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大腸がんの手術について 開腹手術・腹腔鏡下手術の特徴とは
大腸がんの手術には主に、患者さんの腹部を切開して行う開腹手術と、腹部に複数の小さな穴をあけ腹腔鏡*と鉗子*などを挿入して行う腹腔鏡下手術の2種類のアプローチ方法があります。今回は、大腸がんに対し...
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大腸がんの手術について 開腹手術・腹腔鏡下手術の特徴とは

公開日 2018 年 08 月 29 日 | 更新日 2018 年 09 月 25 日

大腸がんの手術について 開腹手術・腹腔鏡下手術の特徴とは
植木 秀功 先生

医療法人愛仁会 亀田第一病院 副院長

植木 秀功 先生

目次

大腸がんの手術には主に、患者さんの腹部を切開して行う開腹手術と、腹部に複数の小さな穴をあけ腹腔鏡と鉗子などを挿入して行う腹腔鏡下手術の2種類のアプローチ方法があります。

今回は、大腸がんに対しての開腹手術、腹腔鏡下手術それぞれの特徴や対象となる患者さん、術後の生活方法などについて、医療法人愛仁会 亀田第一病院 副院長の植木秀功先生にお話を伺いました。

腹腔鏡…おなかの内部を観察する医療器具。

鉗子…物をつかんだり引っ張ったりする器具。

大腸がんの手術の種類

大腸がんの手術には、主に開腹手術、腹腔鏡下手術という2種類のアプローチ方法があります。一般的に、上記2種類の外科的手術の対象となります。

大腸の構造
大腸壁のイメージ

そのなかで、がんの進行度やがんが発生した部位、患者さんの年齢や開腹歴、希望を考慮しながら、どのような方法で手術を実施するかを決定します。

ステージ0期から一部のⅠ期の大腸がん患者さんが対象となる内視鏡治療については、記事『大腸がんの内視鏡治療について 治療方法や対象となる患者さんとは』をご参照ください。

大腸がんのステージ…大腸がんのステージは、0期からⅣ期に分かれている。一般的に大腸癌診療ガイドライン2016年版では、0期から一部にⅠ期は内視鏡治療の対象、Ⅳ期は薬物療法や放射線治療、対症療法が推奨されている。

大腸がんの開腹手術とは

大腸がんの開腹手術とは、患者さんの腹部を切開して行う手術です。大腸のどこの部分に腫瘍があるかによって術式が異なります。たとえば、下のイラストのように、上行結腸がんの場合は「結腸右半切除術」、下行結腸がんの場合は「結腸左半切除術」を実施します。

 

結腸がんの術式
結腸がんの術式

腫瘍の発生した大腸の部位とリンパ節、血管を切除し、がんが浸潤している臓器があれば共に切除します。

大腸がんの腹腔鏡下手術

大腸がんの腹腔鏡下手術とは、患者さんの腹部に1cm〜2cmの穴を4箇所から5箇所あけ、そこから鉗子と内視鏡を挿入します。そして、内視鏡で撮影した腹腔の様子をモニターに映しながら手術を行います。

腹腔鏡手術のイメージ
腹腔鏡下手術のイメージ

「大腸癌治療ガイドライン2016年版」では、結腸がんと直腸S状部がんに対しての腹腔鏡下手術は、開腹手術と同等の安全性であると報告されています。

一方、横行結腸がんは構造的にリンパ節・血管を切除することが難しい部分のため、腹腔鏡下手術を実施する際は留意する必要があります。また、直腸がんは狭く視野が悪い部分であり、有効性や安全性はまだ確立されていません。そのため、今後も検証していく必要があります。

大腸の構造
大腸のイメージ

大腸がんは、進行しているほど広範囲のリンパ節へ転移しています。広範囲のリンパ節を切除するほど出血などのリスクが高くなり、腹腔鏡下手術を行うことは難しくなります。そのため「大腸癌診療ガイドライン2016年版」では、大腸がんのステージⅡからステージⅢの患者さんに対しては「個々の手術チームの習熟度を十分に考慮して適応を決定する」と記載されています。

