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心不全に対する心臓リハビリテーションとは?
心不全とは、心臓のポンプ機能が低下し、全身に十分な血液を送り出せなくなることによってさまざまな症状が現れる状態です。心不全の患者さんは、心臓リハビリテーションと呼ばれる総合的な回復プログラムを行...
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心不全に対する心臓リハビリテーションとは?

公開日 2018 年 10 月 31 日 | 更新日 2018 年 10 月 31 日

心不全に対する心臓リハビリテーションとは?
長谷川 徹 先生

JR札幌病院 循環器内科 内科診療部長

長谷川 徹 先生

目次

心不全とは、心臓のポンプ機能が低下し、全身に十分な血液を送り出せなくなることによってさまざまな症状が現れる状態です。心不全の患者さんは、心臓リハビリテーションと呼ばれる総合的な回復プログラムを行います。心臓リハビリテーションは、主に運動機能を改善したり維持したりすることを目標に実施されます。この回復プログラムには、どのような特徴があるのでしょうか。

今回は、JR札幌病院の長谷川 徹先生に、心臓リハビリテーションの特徴についてお話しいただきました。

心臓リハビリテーションとは?

運動指導や安全管理など総合的な回復プログラム

心臓リハビリテーションとは、自分の病気のことを知ることから始まり、運動指導や安全管理、症状を悪化させる可能性のある危険因子の管理や心のケアまでを総合的に行うものです。心リハと呼ばれることもあります。

運動機能の改善や維持が目標

心臓リハビリテーションは、運動機能を改善したり維持したりすることを目標に行います。

心不全の患者さんは、心臓の機能が低下することによって、健康な方と比べて活動域が狭くなる傾向にあります。動かなくなるために筋肉量が低下すると、生活に支障がでてしまいます。このような状況を防ぐため、心臓リハビリテーションでは運動によって機能回復をはかります。

写真ご提供:JR札幌病院
写真ご提供:JR札幌病院

心臓リハビリテーションの適応となる患者さんとは?

心不全の患者さんすべてに適応

心臓リハビリテーションは、心不全を生じたすべての患者さんに適応されます。ただし、寝たきりの状態であるとリハビリを行うことは難しいため、立つこと、歩行することができることが条件です。

年齢も関係ないため、高齢であっても歩行することができれば心臓リハビリテーションの対象になります。

写真ご提供:JR札幌病院
写真ご提供:JR札幌病院

心臓リハビリテーションの流れ

基本は歩行訓練

心臓リハビリテーションは、急性期・回復期・維持期の3つの段階に分けられます。すべての期間において、基本的に歩行訓練を行います。

歩行訓練は、脈拍や血圧、酸素濃度などを確認しながら行い、問題がなければ徐々に歩行距離を伸ばしていきます。歩行距離は、もともとの運動能や心臓の機能などを加味し決定するため、患者さんによって異なります。

また、若い方でADL(活動するための能力)がよければ、エルゴメーターと呼ばれる自転車型の装置を使用することもあります。

写真ご提供:JR札幌病院
写真ご提供:JR札幌病院

急性期

急性期は、発症から1〜2週間程度の期間を指します。安静にした状態から起立し、歩行訓練を段階的に行います。歩行訓練を始めたらどれくらいの距離を歩くことができるのか確認していきます。

回復期

回復期は、急性期を過ぎた後の、発症から2〜3か月程度の期間を指します。回復期では、歩行訓練の距離を伸ばし、持久力の強化をはかります。心不全が悪化していないか注意しながら活動の範囲を広げていくことを目標にします。

維持期

維持期では、歩行できるようになった距離を維持することが目標です。運動をやめたら運動能は低下していくため、運動能を低下させないようリハビリを継続していきます。

たとえば、自宅で続けられるような運動を覚え、自宅に戻った後も継続していただきます。デイサービスなどを利用しながらリハビリを続けていただくこともあるでしょう。

心臓リハビリテーションの特徴

多職種の連携によって行う

心臓リハビリテーションは、医師のみならず、看護師や薬剤師、理学療法士など多職種の連携によって行います。

以下はそれぞれの職種の主な役割です。

  • 医師:診断、治療方針の決定、病状の説明など
  • 看護師:患者さんの症状や日常生活の状況の変化、リハビリの進行状況の確認など
  • 薬剤師:内服薬の説明、服薬の指導
  • 理学療法士:運動の方法、適切な運動量などの指導
  • 栄養士:塩分制限やカロリー制限などの指導
  • 社会福祉士・精神保健福祉士による医療ソーシャルワーカー:利用可能な医療サービスの紹介など

