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【医師監修】うつ病の回復期の過ごし方―無理せず少しずつできることを増やす

【医師監修】うつ病の回復期の過ごし方―無理せず少しずつできることを増やす
[医師監修] メディカルノート編集部

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うつ病には、症状を落ち着かせるための治療に専念する「急性期」、治療をしながら少しずつ病前の活動力を取り戻すための準備期間である「回復期」があります。この記事では、回復期の状態や回復期の過ごし方のポイントについて、解説します。

うつ病の回復期はどんな状態?

「何かしたいな」と思えてきたら回復期のサイン

うつ病で、ストレスを避け、抗うつ薬などによる治療を行っていると、だんだんと症状が落ち着いてきます。やる気が起こらず、何をしても楽しくないといった状態から、少しずつ自然と「何かしたいな」と意欲が出てきたら、それはうつ病から回復しつつあるサインといっていいでしょう。

このように、焦りとは別に、やりたいことが頭に浮かぶようになったら、体力と自信をつけるためにも徐々に活動時間を増やすとよいでしょう。

回復期の過ごし方のポイント

無理をしない

何かをやりたいと思っても、無理をしないことが大切です。回復しつつあるとはいえ、急に治療前と同じ活動力で生活しようとすると心身が慣れず、病状が悪化してしまう可能性があります。まずは焦らず、無理せず、できることを少しずつ始めましょう。

独断で治療をやめない

医師から抗うつ薬などを処方されている場合は、病状がよくなっても飲み続けましょう。

病状がよくなってくると、薬物療法をしている方では「もう薬はいらない」と自己判断で薬をやめてしまうケースがあります。しかし、自己判断で服薬をやめてしまうことは病状を悪化させてしまう恐れがあるため、注意が必要です。

症状がよくなっている一因には、薬による効果も考えられます。「薬を飲み続けていると薬物に頼る体質になってしまうのではないか」と不安になる方もいるかもしれません。確かに、急に薬をやめると「離脱症状」や症状の再燃が起きることがあります。そのため、病状の回復に合わせて薬を徐々に減らしていく必要があるのです。なお、通常の抗うつ薬には薬がどうしても欲しくて仕方なくなる「薬物依存」に陥る危険性はありません。

もし、処方されている薬に関して疑問を感じたり、薬の量を減らしたいと思ったりしたら、独断での減量や服用中止は避け、まずは主治医に相談するようにしましょう。

うつ病の回復期にできること

  • 散歩などの適度な運動をする
  • 生活リズムを整える
  • ライフスタイルを見直し、自身の生活のペースや、うつのサインを確認する(再発防止のため)

適度な運動をする

療養中は、今までより活動時間が減ることから体力が低下しがちです。徐々に自分の目標とする生活に戻すためにも、できる範囲で運動を取り入れるとよいでしょう。

無理に激しい運動をする必要はなく、調子のよい時間帯に近所の散歩やサイクリングなど、軽い運動から始めます。最初は1回5分でも10分でもいいですが、それを2日に1度はやるようにしましょう。次第に運動できる時間が伸びていき、1~2か月で30分運動できるようになります。その後はそれを継続してください。運動すると気分がよくなります。それを味わってください。

生活リズムを整える

朝、決まった時間に起きる、家にいても着替える、ご飯を三食とるなど、徐々に生活リズムを整えていくことも、うつ病の回復期にできることのひとつです。特に、朝ご飯をきちんととるようにしましょう。

少しずつ目標とする生活に戻れるよう生活リズムを整えていくことが、自信につながります。どんなことでも、達成できたら自分を褒めましょう。たとえ、できない日があっても、うつ病には気分の波があって今日は調子が悪いのだと考え、自分を責めないようにしましょう。

ライフスタイルを見直す

うつ病の回復を機に、今までのライフスタイルを見直すことがうつ病の再発防止に一役買います。「生きるために仕事をする」が「仕事のために生きる」になり、それが行き過ぎになって発症してしまう人も多くみられます。

今までの生活はどうだったか、どうなると自分はストレスを感じてうつ病の症状が現れるのかを振り返り、自分なりのうつのサインをみつけるとよいでしょう。

回復期に自身のうつのサインをみつけておくと、もし今後再発の兆候がみられたときに、早くに気づき、対処ができるようになります。

自分だけでうつのサインをみつけることが難しい場合には、主治医や家族などと協力して振り返るとよいでしょう。

うつ病からの回復=元の生活に戻ることではない

うつ病からの回復は、決して元の生活に戻ることだけではありません。もともとの生活によってうつ病を発症したのですから、発症前とまったく同じ環境では再発してしまうことも考えられます。

そのため、回復期のあいだに自身の以前の生活を省みて、どの部分に無理があったのか、同じことを繰り返さないよう次からはどうすればよいのかを具体的に検討することが、今後の生活を豊かにします。

元の生活に戻れなかったといって落ち込まず、無理しないで生活できる「自分のペース」をみつけるチャンスだと考えるとよいでしょう。

うつ病の回復は一直線に進むとは限りません。良くなったり悪くなったりを繰り返しながら徐々に回復していく場合が多いのです。また、回復期に一時的に悪化した際に、「やはりダメだ」と絶望して自殺の危険が高まることもあります。症状の増減に一喜一憂せず、「必ずよくなる」と信じて焦らずにやりましょう。