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放射線治療後に残存・再発した食道がんを治す「光線力学療法(PDT)」とは?
放射線治療後に局所的に残存したり、再発したりしてしまった食道がんに対して「光線力学療法(PDT)」という治療が2015年に保険適用となりました。光線力学療法は、このようながんに対する救済治療法と...
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放射線治療後に残存・再発した食道がんを治す「光線力学療法(PDT)」とは?

公開日 2018 年 06 月 18 日 | 更新日 2018 年 09 月 19 日

放射線治療後に残存・再発した食道がんを治す「光線力学療法(PDT)」とは?
戸祭 直也 先生

京都第一赤十字病院 消化器内科副部長 上部消化管内視鏡治療部門長

戸祭 直也 先生

目次

放射線治療後に局所的に残存したり、再発したりしてしまった食道がんに対して「光線力学療法(PDT)」という治療が2015年に保険適用となりました。光線力学療法は、このようながんに対する救済治療法として期待されています。今回は光線力学療法を実施している、京都第一赤十字病院 消化器内科副部長である戸祭直也(とまつりなおや)先生にお話を伺いました。

光線力学療法(PDT)とは?

食道

光線力学療法(PDT:Photodynamic Therapy)とは、がん細胞に集まる性質を持つ薬剤を注射したあとに、がんに対してレーザー光を照射することで、がん細胞を変性・壊死させる治療法です。

適応は局所遺残再発食道がん

光線力学療法は「局所遺残再発食道がん」に対する治療法として、2012年に医師主導治験が開始され、2015年に保険適用となっています。

局所遺残再発食道がんとは、放射線治療後に局所的に残存したがんや、一旦は消失したものの再発してしまったがんのことです。従来は、このようながんに対する治療法は限られていたため、予後は極めて悪いものでした。しかし、光線力学療法の登場によって、治療が難しかったがんも治る可能性があり、新たな救済治療としての有効性が期待されています。

医師主導治験…治験とは、新しい薬や治療法を開発するために、人で効果や安全性を調べる試験のこと。治験に関わる一連の企画、管理などを医師自ら行うことを医師主導治験とよぶ。

光線力学療法(PDT)の方法

それでは、光線力学療法の具体的な流れについてご説明します。

治療の流れ

光線力学療法(PDT)の方法

STEP1

まずは、がん細胞に集まる性質を持ち、レーザー光に反応する薬剤(光線力学的療法用剤)を血管から注射します。

STEP2

薬剤を投与後4〜6時間後に、内視鏡を口から挿入し、がんに向かってレーザー光を照射します。すると、レーザー光に反応した薬剤から活性酵素が発生します。この活性酵素ががん細胞を変性・壊死させます。

STEP3

治療の翌日に内視鏡検査を行い、効果が不十分であると判断された場合には、再びレーザー光を照射します(このとき光線力学的療法用剤の投与は行いません)。

光線力学療法の治療効果

光線力学療法では、表面近くの浅い場所にあるがん細胞はもちろんのこと、粘膜下層や筋層といったさらに深い場所にあるがん細胞も変性・壊死させることができます。

医師主導治験では、光線力学療法を行った結果、局所遺残再発食道がんの88.5%が完全消失したという結果が出ており、高い有効性があることも証明されています。

光線力学療法(PDT)のメリットとデメリット

メリット

医師主導治験では、穿孔や狭窄、出血などの合併症がほとんど起こらなかったということが光線力学療法のメリットと考えられます。ただし、保険認可後、一部の施設からは穿孔や出血といった重篤(じゅうとく)な合併症がでたという報告もありますので、安全性を過信することもできません。

デメリット

一方、デメリットとしては、どのような患者さんにも行えるわけではなく、局所遺残再発食道がんに限られていることが挙げられます(2018年5月現在、京都第一赤十字病院を含め25施設)。

また、新しい治療法のため、実施できる病院が限られることもデメリットといえます。

光線力学療法(PDT)の合併症

光線過敏症

光線力学療法の治療後には、光線過敏症に気をつける必要があります。光線力学療法後に光線過敏症が起こると、太陽光や蛍光灯の明かりなどに光線力学的療法用剤が反応して、重症な日焼けや水ぶくれが現れます。

そのため、治療後約2週間は遮光カーテンのある少し暗めの部屋に入院をしていただき、治療から約3日間はサングランスをして過ごしていただきます。

約2週間経過したら、光線過敏症が起きるかどうかの検査を行い、問題なければ遮光を解除します。
 

食道がん(戸祭直也先生)の連載記事

1995年京都府立医科大学医学部卒業。消化管や胆膵疾患の内視鏡診断および治療に携わり、特に上部消化管(胃・十二指腸・食道・咽頭)のESDを専門とする。2018年現在所属する京都第一赤十字病院では多くの患者さんにESDを実施しており、その件数は近畿圏トップクラスを誇る。

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