鹿児島徳洲会病院は、1987年に鹿児島県鹿児島市に開設されました。2018年8月現在は310床の規模を持ち、回復期リハビリテーションを中心に地域の医療機関と連携しながら、幅広く患者さんを受け入れています。同院の診療の強みや地域との連携について、院長である池田 佳広先生にお話を伺いました。
鹿児島徳洲会病院は、全国に71か所ある徳洲会グループの病院のひとつです。以前は急性期を中心とした診療を行っていましたが、現在は急性期に加え回復期や在宅医療など、高齢化の進む地域のニーズに幅広く対応できる医療を行っています。また、2021年をめどに新病院の新築・移転を予定しています。
患者さんとご家族に寄り添う医療を目指し、さらなる医療の質の向上と機能の充実を図ります。
当院の大きな強みとなっているのは、リハビリテーションです。脳卒中や脳血管障害、運動器障害などの患者さんを中心に、発症からすぐに取り組む超急性期リハビリテーションから回復期、維持期、終末期リハビリテーションまで切れ目のないリハビリの提供を行っています。
回復期病床の数は40床(2018年8月現在)です。地域におけるリハビリテーションのニーズが高いため、時期は未定ですが将来的には60床に増床を予定していまです。(時期は未定)脳神経外科や整形外科の医師を中心に、理学療法士、作業療法士、言語聴覚士などが連携し、患者さんの回復を支えるリハビリの提供に努めています。
徳洲会に属する病院ならではの取り組みとして、離島や僻地への医療支援があります。徳洲会グループは奄美大島などにも病院を開設しており、グループ全体で離島・僻地医療支援を行っています。当院も、新病院移転後は柱となる医療のひとつとして、注力したいと思っています。
新病院移転後には、救急医療にも力を入れていきたいと考えています。現在は近隣に急性期医療に対応する病院が多くあるため、あまり受け入れ搬送数は多くありません。しかし、移転後の地域は急性期病院が少ないため、救急医療のニーズがあると考えています。
十分な施設とマンパワーを整えて積極的に救急患者さんを受け入れ、移転後も住民の皆さまの健康と安心を支えられるようにしたいと考えています。
2018年1月に院長に着任したとき、地域の各医療機関を訪ねて地域医療の状況把握に努めました。すると、満床で患者さんを受け入れられずに困っているという病院が多いことがわかりました。鹿児島市内の病院は急性期が多いため、回復期やリハビリテーションを必要とする患者さんの受け入れ先に困っていたのです。
介護施設では、急な発熱など体調が悪化した方の受け入れ先がなくて困っていたり、重症の透析患者さんを受け入れられなかったりという状況もありました。
そうした背景があり、当院で急性期治療を終えた患者さんや施設だけでは対応が難しい利用者さんを引き受けるように提案しました。
地域連携の強化に貢献するだけでなく、各医療機関や施設を回ってそれぞれの施設に対してできることを提案、対応しているところも当院の特徴のひとつだと考えています。
課題としては、圧倒的に医師が足りないことが挙げられます。そういった状況があるため、医師の業務負担を減らす取り組みはしっかりと行っています。回復期リハビリテーションの患者さんを積極的に受け入れることで患者数が増えたぶん仕事量も増えているため、医療事務などのサポートスタッフを増やして医師が診療に専念できる環境を整えました。
専門性の高い病院に行くと、患者さん自身ではなく病気を診るような場面が多くなってしまいます。しかし、目の前の患者さんとしっかり向き合うという初心を忘れず、医療に携わってほしいと思います。
当院は、ゆったりとしたのどかな雰囲気の中にあり、診療に関しては急性期から回復期、在宅医療とトータルで診ることができる環境が整っています。さらに、今後新病院を建設する予定のため、新しいことにチャレンジしようとしている病院の中で一緒に改革に取り組んでいけたら、よい経験になるのではないでしょうか。
徳洲会病院ならではの取り組みとして離島や僻地の医療支援があります。後期研修医には2、3か月にかけて離島・僻地医療を経験してもらっています。滅多にできない経験を積むことで、短期間で大きく成長できると考えています。
徳洲会は全国にグループ病院を持つ法人であるため、同期となる医師も多いです。他病院に勉強にいきたいという希望も叶えやすいうえ、コメディカルも優秀なので非常に働きやすい環境だと思います。
当院では患者さんと家族に寄り添う医療を心がけています。その一方で、患者さん自身もご自身の体や病気に関心を持ってほしいと思います。自分の病気がどのようなものなのか、薬や食事、運動といった生活における管理などにも、ぜひ主体的に取り組んでください。病気は、薬を飲めば治るものばかりではありません。患者さんご自身が、日常生活においてしっかり管理することが重要です。
もちろん、私たちも必要なサポートを提供します。治療に関しては、できるだけわかりやすく伝えるよう努力いたします。当院と患者さんで協力して、よりよい医療の提供を目指していきたいと考えています。
鹿児島徳洲会病院 院長
鹿児島徳洲会病院 院長
日本内科学会 認定内科医日本循環器学会 循環器専門医日本病院総合診療医学会 認定医
基本的には循環器内科だが、糖尿病や腎臓、透析等の疾患や一般内科など総合的に診療。2011年からは国際医療福祉大学の大学院に通学するために、埼玉県の東大宮総合病院に就職。H25年3月に医療経営学修士(h-MBA)を取得。2014年9月1日、40歳で院長として勤務。循環器内科医で、総合診療のできる医師として外来・救急・当直や心臓カテーテル検査・治療なども行うと共に、院長として経営やマネージメントを行う。就任後3年4か月で組織、経営を立て直し、2018年1月1日から鹿児島徳洲会病院に院長として就任。循環器内科、内科に加え整形外科、脳外科の患者も診ており、総合診療医として働いている。
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