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鼠径ヘルニアについて─合併症の対策、手術後の生活で注意すべきこと

鼠径ヘルニアについて─合併症の対策、手術後の生活で注意すべきこと
寺島 孝弘 先生

湘南厚木病院 外科部長

寺島 孝弘 先生

目次
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鼠径ヘルニアの手術後は、手術でできた傷の部分にまれに細菌感染が起こったり、治療した場所に鼠径ヘルニアが再発したりする可能性があるため、病院では充分な対応が行われています。また、手術を受けた方は、退院して1週間程度は力仕事を避けるといった注意が必要です。

今回は、鼠径ヘルニアの手術を受けたあとの生活について、湘南厚木病院 外科部長である寺島孝弘先生にお伺いしました。

手術道具 ペイレス

手術を受けたあとでも、鼠径ヘルニアが再発する可能性はあります。近年では少なくなりましたが、医療用メッシュが用いられるようになるまでは、手術後の再発率の高さが問題となっていました。

また、同じ部分の再発ではありませんが、たとえば左足の付け根部分の手術をした方は、左側だけでなく右側も弱くなっており、反対側に鼠径ヘルニアが出てくるという可能性もあります。鼠径ヘルニアの再発や、反対側の鼠径ヘルニアに関しては、もう一度治療する必要があります。

どのような手術であっても、手術でできた傷の細菌感染が起こる可能性はあります。鼠径ヘルニアの手術でも、手術前に抗生物質を使用する、注意して消毒する、クリーンな手術室で手術を行うといった、ほかの手術と同様の予防を行います。しかし、それでも皮膚の常在菌や空気中の細菌が存在しなくなるわけではないため、傷が膿んでくることもあります。

また、鼠径ヘルニアの手術で使用する医療用のメッシュに細菌感染が起こると厄介であるため、清潔には充分に気を付けて手術します。

通常、細菌がついたときや感染が起こったときは、抗生物質を投与して治療するか、あるいは自身の免疫力で治っていきます。しかし、抗生物質も免疫の細胞も、感染した場所へは血流に乗ってたどり着くものです。人工物であるメッシュには血流がないため、そこへ感染が起こると治りが悪くなってしまいます。腹腔鏡手術は、メッシュを置く場所と傷との距離が離れているので、傷の感染がメッシュまでたどり着く可能性が少ないというのもよい点です。

鼠径ヘルニアの手術の際にできる傷は大きくても1cm程度であるため、手術後の痛みは、飲み薬の痛み止めを服用すれば充分に対応できることがほとんどです。また、多くの場合、長くとも手術から1週間ほど経てば痛みは気にならなくなります。

ただし、どうしても痛みが長引くということもあります。これは、傷そのものの痛みというよりも、メッシュを挿入した部分や周囲の変化に伴う違和感が続いている場合だと考えられます。腹腔鏡の手術は傷が小さいことから、傷の痛みが長く続くことは基本的にはありません。

鼠径ヘルニアの再発予防は難しい

鼠径ヘルニアは、肉体労働やお腹に力のかかる仕事をしている方に多くみられ、日常生活から発症の原因を取り除くことは現実的ではありません。また、子どもの頃から鼠径部の組織が弱いという方もいます。予防に関して、日常生活で何かしなければならないことは特にありません。

トレーニング中の男性 ペイレス

鼠径ヘルニアの手術後は、退院直後から日常生活を送ることができます。退院時にはご自分で歩いて帰っていただいており、歩いたり階段を登ったりする程度であれば差し支えありません。お仕事に関しても、ご本人の体調がよければ、デスクワークなどは翌日からしていただいて構いません。

ただし、力仕事やお腹に力がかかるような仕事については、手術後1週間~2週間は控えてください。湘南厚木病院では、手術を受けてから1週間後にまた外来を受診していただくため、そのときに復帰してよいかどうかを判断しています。また、厳密な制限ではありませんが、本格的なスポーツや筋力トレーニングに関しては3週間~4週間は控えましょう。多くの場合、1週間過ぎればほとんど制限なく過ごすことができます。

車の運転に関しては退院時だけ避けていただいています。病院から帰るときは、ご自分で運転しないようにしてください。退院した翌日以降は、痛みが落ち着いていれば特に制限はなく、ご本人の症状に応じて車の運転をしても構いません。

一般的に、鼠径ヘルニアの手術でできた傷には防水のテープを貼ります。退院時に防水テープを貼ったら、そのまま貼りっぱなしで大丈夫です。お風呂もシャワーも差し支えありませんが、テープが剥がれるかもしれないという不安があると思うので、退院後は基本的にシャワーにしていただいています。1週間後の外来で傷の状態をチェックして、問題なければ入浴をしてもらう形にしています。また、食事に関する制限はありません。

医師 ペイレス

鼠径ヘルニアの手術の後、基本的には1週間後にまた外来を受診していただいています。患者さんによって、しばらく様子を見る必要がある場合は、1か月後にまた来ていただくこともあります。たいていの場合は、1週間後に受診してなにも問題がなければ治療は終わりになります。

患者さんの中には、手術を受けたけれどまた鼠径ヘルニアになったという方や、別の病院で従来法の手術を受けたものの次は腹腔鏡下手術がよいという方などもいらっしゃいます。再発した鼠径ヘルニアの手術術式は、前はどのような術式で治療したかということによって変わります。たとえば、前は従来法で手術を受けていて同じ場所に再発したという場合は、多くの場合は腹腔鏡手術を行うことが可能です。人によって可能な術式が異なるため、まずは相談していただければと思います。

寺島孝弘先生

鼠径ヘルニアは命にかかわる病気というわけではありませんが、発症すると違和感があったり、日常生活が制限されたりといった問題が起こってきます。病院に行くとなると抵抗を感じて我慢してしまい、受診されないという方もいらっしゃいますが、まずは受診していただき、気軽に検査を受けていただければと思います。

そのうえで、どうしても手術に抵抗がある、あるいは時間がとれないという方に関しては、しっかりと相談してよりよい方法を考えていきます。もちろん手術がよいということになれば、なるべく早く普段の生活へ戻れるような形で治療できるように考えていきます。患者さんにとってなるべくわかりやすいようにお話しすることも心がけています。あまり抵抗を感じずに、ご相談いただければと思います。

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