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大腸ポリープの種類や原因−大腸がんのリスクがあるポリープとは
大腸の粘膜に発生する大腸ポリープには多くの種類のものがあります。そして、大腸ポリープは大腸がんへ移行することも多くあるため注意が必要です。それでは大腸ポリープにはどのような種類のものがあり、がん...
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大腸ポリープの種類や原因−大腸がんのリスクがあるポリープとは

公開日 2018 年 10 月 22 日 | 更新日 2018 年 10 月 22 日

大腸ポリープの種類や原因−大腸がんのリスクがあるポリープとは
佐々部 正孝 先生

九段坂病院 副院長・内科部長

佐々部 正孝 先生

目次

大腸の粘膜に発生する大腸ポリープには多くの種類のものがあります。そして、大腸ポリープは大腸がんへ移行することも多くあるため注意が必要です。それでは大腸ポリープにはどのような種類のものがあり、がん化するリスクがあるポリープとはどのようなものなのでしょう。

今回は九段坂病院の副院長であり内科部長である佐々部正孝先生にお話を伺いました。

大腸ポリープとは

ポリープとは、臓器にできる隆起性病変(イボのように盛り上がったもの)の総称で、それが大腸の粘膜に発生したものを大腸ポリープとよびます。大腸ポリープのなかには、中央が大きくへこんだ形状をしているものもありますが、このような形状をしているものも含めて、大腸ポリープとよびます。

ポリープにはがんのような腫瘍や、炎症で盛り上がっているもの、また加齢の影響で発生するものなど、多くの種類があります。

大腸ポリープの分類

大腸ポリープは大きく腫瘍性ポリープと非腫瘍性ポリープに大別されます。

腫瘍性ポリープはがん化の危険があり、非腫瘍性ポリープはがん化の危険が極めて低いと考えられていましたが、最近、大腸ポリープに対する考え方が大きく変わりました。(2018年時点)

これまで、非腫瘍性ポリープの代表とされていた過形成性ポリープのなかに腫瘍性の性質を持ち、がん化の危険性が高いタイプがあることがわかってきたのです。そのため、医学的には過形成性ポリープではなく、鋸歯状(きょうしじょう)ポリープという用語が使われるようになりました。

ただし、2018年現在は移行期にあるため、今回は一般的に使用されている過形成性ポリープという用語で説明いたします。

腫瘍性ポリープの種類としては、

  • がん(悪性腫瘍)
  • 腺腫(良性腫瘍)
  • 腫瘍性過形成性ポリープ(鋸歯状ポリープ)

に分けられます。腺腫は将来がんに移行する可能性がありますが、がん化の危険度は腺腫の種類によって大きく異なります(後述で詳しく解説します)。

非腫瘍性ポリープには多くの種類がありますが、代表的なものとして

  • 非腫瘍性過形成性ポリープ(鋸歯状ポリープ)
  • 炎症性ポリープ
  • 過誤腫性ポリープ

が挙げられます。

また、大腸ポリープの治療方針は、大腸がんになるものは治療する、ならないものは放置するか経過観察をします。

そのため大腸ポリープは、どのタイプでがん化の危険がどのくらいあるのかを見極めることが大切です。

大腸ポリープができやすい場所は?

直腸、S状結腸、盲腸に多くみられる

大腸ポリープができやすい場所のイラスト

大腸は全長1m30cm〜2mほどの長さがあり、部位によって上図のように直腸、S状結腸、下行結腸、横行結腸、上行結腸、盲腸、虫垂と分けられます。

このなかで、大腸ポリープ(特に腫瘍性ポリープである腺腫)が多く発症する部位は、直腸とS状結腸です。また面積当たりの発生率を考えると盲腸にも多くみられます。

これは直腸やS状結腸、盲腸には便が滞留しやすく、粘膜が便による刺激を長時間受けていることが理由です。

大腸ポリープは、生活習慣や遺伝的な体質などに加えて、粘膜が何らかの慢性的な刺激を受けることで発症します。粘膜が便によって受ける刺激が原因となり、大腸ポリープが発症しやすいと考えられています。

また盲腸は、小腸から便が流れていく本流から外れています。そのため、盲腸には便がスムーズに流れず長時間溜まってしまうことから、直腸やS状結腸と同じく大腸ポリープができやすいのです。