多職種の情報共有のもとリハビリ内容などを決定

私たちJR札幌病院では、週に1回多職種で集まり、リハビリの進行状況や問題点などを共有しています。また、適宜、患者さんの状況を把握している看護師が、患者さんの状況を共有してくれます。

写真ご提供:JR札幌病院
写真ご提供:JR札幌病院

このような情報共有をもとに、歩行訓練の距離を調整したり、栄養療法の内容を検討したりすることで患者さんごとにリハビリの内容を決定します。

また、自宅に帰ることができるか、施設入所が望ましいかなども多職種で検討します。たとえば、患者さんが一人暮らしであれば施設入所や訪問看護を検討することもあります。

写真ご提供:JR札幌病院
写真ご提供:JR札幌病院

心臓リハビリテーションの期間

入院中に継続的に行う

心臓リハビリテーションは、入院中は基本的に毎日行うようなシステムになっています。入院期間は心不全の重症度によって異なりますが、短い方であれば2〜3週間、長い方であれば1〜2か月程度であることが多いでしょう。

たとえば、私たちJR札幌病院では、急性期病棟に入院していた患者さんがある程度安定したら地域包括ケア病棟に移っていただくことがあります。地域包括ケア病棟に移ってもらった後に1か月程度リハビリを行います。

このように、一般的には心臓リハビリテーションは入院して行いますが、退院後に通院しながらリハビリテーションを継続する方もいます。

心臓リハビリテーションを行ううえで患者さんが注意すべきこと

疲れやすいときには我慢せず症状を訴えて

心臓リハビリテーションでは、運動療法を進めていくにつれて心臓に負荷がかかり、心不全が再度悪化する可能性があります。我慢強い方であると、疲れやすさや息切れが現れても症状を訴えることなくリハビリを続けることがあります。しかし、息切れなど何かしらの症状が現れる場合には、我慢せずに症状を訴えてほしいと思います。

リハビリテーション中は、すぐに脈拍や血圧、経皮的酸素飽和度(血液中にどれくらい酸素が含まれているかを示すもの)を測定することができます。これらの検査結果をもとに、負荷が強すぎないか確認することが可能です。もしも負荷が強すぎる場合には、リハビリの内容を見直します。

不安や悩みは相談してほしい

心不全で入院すると、不安を感じたりさまざまな悩みを生じたりすることがあるでしょう。そのような不安や悩みを具体的に相談してもらいたいと考えています。心臓リハビリテーションでは、お話ししたように多職種で連携しながら患者さんの回復をはかります。一緒に考え、解決できるようお手伝いさせていただきますので、不安や悩みが生じることがあれば医師に伝えてほしいと思います。

長谷川徹先生からのメッセージ

気になる症状があればなるべく早く受診して

長谷川先生 

記事1『心不全の症状とは-どんな症状が現れたら受診すべき?』でお話ししたように、心不全になると、主に疲れやすさや息切れなどの症状が現れます。もしも心不全を疑うようなことがあれば、循環器科を受診してください。心不全では、早期の治療介入が重症化を防ぐために大切になります。何か気になる症状があれば、なるべく早く受診してほしいと思います。

また、心臓リハビリテーションでは、ご本人にも前向きに取り組んでもらうことが回復につながるでしょう。我々医師を始めとするリハビリを担当するスタッフも協力しますので、一緒に回復のためのプログラムに取り組んでほしいと思います。

 

心不全 (長谷川 徹 先生)の連載記事

循環器内科の医師として、虚血性心疾患や末梢動脈疾患の血管内治療(カテーテル治療)、心不全治療、高血圧・糖尿病・脂質異常症などの生活習慣病の治療を行っている。所属するJR札幌病院では心臓リハビリテーションにも力を入れており、医師のみならず、看護師や薬剤師、理学療法士など多職種の連携体制を実現している。

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