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大腸ポリープの検査方法 内視鏡検査について写真で解説
大腸ポリープには多くの種類があり、なかには放置するとがん化する危険のあるポリープがあります。大腸検査はこのようながんになる可能性のあるポリープを発見して、がんを未然に防ぐことが大きな目的です。本...
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大腸ポリープの検査方法 内視鏡検査について写真で解説

公開日 2018 年 10 月 22 日 | 更新日 2018 年 10 月 22 日

大腸ポリープの検査方法 内視鏡検査について写真で解説
佐々部 正孝 先生

九段坂病院 副院長・内科部長

佐々部 正孝 先生

目次

大腸ポリープには多くの種類があり、なかには放置するとがん化する危険のあるポリープがあります。大腸検査はこのようながんになる可能性のあるポリープを発見して、がんを未然に防ぐことが大きな目的です。本記事では大腸内視鏡検査を中心に、大腸ポリープの検査方法について九段坂病院の副院長であり内科部長を務める佐々部正孝先生にお話を伺いました。

大腸ポリープの検査の種類

大腸ポリープの検査では一般的に以下のような検査が行われます。

<大腸ポリープの検査方法>

・便潜血検査

   ↓陽性反応

・内視鏡検査

・注腸造影検査

・CTコロノグラフィー

大腸ポリープの検査ではまず便潜血検査を行います。便潜血検査の結果が陽性であれば、出血の原因を特定するために大腸内視鏡検査、注腸造影検査、CTコロノグラフィーなどの精密検査を行います。

大腸ポリープの検査方法

では、ここからは各検査の具体的な方法について解説します。

※大腸内視鏡検査については次項で詳しくお話します。

便潜血検査

便潜血検査は2日ほど便を採取して(2日法)、便のなかに血液が混ざっていないか調べる検査です。大腸ポリープやがんは正常組織よりもろいのでわずかに出血を起こすことがありますが、非常に微量であるためほとんどの場合私たちが目で見てもみつけることはできません。

便潜血検査で便のなかに血液が認められれば、次に大腸ポリープや大腸がんの有無を調べるための精密検査を行います。便潜血検査の回数は1日だけだと見落としが多く、3日に増やしてもがんの発見率があまり増えないので2日法がもっとも良いと考えられています。

注腸造影検査

注腸造影検査は検査用の下剤で腸内を綺麗に洗浄したあと、肛門から造影剤(バリウム)を注入してレントゲン撮影を行う検査です。しかし注腸造影検査は病変を直接目視することはできないのと生検(細胞を採取する検査)ができないので確定診断のためには内視鏡検査を行う必要があります。

そのため注腸造影検査は以前より行われることが減ってきていますが、腸に強い癒着(ゆちゃく)があるなどの理由で内視鏡を挿入することが困難な患者さんには有用な検査です。

また注腸造影検査ではレントゲンで大腸全体の様子をみることができるため、病変の大きさや位置が非常に明確にわかります。そのため外科手術の術前検査として多く行われています。

CTコロノグラフィー(大腸CT検査)

CTコロノグラフィーは注腸造影検査と同様に腸を綺麗にしたあとに肛門から炭酸ガスを注入し、腸を膨らませた状態でCT撮影を行う検査方法です。注腸造影検査と同じく、腸の癒着などで内視鏡検査を行うことが難しい患者さんに用いられることが多い検査法です。CTの性能が向上しているので近年検査数が増加しています。注腸造影検査と同じで確定診断には大腸内視鏡検査が必要です。

大腸内視鏡検査の方法

大腸ポリープの代表的な検査方法は大腸内視鏡検査です。

大腸内視鏡検査は肛門から内視鏡を挿入して、大腸内部の様子を目視で観察する検査法です。検査中にポリープやがんが見つかった場合には、生検(組織の一部を切り取って、顕微鏡などで調べる検査)で良性か悪性か調べたり、そのまま病変を切除する治療を行ったりすることも可能です。

それでは内視鏡検査の具体的な方法や検査の流れについてご説明します。

検査前の処置−下剤で腸を綺麗にする

大腸内視鏡検査では腸内に便が残っていると病変を見落としやすくなるため、検査前に腸内を綺麗に洗浄する必要があります。検査当日の食事を抜くだけですむ胃の内視鏡検査との大きな違いです。

