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心不全の症状とは-どんな症状が現れたら受診すべき?
心不全とは、心臓のポンプ機能が低下し、全身に十分な血液を送り出せなくなることによってさまざまな症状が現れる状態です。心不全は、早期に治療介入することによって重症化を防ぐことが重要であると考えられ...
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心不全の症状とは-どんな症状が現れたら受診すべき?

公開日 2018 年 10 月 31 日 | 更新日 2018 年 10 月 31 日

心不全の症状とは-どんな症状が現れたら受診すべき?
長谷川 徹 先生

JR札幌病院 循環器内科 内科診療部長

長谷川 徹 先生

目次

心不全とは、心臓のポンプ機能が低下し、全身に十分な血液を送り出せなくなることによってさまざまな症状が現れる状態です。心不全は、早期に治療介入することによって重症化を防ぐことが重要であると考えられています。心不全のサインとなるような症状には、どのようなものがあるのでしょうか。

今回は、JR札幌病院の長谷川 徹先生に、心不全の症状や原因についてお話しいただきました。

心不全とは?

心臓の機能が低下することによって、さまざまな症状が現れる状態

「心不全」は、単一の病気の名前ではありません。心不全とは、心臓の機能が低下し全身に十分な血液を送りだせなくなることによって、さまざまな症状が現れる状態を指します。

心臓は収縮と拡張を繰り返して、全身に血液を送るポンプのような役割を果たしています。しかし、心臓の機能が低下すると、ポンプの役割を果たすことが難しくなり全身に十分な血液が送られなくなります。その結果、息切れしやすくなったり、疲れやすくなったり、身体がむくんだりなどの症状が現れるようになります。

心臓 画像

以前は心臓の収縮能(血液を送りだす機能)が低下する収縮不全の場合にのみ、心不全を起こしやすいと考えられていました。

しかし近年では、心臓の収縮能が保たれていても、拡張能(全身の血液が心臓に戻る機能)が低下しているだけで心不全を発症することがよく知られるようになりました。そのような拡張不全による心不全は高齢者の心不全の方々に多く認められます。

急性心不全と慢性心不全の違い

心不全は、主に「急性心不全」と「慢性心不全」に分類することができます。

急性心不全とは?

急性心不全とは、心臓の病気など何かしらの原因によって、急激に心臓のポンプ機能が低下する状態を指します。短期間で急激に心臓の機能が低下するため、呼吸が苦しくなったり胸が苦しくなったりなどの症状が、前触れなく突然現れる点が特徴です。

慢性心不全とは?

一方、慢性心不全とは、数か月や数年間などの長期間にわたって心臓の機能が低下している状態を指します。現れる症状や重症度は患者さんによって異なります。治療によって状態が安定し軽症のまま経過するケースもありますが、重症化すると治療が難しくなり自力で動くことができなくなるケースもあります。また、状態が安定したり悪化したりを繰り返すこともあります。

急性心不全と慢性心不全、両方起こることがある

急性心不全と慢性心不全は、必ずしもどちらか一方のみが生じるわけではありません。

たとえば、慢性心不全であっても、治療の中断など何らかの原因によって心臓のポンプ機能が低下し代償機構が破綻すると、急性心不全のような状態になることがあり、慢性心不全の急性増悪と呼びます。反対に、急性心不全であっても、治療後に回復しても慢性心不全の状態になることがあります。

このように、急性心不全と慢性心不全は、互いに関連しあった状態といえます。

急性心不全と慢性心不全の分類の重要性は薄れている

2018年7月現在、心不全の治療では急性心不全と慢性心不全の分類の重要性は薄れているといわれています。お話ししたように、急性心不全と慢性心不全は繰り返す可能性があるため、一貫した治療が大切だと考えられているからです。

2017年に発表された心不全の診療ガイドラインでも、それまで急性心不全と慢性心不全に分かれていた診療ガイドラインが一本化されています。

心不全の主な症状

心不全には、主に以下の2種類の症状があります。ひとつは、心臓のポンプ機能の低下に伴い全身に十分な血液がいき渡らなくなることから起こる症状です。もうひとつは、交通事故の際におきる交通渋滞のように、心不全では血液の流れ(循環)が滞り、肺の静脈や全身の静脈に血液がうっ滞することから起こる症状です。

心不全 イラスト

全身に血液がいき渡らなくなるために起こる症状

心不全の状態になると、心臓のポンプ機能の低下によって全身に十分な血液が届けられなくなることにより、以下のような症状が現れます。

  • 疲労感
  • 手足の冷感
  • 唇や指先の血色が悪くなるチアノーゼ

などがあります。

なかでも現れることが多い症状は、疲労感です。心不全を生じると、日常的な動作や歩行など、体を動かしたときに疲れを感じやすくなります。

血液のうっ滞に伴う症状

また、肺の静脈や全身の静脈の血液の流れが滞ると、以下のような血液のうっ滞による症状が現れます。

  • 足の甲や(すね)のむくみ
  • 体液量の増加による体重増加
  • 息切れ
  • 喘鳴(呼吸するときにぜいぜいと音を発すること)
  • 呼吸困難

などがあります。

心臓を押さえている男性 画像

息切れの症状は、進行していない段階であれば階段や坂道を上ったときに息が切れる程度ですが、進行すると少し歩いただけで息苦しく感じるようになります。さらに悪化すると安静にしていても呼吸することが苦しくなり、呼吸困難の症状が現れることもあります。

重症化すると現れる「起坐呼吸(きざこきゅう)」とは?