大腸ポリープの原因や危険因子

腫瘍性ポリープ(がん、腺腫)の原因や危険因子

大腸の腫瘍性ポリープの発症には、年齢や遺伝的要因の他に食生活などの生活習慣が大きく関係しています。

生活習慣のなかでも大きな危険因子として挙げられるものが飲酒です。飲酒以外に喫煙、動物性脂肪(肉、バター、ラードなど)の過剰摂取、肥満、運動不足、糖尿病なども大腸がんの発症リスクを高めるといわれています。逆に運動は大腸がんのリスクを下げることがわかっています。

腫瘍性ポリープ(特にがん)にかかる確率は、40歳以降で増加し、年齢が高くなればなるほど、高くなります。また、男性は女性より発症率が高く、身内に大腸がんの方がいると発症率がやや高くなります。

非腫瘍性ポリープ(炎症性、過形成性ポリープ)の原因

炎症性ポリープは大腸に起きた炎症が原因となります。代表的な疾患として潰瘍性大腸炎、クローン病などの大腸の慢性炎症を起こす病気に付随して発症するポリープが知られています。

そのほか、大腸炎などの軽い炎症などからもポリープができることがあります。また多くの過形成性ポリープは加齢による変化が原因で発症します。

大腸ポリープの症状

通常、自覚症状はほとんどない

大腸ポリープには基本的には自覚症状はありません。これは大腸の粘膜には痛みなどを感じる知覚神経がないことが理由です。内視鏡でポリープを切除するときに痛みを感じなかったり、便が腸内を流れても何も感じないのは粘膜に知覚神経がないためです。

大腸ポリープで自覚症状がみられるときには、ポリープががん化して大きくなり、進行がんになってからです。がんが大きくなることで、大腸の内部が細くなり便の流れに障害が起こります。そのため便が細くなったり、便秘や腹満感などの自覚症状がみられます。

このような症状がみられるときには、大腸がんが進行していることが多く、他の臓器にがんが転移していることもあります。

腺腫と過形成性ポリープはがん化する可能性がある

冒頭でもお話ししましたが、腫瘍性ポリープである腺腫と腫瘍性過形成性ポリープはがん化の可能性のあるポリープです。

腺腫はさらに、細胞構造の異型度(いけいど)によって、がん化のリスクが高い「高異型度腺腫」とがん化のリスクが低い「低異型度腺腫」に分類されます。異型度は病理検査(顕微鏡検査)で確定診断をしますが、内視鏡検査でもポリープの形、大きさ、表面の性状からおおよそ診断をすることが可能です。

腫瘍性過形成性ポリープは形、色調、発生部位から、がん化するリスクを見極めて、治療が必要かどうかを判断します。

それでは、具体的にがんのリスクが高いポリープにはどのような特徴があるのでしょう。次項で述べていきます。

がんのリスクが高い腺腫の特徴

診断の際には内視鏡検査で「大腸ポリープの大きさ・色・形状・表面構造(ピットパターン)」を観察します。

がんになりやすい腺腫の特徴として、大きさは大きいものほどがん化するリスクが高くなるといわれていて、いくつかの報告がありますが、腺腫の大きさが5mm以下なら約0.2%、10mmなら約10%、20mmなら約50%が大腸がんへ移行するといわれています。

また、ポリープの一部がくぼんだ形をしているものはがんになりやすいと判断されます。

ピットパターンという表面の微細構造を観察することも重要です。ピットパターンの形状を観察することで、ポリープの質的診断、腺腫なのかがんなのか、がんの場合どの程度の深さまで浸潤しているのかを判断することが可能です。

 

低異型度(がんのリスクが低い)腺腫 佐々部正孝先生ご提供
低異型度(がんのリスクが低い)腺腫 佐々部正孝先生ご提供

 

高異型度(がんのリスクが高い)腺腫 佐々部正孝先生ご提供
高異型度(がんのリスクが高い)腺腫 佐々部正孝先生ご提供

 

大腸がん(早期がん) 佐々部正孝先生ご提供
大腸がん(早期がん) 佐々部正孝先生ご提供

 

陥没型早期大腸がん(真ん中がくぼんでいる) 佐々部正孝先生ご提供
陥没型早期大腸がん(真ん中がくぼんでいる) 佐々部正孝先生ご提供

 

大腸がん(進行がん) 佐々部正孝先生ご提供
大腸がん(進行がん) 佐々部正孝先生ご提供

がんのリスクがある過形成性ポリープ(鋸歯状ポリープ)

