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脳動脈瘤とは?好発部位と破裂のリスク因子
脳動脈瘤とは、脳の動脈にできる血管のこぶのことを指します。脳動脈瘤が破裂すると、くも膜下出血を起こすため、破裂する前に見つけ、必要であれば治療を受けることが重要です。脳動脈瘤は、破裂するまで症状...
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脳動脈瘤とは?好発部位と破裂のリスク因子

公開日 2018 年 10 月 05 日 | 更新日 2018 年 10 月 05 日

脳動脈瘤とは?好発部位と破裂のリスク因子
渋谷 肇 先生

東京曳舟病院副院長 脳神経外科部長

渋谷 肇 先生

目次

脳動脈瘤とは、脳の動脈にできる血管のこぶのことを指します。脳動脈瘤が破裂すると、くも膜下出血を起こすため、破裂する前に見つけ、必要であれば治療を受けることが重要です。

脳動脈瘤は、破裂するまで症状がないことが多く、リスクが高い方は、脳ドックを受けることも大切です。

今回は、脳動脈瘤について、東京曳舟病院脳神経外科の渋谷肇先生にお話を伺いました。

脳動脈瘤とは?

主に脳の太い血管の分かれ目にできる膨らみ

脳動脈瘤 

脳動脈瘤とは、脳の血管の主に枝分かれ部分が、こぶのように膨らむ病気です。「未破裂脳動脈瘤」と呼ばれることもあり、破裂するまで基本的に症状は現れません。しかし、脳動脈瘤が破裂してしまうと「くも膜下出血」を起こし、命にかかわることもあります。誰にでもなる可能性がある病気で、ほとんど病気をしたことがない健康な方でも発症するケースがあります。年齢でみると、はたらき盛りの40〜50代に多い病気ですが、まれに子どもにもみられます。

脳動脈瘤の原因

脳動脈瘤の原因としては、もともと脳の血管に弱いところがあり、動脈硬化や高血圧などの加齢変化が重なって起こることなどが考えられています。先天的な病気か患者さんに聞かれたときは、生まれつき血管が弱かった可能性があることをお話ししています。

脳動脈瘤が破裂して起こるくも膜下出血とは?

命に関わることがある状態

くも膜下出血

脳には、膜が3つあります。もっとも頭蓋骨に近い層は、硬膜という硬い膜です。硬膜の下に、くも膜があります。脳の表面で、少しもやがかかり、蜘蛛の巣のように見えるところがくも膜です。くも膜の下には、軟膜という脳の表面に接している柔らかい膜があります。このように、脳は、硬膜、くも膜、軟膜の3つの層につつまれています。

くも膜と軟膜の間であるくも膜下腔は、薄くて広いスペースで血管が通っています。そのため、くも膜下出血を起こすと、脳の全体に広がるように出血します。

脳動脈瘤が破裂してくも膜下出血を起こした場合、死亡率は25%以上です。命が助かったとしても、社会復帰ができる方は30%ほどです。逆に言うと、70%の方は、亡くなってしまったり、なんらかの障害を抱えてしまったりします。そのため、破裂する前の段階で脳動脈瘤を見つけて治療することが重要です。

脳動脈瘤の破裂のほかに外傷で起こることも

くも膜下出血は、脳動脈瘤の破裂以外に、外傷でも起こります。転倒等でくも膜下出血になった方は、MRIや造影CTなどの検査をしなければ、外傷が原因で起きたのか、脳動脈瘤が破裂して起きたのかわかりません。また、くも膜下出血で意識がなくなって倒れてしまい、外傷を合併してしまうということもあります。

脳動脈瘤に症状はある?

基本的に症状はないが、まれに神経症状が現れる

破裂する前は基本的に無症状ですが、脳動脈瘤ができる場所によっては、まれに神経症状を起こすことがあります。たとえば、まぶたが下がる、物が二重に見えるなどです。

これらの症状が出る可能性のある脳動脈瘤の場所としては、内頸動脈-後交通動脈分岐部や、脳底動脈-上小脳動脈分岐部、脳底動脈-後大脳動脈分岐部などがあります。これらの場所には、動眼神経が通っています。そのため、こうした部位に脳動脈瘤ができた場合には、神経症状が現れる可能性があります。気になる症状が出た場合は、脳の検査を受けましょう。

また、めったにありませんが、脳底動脈に大きい瘤ができた場合は脳幹注1が圧迫されて、めまい、歩行障害などの症状が出ることがあります。ほかの場所は、破裂しない限りほとんど症状は出ません。

