胸の脂肪や間質組織が少ない方の場合、乳腺の凸凹した形状を直接触れるため、乳腺をしこりと勘違いしてしまうことがあります。

良性乳腺疾患

乳がん以外に胸にしこりを感じる病気には、良性乳腺疾患があります。これは、乳腺にできる良性の病気の総称で、乳腺線維腺腫や乳管内乳頭腫、嚢胞などが挙げられます。良性乳腺疾患のしこりには、病気によってあらゆる特徴がありますが、皮膚表面に近い場所に発生した場合は、ビー玉のようなつるつるしたものを触っている感じであることが多いです。

乳がんのしこりの特徴や痛み

しこり自体に特徴や痛みはない

乳がん特有のしこりの特徴はありません。10個の乳がんがあれば10通りの感触があるといわれているほど、経験豊富な医師であっても触診で良性乳腺疾患と乳がんを見分けることは極めて難しいと考えます。また、しこりが小さければ、痛みを感じることはほとんどありません。

えくぼ徴候とよばれる、くぼみがみられる

しこりの特徴はそれぞれですが、よく認める症状として「えくぼ徴候(ディンプリングサイン)」があります。えくぼ徴候とは、胸を張ったり腕をあげたりして皮膚に緊張をかけたときに現れるくぼみです。

乳がんは増殖する際に、周辺の組織を巻き込みながら増殖していくため、がんに巻き込まれた部分が引っ張られたように直線状になります。そのため、しこり付近の皮膚に緊張をかけたり、皮膚をつまんだりすると、くぼみが現れるのが乳がんの大きな特徴です。

乳がんができやすい場所

もっとも多く発生するのは乳頭より上の外側あたり

乳がんの領域

乳房は以下の5つの領域にわかれていて、乳がんの発生率はそれぞれの領域によって違いがあります。

<乳房の領域>

  • A領域…乳房内側の上
  • B領域…乳房内側の下
  • C領域…乳房外側の上
  • D領域…乳房外側の下
  • E領域…乳頭の真下

このなかで、もっとも乳がんができやすい場所はC領域で、乳がん全体のおよそ50%がC領域で発生しています。次いで、A領域→D領域→B・E領域(ほぼ同じ割合)の順になっています。C領域で乳がんが発生しやすい理由は、この部分に乳腺量が集中しているからだと考えます。

男性にもみられる胸のしこりとは?

胸のしこりは女性だけではなく、男性にも現れることがあります。男性の胸にしこりがみられる原因は、大きく分けて「女性化乳房」と「男性乳がん」の可能性が考えられます。

女性化乳房

女性化乳房とは、本来退化しているはずの男性の乳腺組織が大きくなることです。二次性徴期から高齢者までさまざまな年代の方に起こり得ます。

原因は、肝硬変による体内のエストロゲン量の増加や遺伝などで、そのほか原因不明で起こる特発性女性化乳房もあります。

また、女性化乳房のしこりは乳頭を中心とした乳輪の下あたりにできることが多いです。

男性乳がん

非常にまれではありますが、男性でも乳がんを発症することがあります。男性乳がんのしこりは、乳輪から外れた場所に発生することが多いといわれています。

また、男性の乳房は脂肪が少ないため、女性よりもしこりが特定しやすく、しこりをきっかけに男性乳がんと診断されることが多いです。

胸のしこりへの対策 セルフチェックの方法

胸のしこりから乳がんを早期発見するためには、定期的に乳房を触ることでセルフチェックを行うことが大切です。

セルフチェックで重要なことは「普段との比較」

胸のしこりへの対策 セルフチェックの方法

セルフチェックは、腕を上げて胸を張った状態で、肋骨に沿って撫でるようにしてみてください。

ただし、若年の女性はしこりが特定しづらいことがあり、正常な乳腺をしこりと勘違いしてしまうことが多々あります。そのため、しこりを探そうとするだけでなく、乳房の形や左右差をみることが重要です。先ほどお話ししたような、皮膚のくぼみや突っ張った感覚がないかを確認してみるとよいでしょう。

セルフチェックの大きなポイントは、普段の自分の乳房との比較です。定期的に自分の乳房に触れることで、「あれ、いつもと違う」というような変化を確かめることが重要です。

セルフチェックのタイミング 

セルフチェックの頻度は、月に1度を目安にしましょう。

月経周期のある女性の場合、月経前は乳腺が張っているため、セルフチェックを行うのは乳腺がもっとも柔らかい月経開始から1週間〜10日後をお勧めします。

閉経後の女性の場合は、乳腺の硬さは一定のため、自分の誕生日の日付など忘れない日を決めてセルフチェックを行いましょう。

1991年福島県立医科大学医学部卒業。横浜市立大学大学院に在籍中に、カルフォルニア大学・サンディエゴ校へ留学。留学期間中はGFP遺伝子の研究に携わり、世界で初めてGFP遺伝子を使ってがん細胞が転移する様子を確認することに成功。このGFP遺伝子の研究は2008年にノーベル化学賞を受賞した。(ボストン大学下村脩名誉教授)
帰国後は、乳がん治療の最前線に携わりたいという思いから、臨床医としての経験と技術を積み上げる。

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