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大腸がんの手術 種類や特徴について

疾患啓発(スポンサード)

最終更新

2019/04/01

2019 年 04 月 01 日
掲載しました
大腸がんの手術 種類や特徴について
松村 直樹 先生

東北ろうさい病院 外科副部長 内視鏡外科部長 内視鏡下手術センター長

松村 直樹 先生

目次
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大腸がんの手術には、内視鏡手術と外科的手術があります。外科的手術には開腹手術と腹腔鏡下手術があり、がんの種類や浸潤度、患者さんの開腹歴や肥満度などを考慮し術式を決定します。

今回は、東北ろうさい病院 内視鏡外科部長の松村直樹先生に、大腸がんの手術の種類とそれぞれの特徴について、お話を伺いました。

大腸がんの手術の種類

大腸がんに対して行われる手術には、以下の種類があります。

内視鏡手術

内視鏡的粘膜術
内視鏡で腫瘍を切除するイメージ

内視鏡手術とは、肛門から内視鏡(体の内部を観察・治療する医療機器)を挿入し、大腸内の腫瘍を切除する治療法です。お腹を切開する必要のない、患者さんの心身の負担が少ない治療法です。切除の方法は、内視鏡的ポリープ切除術、内視鏡的粘膜切除術、内視鏡的粘膜下層剥離術の3種類があります。腫瘍の大きさや形、部位などによって治療方法を決定します。

開腹手術

開腹手術とは、腹部を切開して行う手術です。結腸がん、直腸がんなど腫瘍が発生する場所によって術式が異なります。腫瘍の発生した大腸の部位とリンパ節を切除し、がんが浸潤(周りの組織へ広がっていること)している臓器があれば共に切除します。

腹腔鏡下手術

腹腔鏡下手術とは、腹腔鏡という内視鏡(体の内部を観察・治療する医療機器)を腹部に挿入し、腹腔内を拡大視しモニターに映し出しながら手術をします。

腹腔鏡下手術のイメージ
腹腔鏡下手術のイメージ

開腹手術と同様に、腫瘍の発生した大腸の部位とリンパ節を切除し、がんが浸潤している臓器があれば共に切除を行います。

腹腔鏡下手術についての詳しい解説は、記事5『大腸がんの腹腔鏡下手術 メリットや特徴について』をご参照ください。

腹腔鏡下手術では、鉗子(物をつかんだり引っ張ったりするための器具)と腹腔鏡を挿入するため小さな穴を5か所ほど開けます。開腹手術よりも手術の傷跡が小さい手術です。

姑息手術(バイパス手術・人工肛門造設術)

姑息手術とは、病気による症状の緩和のために実施される手術です。大腸がんの場合は、バイパス手術や人工肛門造設術があります。バイパス手術とは、腫瘍により大腸が閉塞してしまった場合に行う手術であり、食べ物が迂回するための通路を作ります。また、人工肛門造設術とは、直腸と肛門を切除する場合や大腸が閉塞して便が通過できない場合、大腸や小腸を使い便の排泄口を作る手術です。

大腸がんの手術の特徴

大腸がんのステージ

大腸の構造
大腸の構造
大腸がんのステージ
大腸がんのステージ

大腸がんのステージは、がんの浸潤度やリンパ節転移の数によって、以下の通り分類されます。

大腸がん取り扱い規約第8版(2013年)

  • ステージ0:がんが大腸の表面の粘膜のなかにとどまっている状態
  • ステージ1:リンパ節に転移がなく、がんが固有筋層(大腸の壁)のなかにとどまっている状態
  • ステージ2:リンパ節に転移がなく、がんが固有筋層の外まで浸潤している状態
  • ステージ3a:リンパ節転移が1~3個ある状態
  • ステージ3b:リンパ節転移が4個以上ある状態
  • ステージ4:肝臓や肺、腹膜など大腸から離れた臓器に転移している状態

ステージが高くなるほど重症度も高くなります。

大腸がんのステージ別の治療法

大腸がんのステージ別の治療法
大腸がんのステージ別の治療法

上の図のように、大腸がんはステージによって治療法が異なります。ステージ0からⅠの大腸の粘膜にがんがとどまっている患者さんは、内視鏡手術の対象となります。深部浸潤のあるステージⅠからステージⅢまでの大腸がんは、外科的手術の対象となります。外科的手術は開腹手術と腹腔鏡下手術があり、大腸がんの種類や重症度を考慮し選択されます。ステージⅣの大腸がんの一部で外科的手術が可能なこともありますが、手術が困難な場合は、抗がん剤治療や放射線療法、対症療法(症状を和らげる治療)の対象となります。

2016年版の「大腸癌治療ガイドライン」には、がんの部位や進行度といった腫瘍側の要因だけでなく、患者さんの肥満度、開腹歴、術者の経験、技量を考慮し、術式を決定するという内容が記載されています。つまり、基本的にはガイドラインに準じた治療を行いますが、1人1人の患者さんの状態と手術を実施する医師の技量に応じて、その都度手術の種類を決定すべきということです。