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【医師監修】妊娠性痒疹ってどんな病気?原因や治療法について解説

【医師監修】妊娠性痒疹ってどんな病気?原因や治療法について解説
[医師監修] メディカルノート編集部

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妊娠痒疹(にんしんせいようしん)とは、妊娠中、体中の皮膚のところどころに、蕁麻疹(じんましん)のような小さな赤い盛り上がりができ、かゆみが生じる病気です。「かゆくて夜も眠れない」「目立つところにポツポツができて気になる」「治療したいけれど赤ちゃんに影響がないか心配」など、悩む人もいるでしょう。本記事では、妊娠性痒疹について、原因や治療法・対処法を解説します。

妊娠性痒疹はどんな状態?

妊娠性痒疹の概要

妊娠性痒疹は、主に妊娠3~4か月ごろ、手足や体にできるとされている病気です。2回目以降の妊娠で起こることが多いといわれています。

また、一般的には出産後に症状が改善するとされているのが特徴です。湿疹や皮膚炎などと異なり、一般的には、かきむしってもうつらないとされています(ただし、後述するとおり、かくことによってかゆみが悪化することはあります)。また、初回妊娠の後期に起こることがある多形妊娠疹(たけいにんしんしん)(PUPPP)とは、症状が異なります。

妊娠性痒疹の原因は?

妊娠性痒疹の主な原因は?

妊娠性痒疹の主な原因は、医学的にははっきりと解明されていません。ただ、妊娠性痒疹を含む痒疹は、一般的に、物理的な刺激のほか、食べ物などによる体内からの刺激などによって、皮膚が炎症を起こし、発症するとされています。

さらに、近年の研究では、妊娠性痒疹がアトピー性皮膚炎と関係することも明らかになってきました。ある研究によると、妊娠性痒疹の症例の多くで、家族にアトピー性皮膚炎の症状がある人がいる、自身にその既往歴がある、といったケースがみられたとのことです。

重症の場合の原因は?

妊娠性痒疹が悪化する原因についても、発症の原因と同様、はっきりした研究結果が出ていないのが現状です。ただし、妊娠性痒疹だけにとどまらず、かゆみをともなう皮膚の疾患は、かくことでさらにかゆみを助長してしまうことがあります。

かくことで皮膚を傷つけると、その刺激でかゆみを引き起こす「ヒスタミン」という物質の分泌が促され、かゆみが増します。妊娠性痒疹についても、かゆみを悪化させないよう、かかないようにするのがよいでしょう。

妊娠性痒疹の症状にはどのようなものがある?

主な症状は?

妊娠性痒疹の主な症状には、かゆみと、皮膚に現れるポツポツとした「丘疹(きゅうしん)」や「膨疹(ぼうしん)」があります。丘疹や膨疹は、長期化すると茶色く硬いいぼのようになることもあります。

かゆみや丘疹などは、特に手足や体幹(腹部や背中)に現れることが多いとされていますが、顔に現れることもあり、場合によっては腫れてしまうこともあります。

妊娠性痒疹の治療はどうやって受ける?

受診する診療科は?

妊娠性痒疹の治療のために受診する診療科は、皮膚科です。受診する際には、自身とおなかの赤ちゃんの健康管理のため、母子健康手帳を持参しましょう。

治療方法

原因がはっきりしない妊娠性痒疹の治療は、原因を取り除くものではなく、基本的には対症療法となります。

薬では、一般的な痒疹の場合、ステロイド剤の外用や抗ヒスタミン薬の内服が行われることが多くなっています。ただし、市販されている薬を含め、これらの薬には胎児に影響を与える可能性があるものもあり、使用には注意が必要です。医師の診断を経て、医療機関から処方されたものを使用するほうがよいでしょう。

薬以外の対処については、皮膚への刺激を減らす方法が有効だといえます。皮膚に刺激の少ない素材の服を着用するなどの方法が有効です。なお、民間療法として、よもぎを使用する方法などが紹介されていることがありますが、効果を証明する医学的研究は見つかっていません。

治療期間については明確に決まっていませんが、一般的に妊娠性痒疹の症状が治まるとされている出産のタイミングまで続けられるケースもあるようです。

産後の妊娠性痒疹について

産後にもなる可能性はある?

先述したとおり、妊娠性痒疹は一般的に、産後には症状が改善するとされています。もし、産後にかゆみがある場合は、たとえば一般的な湿疹などが原因である可能性もあるでしょう。ただし、妊娠性痒疹に限らず、痒疹は茶色く硬いいぼのような状態になると、治りにくくなることがあるようです。

適切な対処で妊娠性痒疹を改善しよう

明確な原因がわからず、対処しづらい妊娠性痒疹ですが、医師に相談すれば、おなかの赤ちゃんへの影響もあまりない治療法を提案してもらえるでしょう。また、日常生活のなかでも、かゆみを悪化させない工夫をすることは可能です。かゆみがストレスにならないよう、医師に相談して適切に対処するのがよいでしょう。