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大腸がんのステージ分類と治療-JR札幌病院の大腸がん治療の特徴
大腸がんの治療の選択肢には、主に内視鏡治療、手術、薬物療法、放射線治療などがあります。中でも、根治的治療につながるものは、内視鏡治療や手術によるがんの切除です。JR札幌病院では、大腸がんの治療ガ...
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大腸がんのステージ分類と治療-JR札幌病院の大腸がん治療の特徴

公開日 2018 年 10 月 31 日 | 更新日 2018 年 10 月 31 日

 大腸がんのステージ分類と治療-JR札幌病院の大腸がん治療の特徴
鶴間 哲弘 先生

JR札幌病院 外科診療部長

鶴間 哲弘 先生

目次

大腸がんの治療の選択肢には、主に内視鏡治療、手術、薬物療法、放射線治療などがあります。中でも、根治的治療につながるものは、内視鏡治療や手術によるがんの切除です。JR札幌病院では、大腸がんの治療ガイドラインに準じた治療を実施しながら、患者さんをサポートするためにさまざまな取り組みを行っています。

今回は、JR札幌病院の鶴間哲弘先生に、大腸がんのステージ分類・治療と共に、同病院の大腸がん治療の特徴についてお話しいただきました。

大腸がんのステージ分類

病気の進行はステージ(病期)に分類される

大腸がんの病期(ステージ)は、0期からⅣ期まで分類されています。このステージは、がんの壁深達度、リンパ節転移・遠隔転移の有無や程度によって決まります。

大腸がんのステージ
大腸がんの進行度分類(ステージ)

大腸癌研究会 編. 大腸癌取扱い規約 第9版. 金原出版.2018.19p. より引用

大腸がんの壁深達度は、がんが大腸の壁のどれくらい深くまで進行しているかを表します。以下のように、がんの進行と共に、大腸の壁の深くまで達し、大腸と近接している他臓器までに達する場合もあります。

大腸がんのステージ

大腸がんのステージ分類と治療の選択

手術・薬物療法・放射線治療など

大腸がんの治療の選択肢には、主に内視鏡治療、手術、薬物療法、放射線治療などがあります。

治療の選択は以下のようにステージによって決まりますが、単純にステージのみで決定されるわけではありません。がんのステージに加えて、患者さんの状態や年齢、ほかの病気の有無などから、総合的に判断します。

大腸がんの治療方針

内視鏡治療・手術が根治的治療につながる

大腸がんの治療では、がんの切除が根治的治療につながります。そのため、ステージ0期〜Ⅲ期のうち、がんが切除できる場合には、内視鏡治療あるいは手術によってがんの切除を行います。

がんの初期段階であるステージ0期のうち、がんの部位や大きさを考慮し、内視鏡治療が行われることもあります。内視鏡治療では、内視鏡によって大腸の内側からがんを切除します。

がんを切除することができない場合には、抗がん剤による薬物療法や放射線治療を行います。がんが進行したステージⅣ期の場合は、症状を和らげる治療(緩和医療)を行うこともあるでしょう。

大腸がんの手術の種類

近年は腹腔鏡下手術が適応されることが多い

大腸がんの手術では、がんの切除と共に、がんが広がっている腸管やリンパ節の切除も行います。大腸がんの手術には、主に腹腔鏡下手術と開腹手術があります。腹腔鏡下手術とは、腹腔鏡と呼ばれる先端にカメラがついた内視鏡で観察しながら行う手術です。近年、大腸がんの手術では、腹腔鏡下手術を適応することが多くなっています。

腹腔鏡下手術は、従来の開腹手術と比べて、出血が少なく患者さんに負担が少ないといわれています。腹腔鏡下手術は、重度の合併症がなければ、高齢の患者さんに対しても適応が可能です。

手術

すべての症例に腹腔鏡下手術ができるわけではない

しかし、腹腔鏡を用いた手術は、すべての症例で適応が可能なわけではありません。腹腔鏡下手術だけでは不十分なケースもあるからです。たとえば、がんが転移しており隣接している臓器にもがんが広がり、それをまとめて切除する場合や、がんが大きい場合には開腹しなくては切除することができないケースもあります。

また、過去に何度も手術を行っている場合、腸管の癒着が多いために腹腔鏡だけでは時間がかかってしまう場合があります。そのような場合には、最初から開腹手術を行うこともあるでしょう。

JR札幌病院の大腸がん治療の特徴

私たちJR札幌病院では、大腸がんの治療ガイドラインに準じた治療を実施しながら、患者さんをサポートするためにさまざまな取り組みを行っています。

JR札幌病院の大腸がんの化学療法の特徴

化学療法は外来も入院も対応可能

私たちJR札幌病院の化学療法は、外来にも入院にも柔軟に対応しています。

近年の化学療法の主流は、外来で行う化学療法です。外来化学療法では通院していただき、数時間、外来化学療法室で治療を受けていただきます。しかし、中には、外来での治療に不安が多く、入院による化学療法を希望される方もいるわけです。

