【院長インタビュー】

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熊本大学医学部附属病院
県下唯一の特定機能病院・熊本大学医学部附属病院の地域への貢献熊本県熊本市に位置する熊本大学医学部附属病院は、熊本県下唯一の特定機能病院として、高度な医療を提供するとともに、高度な医療技術の開発、...
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熊本大学医学部附属病院

公開日 2017 年 07 月 27 日 | 更新日 2018 年 08 月 29 日

熊本大学医学部附属病院
水田 博志 先生

熊本大学医学部附属病院 院長、熊本大学 副学長、熊本大学大学院生命科学研究部整形外科学分野 教授

水田 博志 先生

県下唯一の特定機能病院・熊本大学医学部附属病院の地域への貢献

熊本県熊本市に位置する熊本大学医学部附属病院は、熊本県下唯一の特定機能病院として、高度な医療を提供するとともに、高度な医療技術の開発、優れた人材の育成及び最新の医療設備・治療法の導入を行いながら、良質の医療サービスを地域住民へ提供してきました。

近年では、地域医療に従事する総合診療医の育成や心臓血管センターの創設など、新たな取り組みも次々と行っています。地域への貢献を大きな柱とする同病院の病院長である水田 博志先生に、熊本大学医学部附属病院の取り組みについてお話しいただきました。

 

熊本県唯一の特定機能病院として高度医療を提供

熊本大学病院 外観
写真提供:熊本大学医学部附属病院

熊本大学医学部附属病院は、県下唯一の特定機能病院として高度で先進的な医療を提供し、また地域の医療機関との緊密なネットワークのもとに、地域医療の最後の砦として多くの合併症を持つ患者さんや難治性の患者さんの診療に取り組んでいます。最高レベルの医療を安全に提供するために、手術支援ロボット(ダヴィンチSi)、ハイブリッド手術室の設置など最先端の診療基盤を継続的に整備し、また高度な専門性が求められる分野については、がんセンター、高度医療開発センター、総合周産期母子医療センター、移植医療センター、緩和ケアセンター、外来化学療法センターなどを設置し診療体制の強化が進められています。

ダヴィンチSi
ダヴィンチSi 写真提供:熊本大学医学部附属病院

地域医療の拠点病院としての役割を果たす

本院は、「都道府県がん診療連携拠点病院」、「エイズ治療中核拠点病院」、「肝疾患診療連携拠点病院」、「熊本県基幹型認知症疾患医療センター」などの指定を受け、それぞれの疾患に対して高度な診療機能を備えるとともに、他の医療機関との連携の中心となり、地域の患者さんが質の高い医療を受けることができるように努めています。2016年には、地域における小児在宅医療に関する支援体制を構築することを目的に、熊本県の支援を受けて「小児在宅医療支援センター」を新たに設置しました。本センターは、小児在宅医療に関する情報等を家族や医療関係者に提供する総合相談窓口、地域在宅支援ネットワークの構築や小児在宅支援コーディネーターの養成などを行っています。

ドクターヘリ
ドクターヘリ 写真提供:熊本大学医学部附属病院

診療科の連携を実現-心臓血管センターを例に

本院には33の診療科があり、それぞれの診療科が質の高い先進的な医療の提供をめざして様々な取り組みを行っていますが、ここでは、循環器内科、心臓血管外科、救急・総合診療部の連携により2016年に設置された心臓血管センターをご紹介します。

2016年に設置された心臓血管センター

本院では、診療や研究の中核となるセンターを設置することで、診療科の枠を超えた横断的な治療を実現しています。その中で最も新しいものが2016年に設置した心臓血管センターです。このセンターは、循環器内科、心臓血管外科、救急・総合診療部の連携により実現しました。循環器系の疾患では一刻を争う重篤な患者さんが少なくなく、また治療に緊急性を要する救急患者さんが多いことも特徴です。これらの患者さんに対して、内科・外科・救急の垣根を超えた迅速な対応を可能とするために、心臓血管センターが設置されました。当センターでは、循環器内科医、心臓血管外科医、救急・総合診療部医師が協働して診療に当たり、各科の連携により迅速かつ正確な診断と治療を実現し、救急医療、内科的治療、外科的治療を集約した医療を提供しています。県下全域から循環器系疾患の救急患者や重症患者が運ばれており、一部県外からも患者さんがいらっしゃいます。

熊本大学医学部附属病院
写真提供:熊本大学医学部附属病院

研究をさらに進化させる取り組み

大学病院は、高度で先進的な医療を提供するとともに、医学研究を推進して次世代の医療を開発するという重要な使命を持っています。本院では、従来から基礎系講座や学内の研究所・センターとも連携しながら医学研究に積極的に取り組み、様々な分野で優れた研究成果をあげています。また世界を舞台に活躍する医学研究者も数多く輩出しています。

