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下肢静脈瘤の検査・診断方法について

下肢静脈瘤の検査・診断方法について
メディカルノート編集部 [医師監修]

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下肢静脈瘤(かしじょうみゃくりゅう)の検査では、下肢静脈瘤そのものの診断はもちろん、下肢静脈瘤と似たような症状が現れるほかの病気と混同しないことが大切です。

下肢静脈瘤が疑われるときに受診する診療科やその検査方法について解説します。

下肢静脈瘤は、基本的に心臓血管外科または血管外科で診療します。病院やクリニックによっては一般外科や形成外科で診療している場合もあります。

下肢静脈瘤では皮膚のかゆみ湿疹潰瘍(かいよう)(深くえぐれたようになった状態)が生じることもあるため、はじめに皮膚科を受診される患者さんも多くいます。皮膚科や整形外科で下肢静脈瘤が疑われ、皮膚科から心臓血管外科または外科に紹介されるケースも少なくありません。

下肢静脈瘤の診断においては、以前は血管に造影剤を注入して行う造影検査が行われていましたが、超音波検査(エコー検査)を行うのが現在の主流です。超音波診断装置を用いることで、血管の太さや走行を画像で評価することができます。血液の流れる方向を色分けして表示できるカラードップラー機能を使えば、静脈弁の不調によって逆流する血液内の様子が一目で分かります。痛みや体へのダメージなく、即日に外来で行えるのもメリットといえます。

後述する深部静脈血栓症などが疑われる場合には、超音波検査(エコー検査)だけではなく、造影CT検査(エックス線を使って体の断面を撮影する検査)を追加して行うことがあります。

下肢静脈瘤が疑われる症状がある場合、それが典型的なものであったとしても、ほかの病気が原因ではないかどうかを確かめる必要があります。

症状が似た紛らわしい病気がある

MN作成

下肢静脈瘤をこじらせた場合に併発するうっ滞性皮膚炎は、皮下に細菌が繁殖して起こる蜂窩織炎(ほうかしきえん)や骨に近い深いところにある静脈に血栓ができる深部静脈血栓症といった病気と紛らわしいことがあります。

特に深部静脈血栓症は突然死の原因となり得る肺塞栓症(はいそくせんしょう)を続発するので、油断なりません。一般的な血管外科を専門とする医師であれば、適切に検査を行って区別するようにしているはずです。

下肢静脈瘤では足のむくみがみられることもありますが、足のむくみは全身に起こるいくつかの病気でも起こる可能性がある症状です。たとえば、先述した深部静脈血栓症や、心不全腎不全肝硬変、あるいは甲状腺などのホルモンをつくる臓器の機能低下などでも足のむくみが生じます。そのため、検査で下肢静脈瘤の可能性が低いと判断された場合でも、必要に応じて検査を受け、そうした病気が隠れていないか確認したほうがよいでしょう。

引き続き、記事4「下肢静脈瘤の治療法」では、下肢静脈瘤の治療法について解説します。

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