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総胆管結石の内視鏡治療
胆石のうち、肝臓と十二指腸をつなぐ胆管に結石ができる「総胆管結石」では、内視鏡*を用いた結石除去術を行います。今回は、香川県済生会病院消化器内科部長である藤森崇行先生に総胆管結石の内視鏡治療の方...
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総胆管結石の内視鏡治療

公開日 2018 年 09 月 11 日 | 更新日 2018 年 09 月 25 日

総胆管結石の内視鏡治療
藤森 崇行 先生

香川県済生会病院 消化器内科部長

藤森 崇行 先生

目次

胆石のうち、肝臓と十二指腸をつなぐ胆管に結石ができる「総胆管結石」では、内視鏡を用いた結石除去術を行います。

今回は、香川県済生会病院 消化器内科部長である藤森崇行先生に総胆管結石の内視鏡治療の方法や合併症についてお話を伺いました。

内視鏡…先端に小型カメラがついた医療用の細い管

内視鏡で行う胆道結石除去術とは?

総胆管結石に対する治療法には、内視鏡的または外科的に行う結石除去術がありますが、近年は内視鏡による「内視鏡的胆道結石除去術」が多くの病院で行われています。

内視鏡的胆道結石除去術は、内視鏡を口から挿入して、胃、十二指腸を通り抜けたあと、十二指腸乳頭(胆管の出口)を切開または拡張したあとに、専用の器具で胆管内の結石を取り除く治療です。

結石を取り出すためにESTまたはEPBD を行う

胆管の出口である十二指腸乳頭はとても狭いため、胆管内にある結石を通過させるためには十二指腸乳頭を広げる必要があります。

その方法として、十二指腸乳頭をナイフで切開する「内視鏡的乳頭括約筋切開術(EST)」と十二指腸乳頭をバルーンで拡張する「内視鏡的乳頭バルーン拡張術(EPBD)」の2つの方法があります。

内視鏡的乳頭括約筋切開術(EST)

内視鏡的乳頭括約筋切開術(EST)

内視鏡的乳頭括約筋切開術(EST)は、EST用ナイフを使って電気を流しながら十二指腸乳頭を少しずつ切り開いていく処置方法です。

十二指腸乳頭を切開する必要があるため、出血傾向がある方(肝硬変や血液疾患を持つ方、抗凝固療法中の場合など)にはESTは適しておらず、一般的には後述するEPBDによる処置を行います。

抗凝固療法…虚血性心疾患などに対して血液をサラサラにする薬を服用する治療

内視鏡的乳頭バルーン拡張術(EPBD)

内視鏡的乳頭バルーン拡張術(EPBD)

内視鏡的乳頭バルーン拡張術(EPBD)は、十二指腸乳頭部に挿入したバルーンを広げることで、胆管の出口を拡張する処置方法です。

結石が大きな場合や、複数の結石を認める場合には、大口径バルーンを用いた「内視鏡的乳頭ラージバルーン拡張術(EPLBD)を行うこともあります。通常のEPBDでは口径10mm以下のバルーンを使用することに対し、EPLBDでは口径12mm以上のバルーンを使用することで、十二指腸乳頭部をより大きく拡張することができます。

結石の採取−結石が大きいときには砕石を行うことも

内視鏡的乳頭バルーン拡張術(EPBD)

ESTまたはEPBDによって十二指腸乳頭を広げたあとは、胆管内に造影剤を流して結石の大きさや個数を確認します。

その後、結石を取り除くための専用の器具(採石用バスケットやバルーンカテーテルなど)を胆管内に挿入して、結石を十二指腸側へと取り出します。

このとき、結石が大きな場合には結石を破砕する砕石術を行うこともあります。

内視鏡的胆道結石除去術は局所麻酔を使って行い、およそ30分〜2時間で終了します。

内視鏡的胆道結石除去術に伴う合併症

内視鏡的胆道結石除去術によって、消化管穿孔(せんこう)(穴が開くこと)や出血、膵炎、胆管炎などの合併症が起こることがあります。中でも膵炎は重症化する恐れがあるため、治療後は入院をして全身管理をしていただくことが一般的です。

黄疸や急性胆管炎を併発している場合

重症化すると急性閉塞性化膿性胆管炎となることも

総胆管結石では、黄疸(おうだん)(皮膚や目が黄色くなること)や急性胆管炎を合併することがあります。急性胆管炎が重症化して急性閉塞性化膿性胆管炎となると、ショック状態や意識障害に陥り、命を落とす危険性もあります。

そのため、合併症によって患者さんの呼吸状態や循環動態が悪い場合には、結石を取り除くことよりも、感染をコントロールする治療を優先的に行う必要があります。

胆汁の流れを改善させる胆道ドレナージ

感染をコントロールするためには、胆石によって滞った胆汁の流れを改善させる「胆道ドレナージ」を行います。胆道ドレナージには大きく2つの方法があります。

1つは「内視鏡的胆道ステント留置術」です。内視鏡的胆道ステント留置術は、内視鏡的に胆道内にステントとよばれるチューブを留置して、胆汁を十二指腸側に流し出す治療法です。

2つ目は「内視鏡的経鼻胆道ドレナージ」です。この治療法は長いチューブの先端を胆管に置いて、十二指腸→胃→食道→鼻へとチューブを出しておくことで、胆汁を体外に排出する治療法です。

胆道ドレナージを行うことで、胆汁を流し出すと同時にそこに溜まっていた細菌も流されるため、胆管炎は速やかに改善されていくことがほとんどです。そして、胆管炎が改善したあとで結石を取り除く治療を行います。

繰り返しになりますが、胆石が原因で急性胆管炎を発症し、それが重症化して急性閉塞性化膿性胆管炎となると、命にかかわる状態となることがあります。そのため、胆石症と診断されている方で、発熱や腹痛がみられたり、皮膚や目が黄色くなる黄疸が生じた場合には、早急に病院を受診するようにしてください。

 

2004年、香川医科大学医学部医学科卒業。同大学医学部附属病院を中心に消化器内科医としての臨床経験を積み上げる。高度な内視鏡検査・治療技術を持ち、患者さんにとって身体的苦痛の少なくて済むよう、迅速かつ丁寧な内視鏡検査を心がけている。

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