腸を綺麗な状態にするためには、検査当日の朝に腸管洗浄剤という約2リットルの下剤を服用していただくことが一般的です。このとき、下剤を一気に飲むと、病気などが原因で腸が狭くなっている場合に腸が破れてしまう可能性があるので、2時間ほど時間をかけてゆっくり服用していただきます。検査の前日は繊維分の多い野菜を控えていただくなどの軽い食事制限が必要になります。便秘症の人は前日にも通常の下剤を飲んでいただきます。

検査当日の下剤を服用し始めてから2〜4時間ほどで、ほとんどの患者さんは腸の洗浄が完了します。

写真でみる、大腸内視鏡検査の実際

九段坂病院で使用している内視鏡

これは九段坂病院で実際に使用している内視鏡です。写真左が大腸カメラ、中央が胃カメラ、右が経鼻カメラです。

内視鏡の操作

内視鏡の操作は手元のハンドルで行います。

大腸内視鏡検査の再現

実際の大腸内視鏡検査を再現した様子です。

患者さんには開始時は左側臥位(ひだりそくがい(体の左側を下にして横になる体位)の膝を折る体勢で検査を受けていただきます。苦痛を軽くする鎮静剤は受診者と相談して使用します。内視鏡挿入時の痛みを緩和するために、肛門部にゼリータイプの麻酔薬を塗布します。

強い鎮静剤を使用しない限り検査中の意識はあり、当院では患者さんにも大腸内部を写し出したモニターを見ていただきながら検査を行います。

組織生検を行う際に使用する鉗子

病変が良性か悪性か調べるための組織生検を行う際使用する鉗子です。内視鏡の鉗子孔を通して挿入し病変の一部を採取します。

リカバリールーム

内視鏡検査後に気分が悪くなった患者さんなどに休んでいただくリカバリールームです。また、希望者には検査中に鎮静剤を使用するため、検査後に麻酔をさましていただくためにも使用します。

大腸内視鏡検査にかかる時間

内視鏡検査は受診者によって個人差があります。内視鏡を大腸の最も奥の盲腸まで挿入し空気で大腸をふくらませ抜きながら観察を行います。盲腸まで挿入させるのに1分で到達する方もいれば、30分〜1時間と時間がかかることもあります。

これは患者さんの腸の長さ、腸の癒着の有無、医師の技量などさまざまな要因が関係しています。また年齢が若く腸の筋肉がしっかりしている方は比較的挿入しやすいのですが、高齢で腸の筋肉が減少し、たるみやすい方は挿入に時間を要することがあります。

大腸内視鏡検査に伴う痛み

大腸の粘膜には痛みを感じる知覚神経がないので、内視鏡が粘膜に触れたりポリープを切除したりすることで感じる痛みはありません。

しかし大腸の筋肉には痛みを感じる神経があるので、検査中に腸の筋肉が伸ばされたりねじられたりすると受診者は痛みを感じます。このときの痛みは、出産のときに膣が引き伸ばされる痛みに例えられることがあります。

痛みの軽減のためには、大きくカーブしているS状結腸をスムーズに通過できるかが重要なポイントです。S状結腸を通過する際、内視鏡をまっすぐ進めるだけでは腸を上方向に突き上げてしまい内視鏡を先に進めることができず、患者さんには強い痛みが生じます。

そこで内視鏡の出し入れを繰り返す操作を行いながら腸を引っ張らないようにアコーディオン状に折り曲げて、下図のように腸の形を変えて内視鏡を進めていきます。

このようになるべく腸の筋肉を引き伸ばさないようにすることで、検査中の痛みを緩和することができます。

腸の筋肉の伸縮

また腸の筋肉が伸びることによる痛みの度合いは、受診者ごとの腸の知覚神経の感度によっても大きく異なります。少しの伸びで強い痛みを感じる方もいれば、大きく腸を伸ばしても痛みを感じない方などさまざまです。