注1 呼吸や血圧など生命維持に関わる中枢神経系を構成する部位が集まる、脳の中軸部のこと

脳動脈瘤が破裂する前に基本的に前兆はない

脳動脈瘤が破裂する前に症状が出ることは、ほぼないと思ったほうがよいでしょう。脳動脈瘤は突然破裂し、くも膜下出血が起こります。破裂したときは、今までに経験したことのないような激しい頭痛、ハンマーで殴られたような頭痛と表現される患者さんが多いです。くも膜下出血の特徴は、突然の激しい頭痛以外に吐き気があることです。嘔吐したり、気持ち悪くなったりすることがあり、顔色は悪くなります。

脳動脈瘤の好発部位

脳動脈瘤 好発部位

脳動脈瘤は、どこの血管にできてもおかしくはありません。中でも、前交通動脈、内頸動脈-後交通動脈分岐部、中大脳動脈分岐部はできやすい傾向にあります。

脳動脈瘤破裂のリスク因子

脳動脈瘤の大きさが5〜7mm以上

脳動脈瘤は、大きくなればなるほど破裂しやすくなります。そのため、大きさが5〜7mmを超えている場合は、治療を検討します。

破裂しやすい部位にできている

脳底動脈先端部、前交通動脈、内頸動脈-後交通動脈分岐部は、血流が多いところのため破裂しやすいです。

不規則な形状をしている・ブレブがある

ブレブ

脳動脈瘤が不規則な形をしているということは、特に弱いところだけが広がっているということです。上図のように、脳動脈瘤の一部が膨らみ出っ張っている箇所をブレブと呼びます。ブレブがある場合は、大きさが小さくても破裂しやすいです。

多発性で1箇所破裂したことがある

多発性とは、2個以上の脳動脈瘤ができている状態です。単に多発性だから破裂しやすいという訳ではありません。多発性で、1個破裂してしまった場合は、残ったほかの脳動脈瘤は破裂しやすくなると考えられます。

患者さん側の脳動脈瘤破裂のリスク因子

タバコを吸う女性

以下に挙げる脳動脈瘤破裂のリスクが高い方は、一度脳の検査をすることが望ましいです。また、人間ドックには、脳の検査は基本的に入っていないため、脳の血管を専門的に検査する脳ドックを受けましょう。

高血圧の方

高血圧の場合、血管にストレスがかかるため破裂するリスクは高くなります。高血圧の治療を行いましょう。また、脳動脈瘤は女性に多く、タバコを吸う高血圧の女性は特にリスクが高いため注意が必要です。

喫煙・過度な飲酒の習慣がある方

喫煙と過度な飲酒は、脳動脈瘤の破裂リスクを高めるため、注意が必要です。

くも膜下出血の既往がある方

一度くも膜下出血を起こした方は、治療をせずに放置すると再発する可能性があります。再破裂する前に脳動脈瘤を見つけて治療する必要があります。

家族歴がある方

脳動脈瘤破裂に関して、はっきりとした遺伝性は明らかになっていませんが、家系内で多いことがわかっています。親兄弟など家族の中に、くも膜下出血を起こしたことのある方がいる場合、一度は脳の検査を受けることを勧めます。

また、家族歴のある方がくも膜下出血を発症する年齢は、家族が発症したときの年齢より、少し若い年齢で発症することが報告されています。生活習慣に気をつけながら過ごし、検査を受けることを検討しましょう。

腎臓が悪い方

腎臓が悪い方、特に多発性嚢胞腎の方は、脳動脈破裂のリスクが少し高いと言われています。

腎臓が悪い方は、一度脳の血管を調べたほうがよいと考えられます。

脳動脈瘤は治療せずとも消えることはある?

まれに消えるが、破裂しないとは限らない

渋谷先生

まれではありますが、脳動脈瘤は自然に血栓化して治癒することがあります。しかし、問題は血栓化によって治癒したからといって、出血しないとは限らないということです。また、血栓化によって脳動脈瘤が小さくなったから破裂しないということでもありません。脳動脈瘤にできた血栓は、溶けて消える可能性もあり、その場合は再発することも考えられます。

特にリスクが高い方は適切な検査や治療を行い、破裂する前に予防しましょう。

脳動脈瘤 (渋谷 肇 先生)の連載記事

東京曳舟病院で副院長を務める脳神経外科医師。主に急性期脳卒中の患者さんの治療を行う。脳血管内治療に習熟しており、患者さんの体にかかる負担が少なくなるよう尽力している。気さくな人柄で、患者さんやスタッフから慕われている。

「脳動脈瘤」についての相談が8件あります

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