心不全が重症化すると、息苦しくて横になることができなくなり座っている状態の方が楽に感じる「起坐呼吸」が現れることがあります。心不全が重症化する前の初期の段階では、横になり安静にしていると、症状が和らぐことが多いです。しかし、心不全が進行し重症化すると、横になった方がかえって苦しく感じてしまい、座っている方が楽に感じるようになることがあります。

うっ滞:血流が停滞すること

心不全のサインとなる症状はある?

慢性心不全:足の甲や脛のむくみ

慢性心不全の場合、初期症状として息切れやむくみが現れることが多いです。たとえば、指で足の甲や(すね)を押して指の跡が残る場合には、心不全のサインである場合もあります。体液がたくさんたまっている可能性があり、心不全の可能性があるといえるでしょう。

急性心不全:突然の胸の痛みや呼吸困難

急性心不全は短期間で突然症状が現れるため、初期症状といえるものはありません。たとえば、心筋梗塞が原因であれば、突然胸が痛くなることがあります。あるいは、突然呼吸が苦しくなり息ができず、苦しくて声をだしてしまうこともあるでしょう。

心不全の原因

心不全は、心筋梗塞などの虚血性心疾患や大動脈弁狭窄症などの心臓弁膜症、高血圧などの生活習慣病、不整脈など、さまざまな病気が原因で生じます。

心臓の病気

心不全の主な原因として、もっとも多いものは心臓の病気です。たとえば、心筋梗塞のような虚血性心疾患、大動脈弁狭窄症や僧帽弁閉鎖不全症などの心臓弁膜症が原因となることがあります。

また、心臓の筋肉が弱る病気である拡張型心筋症や、心臓の心室の壁が厚く硬くなる病気である肥大型心筋症が原因となる場合もあります。

生活習慣病

高血圧を治療せずに長く放置した場合や、血圧を下げる効果のある降圧剤を内服していても血圧のコントロールが不十分だと、心不全を生じることがあります。

不整脈

また、心房細動と呼ばれる不整脈によって頻脈が長期間持続すると、心臓が疲れてしまいポンプ機能が低下し心不全を生じることもあるでしょう。

腎臓や肺、甲状腺機能異常の病気

お話ししたような心臓の病気や生活習慣病以外の病気が心不全につながることもあります。たとえば、腎臓の機能が悪くなる腎不全があると体に水がたまってしまい、その結果、心不全になることがあります。

また、肺炎など肺の病気によって低酸素状態が続くことで、心不全になることもあります。甲状腺機能が亢進(こうしん)(機能が通常の状態よりも高くなること)しても心不全になることがあるでしょう。

虚血性心疾患:心臓の冠動脈が閉塞したり狭くなったりすることで、心臓のポンプ機能を果たす心筋に血液がいかなくなることによって生じる病気の総称

心臓弁膜症:心臓の弁が正常に機能しなくなることで心臓のポンプ機能に支障をきたす病気の総称

 高齢化の進行とともに増えている原因

近年は、高齢化の進行とともに、心筋梗塞や心臓弁膜症、あるいは高血圧による心不全が多くなっています。たとえば高血圧についてお話しすると、加齢とともに高血圧である期間が長期化するため、心不全を起こしやすい方が増えていると考えられます。

心不全の進行

心不全は、以下のようにステージAからステージDの4つの段階に分けられます。

ステージAとBは心不全ではなく、心不全のリスクがある状態です。心不全の治療では、症状が現れていなくてもリスクがある段階で早期に治療介入を行うことが大切であると考えられています。

心不全のステージ

ステージA・B

基本的にステージAやステージBの段階では、心不全に特徴的な症状は現れていません。心不全の原因となりうる高血圧や糖尿病、心臓の病気がある状態です。主に原因となる病気の治療が行われ、予防が推奨される段階といえます。

ステージC

ステージCは、心不全に特徴的なさまざまな症状が現れている段階です。症状が現れてから発見されることが多いため、ステージCの段階で発見されるケースが多いです。ステージCの段階では、治療によって改善される可能性があります。

ステージD

ステージDは、心不全が進行し、治療を行っても治りにくい段階です。ステージDの段階になると、心不全がなかなか改善されず治療が長期化することが考えられます。

 

心不全 (長谷川 徹 先生)の連載記事

循環器内科の医師として、虚血性心疾患や末梢動脈疾患の血管内治療(カテーテル治療)、心不全治療、高血圧・糖尿病・脂質異常症などの生活習慣病の治療を行っている。所属するJR札幌病院では心臓リハビリテーションにも力を入れており、医師のみならず、看護師や薬剤師、理学療法士など多職種の連携体制を実現している。

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