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食道がんの原因は?主な原因は飲酒や喫煙
食道がんは飲酒や喫煙との関連性が高いがんとして知られています。また、食道がんにかかる患者さんは年々増加傾向にあります。今回は食道がんの原因や種類などについて、京都第一赤十字病院の消化器内科副部長...
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食道がんの原因は?主な原因は飲酒や喫煙

公開日 2018 年 06 月 18 日 | 更新日 2018 年 09 月 19 日

食道がんの原因は?主な原因は飲酒や喫煙
戸祭 直也 先生

京都第一赤十字病院 消化器内科副部長 上部消化管内視鏡治療部門長

戸祭 直也 先生

目次

食道がんは飲酒や喫煙との関連性が高いがんとして知られています。また、食道がんにかかる患者さんは年々増加傾向にあります。今回は食道がんの原因や種類などについて、京都第一赤十字病院の消化器内科副部長である戸祭直也(とまつりなおや)先生にお話を伺いました。

食道がんとは?

食道の構造

食道にできるがんのことを、食道がんといいます。

食道は、喉と胃をつないでいる約25cmの管状の臓器で、肺や心臓よりも背中側に位置しています。また、食道は頸部食道、胸部食道(上部・中部・下部)、腹部食道に分けられます。

2008年の日本食道学会の全国調査によると、全体の食道がんの約50%が胸部中部食道に発生し、ついで胸部下部食道、胸部上部食道、腹部食道、頸部食道の順番となっています。

食道の組織

食道がんは、内腔の表面にある粘膜上皮から発生します。そして、進行するにつれて、その下にある粘膜下層や固有筋層、さらには食道の壁を突き抜けて周囲の臓器(気管や大血管)にまで広がっていきます。

また、リンパ節や血管にがん細胞が入り込むと、これらの流れに乗って他の臓器(肝臓や肺、リンパ節など)へと転移してしまうこともあります。

食道がんの種類

日本では9割以上が扁平上皮がん

食道がんは、大きく「扁平上皮(へんぺいじょうひ)がん」と「腺がん」に分類されます。このうち、日本人にみられる食道がんの約90%は扁平上皮がんが占めています。

一方、腺がんは逆流性食道炎(胃酸が食道へ逆流することで炎症が生じる病気)や、逆流性食道炎から生じるバレット食道が原因の場合が多く、欧米でよくみられます。日本における腺がんの患者さんは全体の数%程度ですが、近年の食生活の欧米化に伴って、少しずつ割合が増えているといわれています。

食道がんの原因

食道がんの原因は、扁平上皮がんと腺がんで異なります。日本人が発症する食道がんのほとんどを占める扁平上皮がんの原因は、主に飲酒と喫煙です。

そのほか、熱いものを好んで食べたり飲んだりすることも食道がんの発症リスクを高めるといわれています。

飲酒-特に飲酒で顔が赤くなる方は注意

飲酒は食道がんの発症原因です。これは、アルコールを体内で分解する際に生じる「アセトアルデヒド」という有害物質によるものです。

肝臓に運ばれたアルコールは、肝臓内でアセトアルデヒドに代謝されます。その後、アセトアルデヒド脱水素酵素2(ALDH2)によって無毒な酢酸に分解され、最終的には水と二酸化炭素に分解されます。

この過程において、ALDH2のはたらきが弱いと、アセトアルデヒドがなかなか分解されずに体内に残り、食道がんの発症につながるのです。

また、アセトアルデヒドには、毛細血管を拡張させて顔などを赤くする作用があります。すなわち、飲酒によって顔が赤くなりやすい体質の方は、アセトアルデヒドを分解しづらい(ALDH2のはたらきが弱い)ため、食道がんのリスクが高くなるといわれており、これは久里浜医療センターの研究でも明らかとなっています。

喫煙

喫煙によって食道がんの発症リスクが上昇することは、国立がん研究センターの調査で明らかとなっています。さらに、喫煙本数が増えるほどリスクが高まることもわかっています。

そのほか、ヘビースモーカーで、飲酒によって顔が赤くなる体質の方は、飲酒量が増えるほど食道がんの発症リスクが高くなるという結果も出ています。このように、喫煙と飲酒が相乗的に作用して食道がんのリスクをさらに高くすることがわかっています。

熱いものを好んで食べる方

そのほか、熱いものを好んで食べたり飲んだりする習慣のある方は、食道がんの発症リスクが高くなることも、2016年に国際がん研究機関(IARC)が発表しています。

そのため、熱い飲食物は少し冷ましてから摂取することも、食道がんを予防するためには大切です。

食道がんの男女差や年齢

60〜70代の男性に多い

60代の男性

食道がんは、女性よりも男性に多い病気です。国立がん研究センターがん対策情報センターが行った2013年の集計によると、人口10万人に対する食道がんの罹患率は男性が31.0人、女性が5.6人と、約6:1の割合で男性に多いことがわかります。また、60〜70代での発症が多い病気です。

食道がんのステージ

食道がんは進行の度合いによって、0期〜Ⅳ期までのステージ(病期)に分類されます。ステージは、がんの広がり(T因子)・リンパ節転移の有無(N因子)・他臓器転移の有無(M因子)の3つの因子の組み合わせによって、下図のように決定されます。

食道がんのステージ分類
日本食道学会編「食道癌取り扱い規約第11版(金原出版)より引用、一部改変」

また、食道がんの診断の際には、内視鏡治療の適応を判断するためにも、がんがどの程度深くまで浸潤しているかによって、リンパ節転移の有無を見極めることが大切です。

内視鏡治療が適応となるのは、リンパ節転移の可能性が極めて低い0期の食道がんです。

粘膜下層にまでがんが浸潤しているI期の食道がんの場合には、リンパ節転移の可能性が否定できないため、基本的には外科手術などが選択されます。ただし、I期であっても粘膜下層への浸潤が浅く、リンパ節転移の可能性が低いと考えられる場合には、内視鏡治療が適応となることもあります。

食道がんは他臓器がんを合併しやすい

食道がんは、他のがんに比べて重複がん(異なる臓器に原発巣がある別のがん)を持っている方が多く、日本食道学会の全国調査(2008年)によると、食道がんの患者さんの約23%が重複がんを発症していることがわかっています 。また、重複がんの種類では、胃がん、頭頸部がん(咽頭がん)などが多くみられます。

食道がんに重複がんが多い理由としては、喫煙や飲酒といった食道がんの危険因子がほかのがんと共通しているためと考えられています。

そのため、食道がんの診断するうえでは、重複がんがないかどうかを確かめることも非常に重要です。
 

1995年京都府立医科大学医学部卒業。消化管や胆膵疾患の内視鏡診断および治療に携わり、特に上部消化管(胃・十二指腸・食道・咽頭)のESDを専門とする。2018年現在所属する京都第一赤十字病院では多くの患者さんにESDを実施しており、その件数は近畿圏トップクラスを誇る。

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