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脳動脈瘤の治療―破裂する前にくも膜下出血を予防できる
脳動脈瘤は、経過観察になる場合から治療が必要な場合まで、患者さんの状態や、破裂のリスク因子をどれほど持っているかなどによってさまざまです。脳動脈瘤の治療には、大きく分けて開頭手術と脳血管内治療が...
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脳動脈瘤の治療―破裂する前にくも膜下出血を予防できる

公開日 2018 年 10 月 05 日 | 更新日 2018 年 10 月 09 日

脳動脈瘤の治療―破裂する前にくも膜下出血を予防できる
渋谷 肇 先生

東京曳舟病院副院長 脳神経外科部長

渋谷 肇 先生

目次

脳動脈瘤は、経過観察になる場合から治療が必要な場合まで、患者さんの状態や、破裂のリスク因子をどれほど持っているかなどによってさまざまです。

脳動脈瘤の治療には、大きく分けて開頭手術と脳血管内治療があります。今回は、脳動脈瘤の治療や適応について、東京曳舟病院脳神経外科の渋谷肇先生にお話を伺いました。

脳動脈瘤の治療適応は?

脳動脈瘤が破裂してくも膜下出血を起こした方と、未破裂の脳動脈瘤の方とで、治療適応は異なります。

脳動脈瘤が破裂してくも膜下出血を起こした方

脳動脈瘤が破裂してくも膜下出血を起こした方は、脳動脈瘤を治療しなければなりません。意識状態がよい方で軽症の場合は、治療をして助けられるケースも多くなります。しかし、意識状態がかなり悪い方や、きわめて全身状態の悪い患者さんの場合には、残念ながら手術治療ができない、または適応がない場合もあります。

未破裂脳動脈瘤の方

未破裂脳動脈瘤の場合は、脳動脈瘤の大きさで、治療するかどうかをある程度決めています。

5mm未満の脳動脈瘤は、基本的に積極的な治療は行わず、経過観察になります。ただし、症状がある、脳動脈瘤の形が不規則、ブレブがある、家族に脳動脈瘤が破裂した方がいるなど、総合的に考えて破裂する可能性が高いと考えられる方には、治療を検討します。

70歳以下で5〜7mm以上の脳動脈瘤があれば、破裂しやすくなってくるため積極的な治療の対象です。ただし、70歳以上であれば、治療を行わないということではありません。未破裂脳動脈瘤の場合は、患者さんと相談のうえで判断していきます。相談する際には、合併症のリスクなども説明したうえで、最終的に治療をするかどうかは患者さんに決めていただきます。

たとえば、75歳で脳動脈瘤が4mmの大きさの場合は、患者さんとよく相談して治療をするかを決めます。こうしたケースでは、動脈瘤の大きさ的にも、患者さんの年齢的にも、基本的に積極的な治療対象にはなりません。しかし、脳動脈瘤があることで精神的なストレスが大きく、不安で生活ができないという場合は、治療をすることがあります。

経過観察となった場合はどうすればよい?

定期的に脳ドックを受けて、健康的な生活を

脳動脈瘤破裂は、睡眠中でも、運動中でも、いつでも発症する可能性がありますが、気にしすぎてしまうと生活ができなくなってしまいます。

治療の対象とならない脳動脈瘤が見つかった場合は、定期的に頭部MRI等の検査を受け、喫煙と過度な飲酒を避け、健康的な生活を送りましょう。

血圧変動に気をつける

血圧測定

脳動脈瘤の患者さんで、血圧の過度な変動は好ましくありません。あえて体に負荷のかかるスポーツをするのは、あまりおすすめしていません。血圧の大きな変動には気を付けましょう。

高血圧の方は、必要であれば内服薬で治療をし、血圧をコントロールします。

脳動脈瘤の治療方法

脳動脈瘤の治療方法には、開頭手術と脳血管内治療があります。脳動脈瘤の状態によって、どちらの方法が適しているのか異なります。

開頭手術(クリッピング術)

クリッピング術

開頭手術では、頭蓋骨を開け、脳動脈瘤を金属製のクリップで挟むことでしぼませるクリッピング術を行います。

患者さんへの負担は大きい手術であるものの、以下の場合などは、脳血管内治療ではなく開頭手術が適応となります。

脳動脈瘤が複雑な形をしている

脳動脈瘤が複雑な形をしていて親血管の温存が難しい場合には、脳血管内治療よりも開頭手術の方が適しています。

脳動脈瘤が小さい

脳動脈瘤が2mm以下と小さくても脳血管内治療は可能ではありますが、安全面を考えるとクリッピング術のほうが適しています。

頭蓋内出血を伴っている

くも膜下出血を起こした際に、脳内出血や硬膜下血腫など頭蓋内出血を伴っている場合は、その出血箇所自体を取らなければならないため、開頭手術になります。

脳血管内治療(コイル塞栓術・ステント併用コイル塞栓術)

コイル塞栓術

脳血管内治療は、頭部を切らずにカテーテルを用いる治療で、主にコイル塞栓術やステント併用コイル塞栓術が行われます。太ももの付け根の血管からカテーテルを挿入し、脳動脈瘤にコイルを詰めて破裂を防ぐ治療です。

患者さんの体への負担が少ない治療法で、術後の回復も早いことが特徴です。脳血管内治療について、詳しくはこちらの記事『脳動脈瘤における脳血管内治療―治療の種類と術後について』をご覧ください。

患者さん一人ひとりに適した治療を

渋谷先生

脳血管内治療の技術が向上し、開頭手術をしなくても脳動脈瘤の治療ができるようになりました。

開頭手術と、脳血管内治療、どちらの治療法も、脳動脈瘤の破裂予防効果についてはほぼ同等と報告されています。しかし、それぞれの治療法に特徴があります。開頭手術は、治療の歴史が長く、術後の再出血リスクをより抑えられることが報告されています。一方、脳血管内治療は、頭部を開かずに治療を行えるため、侵襲度(体への負担の度合い)が低く、術後の合併症を抑えることができると報告されています。

当院では、主に脳血管内治療を行っています。脳血管内治療の実績を積み重ねることで、よりよい体制を整えられるよう、日々取り組んでいます。

しかし、脳動脈瘤の手術は患者さんそれぞれの状態に合わせることが重要です。患者さんが脳血管内治療を希望していても開頭手術のほうが適していると考えられる場合は、患者さんに開頭手術のほうが向いている病態であることをお伝えしています。

患者さんそれぞれの重症度、脳動脈瘤の部位や形状、治療の難度、年齢、合併症などを総合的に判断することで、患者さん一人ひとりとしっかり話し合い、より適した治療方法を選択できるようにしていくことを大切にしています。

脳動脈瘤 (渋谷 肇 先生)の連載記事

東京曳舟病院で副院長を務める脳神経外科医師。主に急性期脳卒中の患者さんの治療を行う。脳血管内治療に習熟しており、患者さんの体にかかる負担が少なくなるよう尽力している。気さくな人柄で、患者さんやスタッフから慕われている。

「脳動脈瘤」についての相談が8件あります

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