ご自身の腸が痛みに敏感かどうか知るためには、下痢のときに感じる痛みがひとつの目安になります。

下痢になると腸が活発になり激しくねじれたり動いたりします。そのため下痢のときに強い痛みを感じる方は、内視鏡検査でも痛みを感じやすいといわれています。

大腸内視鏡検査後の注意点

脱水

内視鏡検査後は体が脱水状態になっています。検査前に約2リットルの腸管洗浄剤を服用しますが、これは下剤なので体内には吸収されていません。そのため内視鏡検査後は十分な水分補給を行ってから自宅に帰るようにしていただきます。また必要に応じて点滴による水分補給を行います。

大腸内視鏡検査に伴う合併症

鎮静剤に伴う低血圧など

内視鏡検査に伴う合併症として多いのは鎮静剤によるものです。

鎮静剤は内視鏡検査を行うすべての受診者に使用するわけではなく、希望によって使用しますが、鎮静剤が効きすぎたり、受診者の体質に合わなかったりすることがあります。そうするとふらつき、気分不快、血圧低下などの症状が出ることがあります。

また「痛み」は体に異常が起きたときの危険信号です。眠るような強い鎮静剤をかけることでこの危険信号がほぼゼロの状態になりますので、何か異常が起きたときに早急に気づくことができません。

鎮静剤は身体的苦痛を軽減してくれますが、一方でこのような合併症が起こる可能性が高くなることを知っておくことも大切です。

出血−生検や治療を行った場合

内視鏡で組織生検やポリープの切除を行った場合には検査後に出血がみられることがあります。少量の出血であれば経過観察で問題ありませんが、出血量が多いときには止血のための内視鏡治療を行うこともあります。

大腸ポリープの診断と治療方針の決定

腫瘍性ポリープであれば治療を行う

記事1『大腸ポリープの種類や原因−大腸がんのリスクがあるポリープとは』でもお話しましたが大腸ポリープは腫瘍性ポリープと非腫瘍性ポリープに大別されます。このうち腫瘍性ポリープは大腸がん(悪性腫瘍)と将来的にがんに移行する可能性のある腺腫(良性腫瘍)と腫瘍性過形成性ポリープです。

そのため内視鏡検査で腫瘍性ポリープであると判断された場合には、ポリープを切除する治療を行うことが一般的です。治療は後日改めて行うこともありますが、検査中にそのまま切除することもあります。

非腫瘍性ポリープであれば放置

非腫瘍性ポリープ(非腫瘍性過形成性ポリープ、炎症性ポリープ、過誤腫性ポリープなど)はがん化することがほとんどないので積極的な治療は行いません。

内視鏡でポリープを切除するということは、出血や腸管穿孔(ちょうかんせんこう)(腸に穴があくこと)のリスクを伴います。こういったリスクを考慮して、放置しても問題ないと判断したポリープに関しては無理に治療を行うことはありません。

形状が不明瞭の場合は色素を用いることも

 

過形成性ポリープ(SSA/P)にインジゴカルミンを散布  佐々部正孝先生ご提供
過形成性ポリープ(SSA/P)にインジゴカルミンを散布  佐々部正孝先生ご提供

ポリープがどのような種類のものであるかは、経験を積んだ内視鏡医なら画像を見るだけでかなりのところまで診断が可能です。診断が困難な場合、拡大内視鏡、色素内視鏡などでの特殊観察や生検(病変を一部採取し顕微鏡で調べる方法)で診断を行います。上の写真はインジゴカルミンという青い色素を病変に散布した色素内視鏡です。色素を散布することでポリープの凹凸や病変の境界が明確になり診断に役立ちます。

大腸ポリープ検査を受ける頻度

40歳以上であれば年に1度の便潜血検査を

冒頭でもお伝えしましたが、大腸ポリープの検査の大きな目的は大腸がんを未然に防ぐことです。

そのため大腸がんの発症リスクがあがる40歳以上の方であれば年に1度の便潜血検査を受けることが推奨されています。便潜血検査は会社検診、住民検診、人間ドッグなどで受けることができます。大腸ポリープを早期発見するためにも積極的に検査を行うようにしましょう。

 

大腸ポリープ (佐々部正孝先生)の連載記事

1982年東京医科歯科大学医学部卒業後、消化器内科医としてのキャリアを開始。2018年現在、九段坂病院副院長・内科部長。高い内視鏡操作技術を持ち、苦痛を軽減した内視鏡検査・治療を行っており、患者様からの信頼も厚い。

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