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大動脈弁狭窄症の手術適応は?
大動脈弁狭窄症とは、主に加齢に伴う動脈硬化により、心臓の出口にある大動脈弁が硬くなって開きづらくなる病気です。胸痛、息切れ、ふらつき、失神などの症状が出てきた場合は、突然死のリスクがあるため速や...
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大動脈弁狭窄症の手術適応は?

公開日 2018 年 10 月 25 日 | 更新日 2018 年 10 月 26 日

大動脈弁狭窄症の手術適応は?
田端 実 先生

東京ベイ・浦安市川医療センター 心臓血管外科部長

田端 実 先生

目次

大動脈弁狭窄症とは、主に加齢に伴う動脈硬化により、心臓の出口にある大動脈弁が硬くなって開きづらくなる病気です。胸痛、息切れ、ふらつき、失神などの症状が出てきた場合は、突然死のリスクがあるため速やかに手術を行うことが望ましいです。そのほか、疲れやすいといったあいまいな症状が現れることもあります。

今回は、大動脈弁狭窄症の手術適応について、東京ベイ・浦安市川医療センター心臓血管外科の田端実先生にお話を伺いました。

大動脈弁狭窄症の手術適応

症状がある重度の方は手術を

息切れしている高齢者

息切れや疲れやすさ、たちくらみなどがあれば、年のせいと決めつけず、ぜひ医療機関を受診してください。心雑音が聴取されれば弁膜症を疑って、心エコー検査を行います。この検査の結果、大動脈弁の弁口面積が1cm2以下の場合、重度の大動脈弁狭窄症と診断されます。症状のある重度の大動脈弁狭窄症は、原則外科手術かカテーテル手術による人工弁置換が必要となります。

若い方や弁の形がカテーテル治療に不向きの方、弁が細菌に感染している方は、基本的に手術で弁置換を行います。手術のリスクが高い人には、優先的にカテーテル治療が選択されます。手術かカテーテル治療かを選択するときは、年齢、手術のリスク、弁の形、主にこの3点を考えて決めます。

症状の程度にもよりますが、失神してしまう方、少し歩いただけで息が切れてしまう方は、突然死のリスクがあるため速やかに手術を行ったほうがよいです。

当院では、初診でそのような症状がある方がきたら、すぐに入院していただき、数日後には手術をするケースもあります。

弁口面積:弁が開いたときの面積

基本的に高齢者でも手術を受けることは可能

高齢者の場合は、基本的にカテーテル治療であるTAVI(タビ)を第一選択に考えて選びます。ただし、当院では、高齢者でも元気な方や、なんらかの理由でカテーテル治療ができない方には手術をお勧めしています。

たとえ90歳以上の方でも手術を受けることは可能ではありますが、80歳以上の方はカテーテル治療を受けることが多い傾向にあります。

大動脈弁狭窄症の手術―大動脈弁置換術とは?

硬くなった弁を取り除いて人工弁を縫い付ける

手術は、人工心肺装置を使って患者さんの心臓を止めて行います。心筋保護液という心臓を一時的に止める薬を使用します。

そして、大動脈弁の上にある血管である大動脈を切開していきます。大動脈弁狭窄症の方の大動脈弁は、石のように硬くなっています。その硬くなった弁をうまく切り取って、石灰化したところを細かい部分まで全て取ります。その際に、ペンチのような器具や超音波メスを使う場合もあります。針と糸で人工弁を縫い付けた後、患者さん自身の心拍を再開させて、手術は終了です。

手術後に再発することはある?

大動脈弁置換術で生体弁を使用した場合は、生体弁の傷みにより何年後かにもう1回手術になることがあります。

しかし、手術で入れた生体弁の中にカテーテル治療で弁を留置するという治療も出てきているため、今後は変わってくるかもしれません。

TAVIというカテーテル治療の選択肢も

TAVIとは?カテーテルで行う心臓手術

TAVI(タビ)とは、「経カテーテル的大動脈弁留置術(植え込み術)」のことを指します。TAVR(タバー)と呼ばれることもあります。カテーテルを用いて、石灰化して傷んでいる大動脈弁の内側に人工弁を留置する手術です。患者さんの体にかかる負担が少なく、手術にリスクがある方でも行うことができる治療法です。

TAVIが優先的に選択される方

以下の方は、優先的にTAVIが選択されます。

  • 体力が著しく低下している
  • 心臓や多臓器の機能が著しく低下している
  • 開胸手術を繰り返している

TAVIについて、詳しくはこちらの記事『大動脈弁狭窄症の手術ーカテーテル治療「TAVI」について』をご覧ください。

外科的な治療で回復が見込めない場合は緩和治療を行う

状態が悪く、手術やTAVIなど外科的な治療を行っても回復が見込めない方の場合は、症状を和らげるための緩和治療を行います。

大動脈弁狭窄症の原因となっている弁の治療はせず、息切れなどの症状を薬で緩和します。高齢者の場合は、緩和治療という選択をすることも大事です。

大動脈弁狭窄症の手術を検討している方へ

田端先生

大動脈弁狭窄症の外科的な治療には、さまざまなオプションがあります。手術かTAVIか、アプローチ方法は胸骨正中切開かMICSか、また手術の際に用いる人工弁は、生体弁か機械弁かと、多くの選択肢があります。どれが適しているのかは、患者さんによって異なります。

必要であれば、全ての治療選択肢に対応している病院にセカンドオピニオンを受けに行ってもよいかもしれません。

当院では、心臓に関してさまざまな治療オプションを行うことができるため、各患者さんに適した治療選択を提案できると思います。どの手術方法についても、メリットとデメリットを丁寧に説明します。ぜひ相談に来てください。

 

東京大学医学部、ハーバード大学大学院卒。コロンビア大学や榊原記念病院で数多くの心臓手術を執刀し、2013年10月に東京ベイ・浦安市川医療センターで心臓血管外科を立ち上げ、3年目にして年間400例以上の心臓・大動脈手術を行うチームとなった。内視鏡下の低侵襲心臓手術 (MICS)は日本全国・海外からも外科医が見学に訪れるほど。TAVI指導医としても活躍している。

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