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【医師監修】うつと食事が関係?うつ病の症状と関係する栄養素

【医師監修】うつと食事が関係?うつ病の症状と関係する栄養素
 [医師監修] メディカルノート編集部

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うつ病の患者さんであっても、体の病気と同様に栄養バランスのよい食事を摂ることがこころの健康につながります。ビタミンやミネラル、アミノ酸、脂肪酸などの栄養素がうつ病の症状と関係があるといわれています。今回は、うつ病の症状に関係するといわれる栄養素について解説します。

うつと食事の関係

バランスのよい食事がこころの健康にもつながる

近年、うつ病などのこころの病気と、食事との関係が注目されています。両者の関係は「精神栄養学」として、国内外の医師や研究者が研究しています。

特定の栄養素が不足したり過剰であったりすると、うつ病のリスクを高めるともいわれています。ほかの病気の予防と同様に、基本はバランスのよい食事をとることが、うつ病のリスクを下げたり、ゆううつな気持ちをやわらげたりすることにつながります。

うつ・ストレス・食欲の三者の関係

うつ病やゆううつな気分は、ストレスが原因に関係していることはご存じの方も多いことでしょう。ストレスをコントロールしている脳の部位は、視床下部と呼ばれる部位です。この部位は、ストレスだけでなく食欲もコントロールしています。

そのため、ストレスが食欲の増進や低下にも影響すると考えられています。

うつ病の症状に関わる栄養素

さまざまな研究により、うつ病の発症や病状に関連すると考えられている栄養素が明らかになっています。

ビタミン―葉酸、ビタミンDなど

ビタミンの不足は、うつ病の発症や症状の悪化に影響を及ぼすといわれています。ビタミンは体の調子を整える栄養素といわれており、体の調子を健やかに保つために欠かせないものです。

  • ビタミンB1:肉、豆、玄米、チーズ、乳、緑黄色野菜など
  • ビタミンB2:肉、卵黄、緑黄色野菜など
  • ビタミンB6:レバー、肉、卵、牛乳、魚、豆など
  • ビタミンB12:レバー、肉、魚、チーズ、卵など
  • 葉酸:レバー、豆類、葉野菜、果物など
  • ビタミンD:魚、肝油、きくらげ、しいたけなど。(ただし、ビタミンDは日光に当たることで皮膚で作られる部分が多いので、適度に日光に当たることが大切)

ミネラル―鉄など

ミネラルも体の調子を整える栄養素です。特に女性は月経などで鉄が不足しがちであることから、海藻類やレバーなどを意識的に食卓に取り入れるとよいでしょう。

  • 鉄:海藻類、貝類、レバー、緑黄色野菜など
  • 亜鉛:魚介類、肉類、穀類、ナッツなど。特にウナギ、牛肉、カキなどのいわゆる“精の付く食事”

脂肪酸―エイコサペンタエン酸(EPA)など

EPAやドコサヘキサエン酸(DHA)などのn-3系多価不飽和脂肪酸は、魚に多く含まれています。肉だけでなく、魚もバランスよく食べることを心がけると、たんぱく質だけでなくこれらの脂肪酸を摂ることができます。

アミノ酸―トリプトファンなど

アミノ酸の一部には、脳の神経伝達物質そのものであったり、神経伝達物質の原料となるものがあります。アミノ酸は肉や大豆などの良質なタンパク源に多く含まれる栄養素です。

  • トリプトファン:乳、卵、魚介類、豆類、チーズなど
  • メチオニン:卵、乳、魚介類、チーズなど
  • チロシン:乳、卵、魚介類、チーズ、豆類など

必要な栄養素をバランスよく摂るには?

減塩した和食と乳製品を意識的に摂る

先に紹介した栄養素をバランスよく摂るには、和食中心の食事に加えて乳製品を食べるとよいでしょう。

和食は栄養バランスに優れているといわれていますが、しょうゆやみそなどで塩分を摂りすぎてしまう点がデメリットです。減塩をする代わりにだしを効かせるなど調理法を工夫してみましょう。

また、日本人は欧米に比べて乳製品の摂取が少なく、カルシウムなどのミネラルが不足しがちです。牛乳、ヨーグルト、チーズなどを朝食やおやつなどに取り入れると、さらにバランスのよい食事になります。

サプリメントは薬との飲み合わせに注意

海外でうつに効果があるといわれているセントジョーンズワートなどのサプリメントなど、食事の補助としてサプリメントを用いたい方もいらっしゃることでしょう。しかし、このサプリメントには薬との併用によって、薬の効果が十分に得られない、副作用などが生じるといった相互作用をきたす可能性があります。

そのため、サプリメントを飲みたい場合は、まずは飲み合わせに問題がないか医師や薬剤師に相談してみましょう。

バランスのよい食事と適度な運動、睡眠でうつの改善を

今回紹介した食事のほかにも、適度な運動と十分な睡眠をとると、心身を健やかに保つことができます。適度な運動は体力の回復や体力低下の防止につながるため、療養後の復帰にも役立ちます。調子がよいときには、近所を散歩するなど軽い運動から始めることもよいでしょう。

そして、十分に睡眠をとって体を休め、体を労ることが心身の健康につながります。

食事のバランスがとれていないと、神経伝達物質の産生にも影響があり、せっかく抗うつ薬をのんでも効き目が下がってしまいます。ですから、薬物療法の効果をあげるためにもバランスのよい食事をとりましょう。また、食べ過ぎによる肥満やメタボリック症候群もうつ病のリスクを高めるだけでなく、発症後び経過を左右しますので、食べ過ぎにも気を付け、適度な運動を心がけましょう。