研究の成果を実際の診療に役立てるために

基礎研究の成果を診療に応用していくためには臨床研究が必要となります。本院では、2015年4月から遵守が義務付けられた「人を対象とする医学系研究に関する倫理指針」に符合した臨床研究推進体制を構築するために、2014年10月に総合臨床研究部を設置しました。ここでは、臨床研究に対して、コーディネート、モニタリング、データマネージメントなど様々な支援を実施しています。院内のみならず、院外における臨床研究の支援業務も行っています。今後とも、総合臨床研究部の体制整備と臨床研究の推進を図って、本院がさらに重要な臨床研究の拠点となるように取り組んでいきたいと考えています。

優秀な人材の育成も役割のひとつ

大学病院は優れた医療人を育成する教育拠点でもあります。本院では、最高レベルの医療の提供をめざして日々研鑽を重ねる中で、専門的知識・技能と高い倫理観を備えた医療スタッフが育っていくように様々な支援を行っていますが、ここでは以下の2つの取り組みをご紹介します。

ハイブリット手術室
ハイブリッド手術室 写真提供:熊本大学医学部附属病院

肝移植外科医の育成

本院は、国内有数の肝移植施設であります。その実績が認められ、2014年に「国内初の、肝臓移植を担う高度医療人養成」事業が文部科学省の課題解決型高度医療人材養成プログラムとして採択されました。本事業は、本院を中心として「旧6」大学(千葉大学・新潟大学・金沢大学・岡山大学・長崎大学)と京都大学、国立成育医療研究センターが連携して、次世代の肝移植手術を担う外科医師、移植病理医、レシピエントコーディネーターを養成することを目的としたもので、5年の事業期間で18名の肝移植外科医、8名の病理医、12名のコーディネーターの養成をする予定です。

地域医療に従事する総合診療医の育成

2015年には玉名市の公立玉名中央病院に地域医療実践教育玉名拠点を設置しました。本拠点は、熊本県からの委託事業として設置されている地域医療・総合診療実践学寄附講座の教員(特任准教授1名、特任助教1名)が病院に常駐して、総合診療科の診療を行いながら、医学部学生に対する地域医療の教育と卒後の総合診療専門医の養成を行うもので、地域における医師不足の解消と地域医療や総合診療を志す医師の育成に寄与するものとして期待されます。

地域医療実践教育玉名拠点開所式の様子
地域医療実践教育玉名拠点開所式の様子 写真提供:熊本大学医学部附属病院

地域医療への貢献

少子超高齢社会に対応可能な医療・介護サービス提供体制の再構築が求められる中で、本院は、病院機能の分化の推進とともに、地域連携のさらなる強化に努めています。また、医師不足が続く地域医療に対しても、熊本県と連携して様々な取り組みで支援を行っています。

地域連携の強化に向けて

本院では、2010年より、全国に先駆けて熊本県がん診療連携クリティカルパス「私のカルテ」の運用を開始しています。患者さんが医療機関を受診する際に、「私のカルテ」を持参することで、がん診療連携拠点病院の医師とかかりつけ医が患者さんの治療経過などの情報を共有でき、より適切な診療を受けることが可能となります。また、2015年には、くまもとメディカルネットワークの運用が開始されました。本ネットワークは、熊本県、熊本県医師会と本院が協力して構築したもので、緊密な連携に重要な情報共有の基盤となることが期待されます。

医師不足解消に向けた取り組み

本院では、熊本県と連携して、地域の医師不足解消に積極的に努めるとともに、地域医療に従事しながら専門医の資格や継続が取得できるキャリアパスの構築に取り組んでいます。また本都市からは女性医師の離職防止と復職促進を目的に女性医師メンター制度を開始する予定です。地域医療の充実のためには熊本県で臨床研修を行う医師を多く確保することが必要ですが、2017年4月からの初期臨床研修医の県別マッチング率は熊本県が全国で1位でした。これも熊本県、県内臨床研修病院、本院が一体となった取り組みの成果であり、引き続き上位を維持できるよう取り組んでいきます。

防災ヘリ
防災ヘリ 写真提供:熊本大学医学部附属病院

心の安らぎと癒しを与える病院をめざして

熊本大学医学部附属病院は、「患者本位の医療の実践、医学の発展及び医療人の育成に努め、地域の福祉と健康に貢献する」という理念を掲げています。医師、看護師、メディカルスタッフ、事務職員など二千名を超す全ての職員がこの理念を共有し、「オール熊大病院」で取り組んで初めて本院の社会的使命が果たせるものと考えています。今後も、良質で高度な医療サービスを提供するとともに、常に患者さんに寄り添い心の安らぎと癒しを与える病院を目指して努力をしてまいります。

整形外科専門医、リウマチ専門医として熊本大学医学部附属病院において、主に膝関節外科診療にあたる。また、熊本大学院生命科学研究部整形外科学分野の教授として、保存療法や手術療法の開発・研究など、豊富な研究実績を持つ。2015年には熊本大学医学部附属病院の院長に就任し、より良い医療サービスを提供すべく病院づくりにも尽力している。