過形成性ポリープは、以前はがんにはならない病変として考えられていました。しかし、過形成性ポリープからもがん化することが次第にわかってきて、大腸がんの15〜30%は過形成性ポリープから発生していると考えられるようになりました。

WHO(世界保健機関)は2010年に過形成性ポリープ(鋸歯状ポリープ)を、①鋸歯状腺腫/ポリープ(SSAP/P)②古典的鋸歯状腺腫(TSA:traditional serrated adenoma )、 ③過形成性ポリープ(HP)の3つに分類しました。それぞれがん化の危険度、発生する部位、形態に違いがあります。

SSAP/PとTSAはがん化の危険があり、HPががん化することはほとんどありません。

SSAP/Pは盲腸から上行結腸に多く平坦で色調は周囲の粘膜に近いことが多く、発見がやや困難なため見落としが多いとされ、がん化率は10%と報告されています。そのため、10mm以上または形態からがんが疑われるものは切除します。

TSAは下行結腸、S状結腸、直腸に多くはっきり隆起していることが多いので、SSAP/Pよりは発見が容易です。がん化率は10%程度と腺腫とほぼ同様で、5mm以上または形態からがんが疑われる場合切除します。

HPはS状結腸と直腸に多く、周囲の粘膜より白っぽく小さいものが多いのが特徴です。10mm以上のものにはがん化の危険があるとされていますが小さいものは放置しても問題ないとされています。

非腫瘍性ポリープががんになることはある?

非腫瘍性ポリープ(非腫瘍性の過形成性ポリープ、炎症性ポリープ、過誤腫性ポリープなど)からがん化することはほとんどありません。そのため、内視鏡検査を行い、がんの可能性があるもの以外は内視鏡治療を行いません。

大腸ポリープの治療方針

大腸ポリープの治療方針は“大腸がんになるリスクをできるだけ減らすこと”を目的とします。

ほとんどの大腸がんは大腸ポリープから発生します。大腸ポリープの切除は内視鏡的手術で行うことができますが、出血や腸壁穿孔(ちょうへきせんこう)のリスクがあり、時間と費用がかかります。

このように、すべての大腸ポリープを切除することにはマイナス面も多いので、大腸がんになるリスクを考え切除するかどうかを決めます。

大腸腺腫の治療方針は日本と欧米で異なります。日本の大腸ポリープ診療ガイドラインでは6mm以上の腺腫は切除、5mm未満は経過観察でよいとなっています。

これに対して欧米のガイドラインでは、腺腫はすべて切除し大腸をポリープのない状態(クリーンコロン)にして、5〜10年後に内視鏡検査を行うことになっています。

また、当院では腺腫と思われるポリープはなるべく切除し、クリーンコロンをめざしています。

過形成性ポリープはがん化の危険が種類によって大きく異なるため、それによって治療方針が異なります。以前は、過形成性ポリープは治療せず放置されていましたが、2018年現在では右側結腸に好発する10mm以上のもので、SSA/Pとの鑑別が困難な病変は切除、10mm以下のポリープは形態や場所によって切除を考慮します。

大腸ポリープを早期発見するためには検診を

大腸ポリープはがん化して進行がんになるまでは自覚症状がほとんどみられません。大腸がんにならないためにはがんになる可能性がある大腸ポリープを早期発見し治療する必要があります。大腸ポリープは自覚症状がありませんので検診を受けることがとても大切です。

一般的な大腸がん検診の方法は、まず便潜血検査(便のなかに血が混ざっていないか確認する検査)を行い、陽性であると判断された方は医療機関で内視鏡検査などの精密検査を受けることになります。便検査を行うと、受診者の約7%が潜血反応陽性になります。さらに、便潜血反応陽性で検査を受けると約3%に大腸がんが発見されます。検診で発見されたがんは早期がんで内視鏡治療で根治できることが多く、症状が出てから発見されたがんは進行がんが多いのと大きな違いがあります。

引き続き、記事2『大腸ポリープの検査方法 内視鏡検査について写真で解説』では大腸ポリープの検査方法について詳しく解説します。

 

大腸ポリープ (佐々部正孝先生)の連載記事

1982年東京医科歯科大学医学部卒業後、消化器内科医としてのキャリアを開始。2018年現在、九段坂病院副院長・内科部長。高い内視鏡操作技術を持ち、苦痛を軽減した内視鏡検査・治療を行っており、患者様からの信頼も厚い。

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