当院は、外来も入院もどちらの化学療法にも対応できるようにしています。患者さんが地方からいらしていたり、高齢であるために入院を希望されたりする場合には、2泊3日の入院にも対応しています。逆に、仕事などで入院が難しい場合には、外来化学療法を選択されることもあります。

患者さんの状態やご希望、生活スタイルに合わせてどちらかを選択していただくようにしています。どちらを選択しても、治療を行う看護師は慣れているため、スムーズに治療を行うことができるでしょう。

外来の化学療法に対する電話サポート

外来の化学療法を行う場合、3週間に1回など、使用する化学療法薬の種類に準じて、かつ、患者さんの状態に応じた頻度で、定期的に化学療法の点滴や血液検査目的で通院していただきます。しかし、通院しない期間は、自宅で薬を飲まなくてはいけません。薬を飲みながら何か症状(副作用)が現れた場合には、受診した方がよいのか判断に迷うこともあるでしょう。

そのような患者さんを対象に、当院では電話サポートを行っています。外来化学療法室の看護師が定期的に患者さんに連絡し、副作用発現の確認・対応策の提示、さらには患者さんの不安相談に応じています。そのときに気になる症状があれば受診をすすめることもあります。もしも早い段階で副作用が発見されれば、薬の休薬などの対応も可能になり、副作用の重篤化を防ぐことが可能となります。

院外調剤薬局との情報共有

通常、病院の外来で薬をだす場合、処方箋と共に院外調剤薬局に行っていただきます。そこで、患者さんは調剤薬局の薬剤師から薬の説明を受けることになります。

当院では、患者さんが了承してくれた場合には、患者さんの情報を調剤薬局に提供するようにしています。すると、院外調剤薬局の薬剤師は、患者さんの状態を把握した上で、患者さんに合わせた説明を行うことができるのです。

薬剤師

また、患者さんも、我々医師や看護師には、すべての悩みを話しづらいケースもあるでしょう。実際に、患者さんが病院診察時には何も言わなかったにもかかわらず、調剤薬局で「実はここが痛い」と薬剤師に伝えてくれることもあります。その場合、薬剤師から我々医師へ患者さんの情報が伝えられ、それを元に患者さんに適した治療を組み直すこともあります。

診療科間の垣根がない連携

私たちJR札幌病院の特徴のひとつに、診療科間の垣根がないことが挙げられます。記事1『大腸がんの原因や症状、検査について解説』でお話ししたような内科と外科の連携はもちろんのこと、あらゆる診療科間の連携が行われています。

たとえば、患者さんが「最近足が痛い」と訴え、がんの転移による痛みが疑われ急いだほうが良いと判断された場合には、整形外科の医師に直接連絡をとり、その場で「これから診てもらえるか」と確認することもあります。そのような場合には、患者さん自ら再度受付に行き予約する必要はありません。

また、高齢になると、患者さんが抱える病気はひとつとは限りません。大腸がんの患者さんであっても、ほかに心臓や肺の病気をもつケースもあります。そのような場合にも、複数の診療科の連携によって同時進行で治療を行うことも可能です。外来であっても入院であっても、スムーズに治療することができるケースが多いです。

多職種によるチーム医療を実現

当院は、チーム医療にも力を入れています。がん治療は、「医師によるがんの治療」のみでは成り立ちません。がんに対する治療とともに、患者さんのみならずご家族も含めた精神的および社会的なサポートも重要です。

当院では、緩和ケアチーム、専門的知識・技術を有する各種認定看護師、病棟および外来看護師、薬剤師、理学療法士、管理栄養士、ソーシャルワーカーなど多職種のメンバーが加わり、個々の患者背景に適した質の高いがん治療を提供できるよう、また、治療のみではなく療養生活支援、服薬管理指導、心理的支援など、総合的がん治療の確立を目指しています。

たとえば、入院中の患者さんに、いつもパン食だからごはんだと食が進まないと相談されたとします。その場合、管理栄養士が介入し、食事内容をパンに変え、少しでも食事摂取が進むように細かい点にまで気を配ります。

また、最近は高齢な患者さんが多いので、入院治療が始まった時点から早期退院へ向けてのリハビリ、退院後の生活支援など、さまざまな方面からチーム医療に取り組んでいます。

 

大腸がん (鶴間 哲弘 先生)の連載記事

外科医師として、消化器疾患の手術、がん化学療法などに従事。患者さんにとって負担の少ない低侵襲手術の実現に向けて尽力している。外科診療部長を務めるJR札幌病院では、大腸がんや胃がんなどの消化器がんの手術、化学療法以外にも、便失禁に対する仙骨神経刺激療法、肥満外科治療など、さまざまな治療に取り組んでいる。

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