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リハビリの観点から−心臓手術を行い退院した後に気をつけるべきこと

北村 アキ 先生

東京ベイ浦安市川医療センター 心臓血管外科 非常勤医師 一般社団法人Medical Plus代表理事

北村 アキ 先生

目次
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心臓の手術は、体にさまざまな影響を及ぼす可能性があります。そのため、術後の合併症の予防や、患者さんが日常生活に復帰できる状態にすることを目的として、術前の評価や術後のリハビリテーションを行います。

記事1『心臓手術後のリハビリテーションとは? 目的や具体的な流れを解説』では、心臓手術後のリハビリテーションの具体的な流れなどをご説明しました。本記事では、退院後の生活で患者さんが気をつけるべきことや心臓手術を控えている方々へのメッセージなどについて、東京ベイ・浦安市川医療センターの北村アキ先生と、理学療法士の広瀬一守さんにお話を伺います。

心臓の手術には主に、一般的に行われている開胸手術と、従来の方法よりも小さな傷で行う低侵襲心臓手術(MICS:ミックス)の2種類があります。本記事では、開胸手術後のリハビリテーションを中心にご説明します。

退院後の生活では、2〜3か月ほどの間、手術の傷が開かないように動作制限を設けます。具体的には、重いものを持たない、体をねじる動作・運動(ゴルフなど)を避ける、できるだけ車の運転はしない、といった点に注意が必要です。

車の運転自体は問題ないのですが、万が一事故を起こしたとき、ハンドルが胸部に当たると傷口が開くリスクがあるため、できる限り運転は避けてください。

また、ゴルフなどを行うときには、外来で主治医の許可を得てから再開しましょう。

一方、低侵襲心臓手術(MICS:ミックス)かつ肋骨を切らずに行った場合には、開胸手術に比べて動作の制限は大きくありません。

心臓手術後のリハビリテーションでは、適切な量の運動が大切であるとお話をしましたが、がんばり過ぎには注意が必要です。入院中や退院する際、主治医や理学療法士から話を聞き、ぜひ適切な量の運動を行うよう心がけていただけたらと思います。

術後の傷口を清潔に保つために、入浴時には石鹸などを泡立てて、傷口を優しく撫でるように洗浄することをおすすめしています。

食塩の摂りすぎは血圧の上昇につながります。高血圧の状態が続くと動脈硬化の原因となり、心臓への負担が大きくなることがわかっています。そのため、退院後の生活では食塩摂取量に注意することが大切です。

日本高血圧学会は、1日6g未満の食塩摂取量を目標値として推奨しています。しかし実際には、日本における食塩摂取量の平均値は1日あたり男性11.0g、女性9.2g1)と、目標値と大きく乖離しています。

このような現状から、日常生活における食塩摂取量の制限はハードルが高いことがわかります。そこで、私たちは患者さんに、入院中の減塩食の味をなるべく覚えていただき、退院後に料理する際は、その味に近づけることを心がけるよう指導をしています。

塩

アルコールの摂取は、必ずしも禁止しません。ただし、塩分の濃いおつまみを食べ過ぎないよう注意することは必要です。一方で、喫煙は術後の回復を遅延させることから、退院後も禁煙は徹底していただくよう指導しています。

認知機能が低下している患者さんの場合には、退院後の注意点などを、ご本人だけでなくご家族にもご説明することがあります。ご家族の方には、可能な限り、それらの注意点を意識し、実行していただきたいと考えます。

ご家族が、心臓の手術を終えた患者さんに対して無理をさせたくない、と考えるのは当然のことと思います。しかし、先にも述べたとおり、安静にしすぎることでさまざまな問題が生じてしまう可能性があります。

そのため、主治医の提示した内容についてはなるべく守っていただきたいです。さらに、運動習慣のサポートなどを通して、ご家族が患者さんの背中を押してあげる役割を担っていただけたら、理想的だと考えています。

リハビリをする患者さんとそれを支える家族

退院後、仕事に復帰するタイミングは、患者さんの年齢や仕事内容、職場までの通勤方法などによって差が出るため、ケースによって異なります。

たとえば、自宅で仕事をされている方なら早く復帰できることもありますが、オフィスまで電車通勤をされている方は、心臓への負担を考慮して復帰を延ばすこともあります。

一般的に、仕事に復帰するタイミングについては、医師が術前・術後の状況を考慮して相談をしながら決めていきます。疑問や不安なことがあれば、その際にぜひお話を聞かせてください。

 

広瀬先生

手術を控えている患者さんは、大きな不安を抱えていることと思います。

しかし、手術をしてから半年ほどの時間をかけてリハビリを行うことで、患者さんの状態は徐々によくなっていきます。

回復するためには時間はかかりますが、リハビリを続けることで、きっと、「手術してよかった」と思えるときが訪れます。そのために私たちが全力でサポートをしますので、ぜひ一緒に、手術後のリハビリをがんばりましょう。

 

北村先生

私はいつも患者さんに、心臓の手術をする目的は、元気になることだとお伝えしています。

心臓の手術をするとなれば、不安を感じたり弱気になったりする方も当然いらっしゃると思います。しかし、手術やリハビリは、患者さんが元気になり、もとの生活に戻るために行うものです。そのために私たちが全力でサポートをします。ですから、これから心臓の手術を行う方々には、ぜひ前を向いて、一緒にがんばっていただけたら嬉しいです。

 

【参考】

1) 平成 27 年国民健康・栄養調査における食塩摂取量の平均値. 厚生労働省. より

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虎の門病院 循環器センター外科 特任部長、東京ベイ・浦安市川医療センター 心臓血管外科 部長

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