大腸がんの開腹手術と腹腔鏡下手術のメリット・デメリット

天秤

開腹手術と腹腔鏡下手術には、それぞれメリットとデメリットが存在します。

開腹手術のメリットとデメリット

開腹手術のメリット

開腹手術の場合、医師が直接患者さんに触りながら手術を行うため、大腸がんのステージや部分によって、手術操作がやりやすいというメリットがあります。

開腹手術のデメリット

開腹手術は腹部を切開するため、術後の傷跡が目立つと感じる方もいます。傷跡の痛みや大きさなどから、術後の回復は腹腔鏡下手術よりも遅くなる傾向にあります。

腹腔鏡下手術のメリットとデメリット

腹腔鏡下手術のメリット

腹腔鏡下手術の場合、開腹手術よりも手術の傷跡は小さいため、目立ちにくくなります。痛みも少なく、術後の回復が早いというメリットがあります。

腹腔鏡下手術のデメリット

一般的に、腹腔鏡下手術は開腹手術よりも手術時間が長くなります。腹腔にガスを入れて膨らませるため、肺や心臓に負担がかかります。そのため、肺や心臓に合併症を持っている患者さんは適応外となることがあります。また、肥満体形の患者さんの場合は合併症発生率が高くなるため、腹腔鏡の対象外となることがあります。

大腸がんの手術の合併症

中年の男性患者さんが病院のベッドに寝ている

大腸がんの手術の合併症には、さまざまなものがあります。以下は代表的な合併症です。

合併症…ある病気や、手術や検査が原因となって起こる別の症状

縫合不全

縫合不全とは、手術の際に腸管をつなぎ合わせた場所から、便などの内容物が漏れることです。大腸の中でも肛門に近い部分ほど、縫合不全が起こりやすいといわれています。内容物が腹腔内に漏れ、腹膜炎を発症した場合は、再手術が必要になることもあります。

腹膜炎…何らかの原因により、腹膜が炎症を起こす病気。発熱や腹痛などの症状が現れる。

出血

手術中に誤って臓器や血管を傷つけてしまった場合、出血を起こすことがあります。大量に出血している場合は、輸血などの対応が必要です。

癒着による腸閉塞

術後に腸が癒着を起こす可能性があります。癒着により腸が狭くなると、内容物が詰まり腸閉塞を発症することがあり、腹痛や吐き気などの症状が現れます。

細菌感染

手術の傷跡から、細菌感染を起こす可能性があります。細菌感染により入院期間が長くなるケースもあります。

肺炎

手術の傷跡が痛み、上手く呼吸ができないことなどが原因で、痰をうまく出せずに肺炎を発症することがあります。特に高齢者の患者さんは注意が必要です。

大腸がんの手術後の生活

大腸がんの手術後は、腸管をつなぎ合わせた部分に便が詰まるなどのリスクがあるため、水分をこまめに摂るなどし、便が硬くならないように意識してください。喫煙は多くのがんのリスクになるため、禁煙をお勧めします。その他、暴飲暴食などを避ければ日常生活の制限は特にないと思われます。

また、手術後の経過観察のため定期的に通院し、画像検査などを受ける必要があります。

主治医に遠慮せず、質問は積極的に

医師と患者さんが話し合っているイメージ画像

大腸がんの手術方法は年々研究が進んでおり、治療の幅も広がっています。しかし、大腸がんは再発することもあるため、手術後も検査や治療を続けていくことが必要です。

手術の前から、手術のことだけでなく術後の検査や経過についても、主治医とコミュニケーションをとっておくことが重要です。医師に遠慮せずに、ご自身の聞きたいことを積極的に質問し、納得した上で大腸がんの治療に取り組んでもらいたいと私は考えています。

 

当院に入院される方は80歳以上の高齢の方が多く、がんの治療に当たっては若年の方たちと同じ治療法を適応すると大きな合併症を招きかねません。したがって、常に患者の方々の状態を十分に考慮し、患者ご本人、ご家族と十分に話し合った上で治療方針を慎重に決定しています。

「大腸がん」についての相談が9件あります

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