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肺がんにおける完全胸腔鏡手術の具体的な方法

肺がんにおける完全胸腔鏡手術の具体的な方法
メディカルノート編集部 [医師監修]

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肺がんの手術法には、胸を大きく開いて行う開胸手術と、胸に小さな穴を数か所開けて行う胸腔鏡手術の2種類があります。本記事では、肺がんにおける完全胸腔鏡手術について解説します。

肺がんの手術の原則は、肺葉切除(病変を肺葉ごと切り取る術式)とリンパ節郭清です。非小細胞肺がんで外科手術が可能な場合は、基本的に肺葉切除術が適応されます。一方、比較的おとなしいタイプの肺がんであるすりガラス陰影のがん(末梢小型病変)や2cm以下の非小細胞肺がんの場合は、がんの位置や画像などの所見を勘案したうえで、縮小手術(区域切除や楔状切除)を検討する場合もあります。

肺がんの手術の方法一覧

また、いったんは手術で取り切れないと判断されたがんでも、抗がん薬治療や放射線治療を実施してがんが縮小した場合は、手術による切除を再度検討することがあります。

なお、手術によって呼吸機能の低下や合併症の増悪が予測される場合や、体力的に手術に耐えられる状態*ではないと考えられる場合は実施できないこともあります。

*体力的に手術に耐えられないと判断される状態の目安は、自立して階段昇降ができないことなど

完全胸腔鏡手術は、胸壁に3か所の穴をあけてモニターに映し出された胸腔内の様子を見ながら行う術式です(4か所以上穴をあける術式もあります)。

12mmの創(ポート)を2か所、切除した肺を取り出すため3~5cmの創を1か所設けます。内視鏡のカメラでとらえた映像をテレビモニターに写し出し、医師はその映像を見ながら手術します。この後の手術の流れは開胸手術と同じですが、小さな穴から器具を入れて手術するため、開胸・閉胸の時間が短くなります。

胸腔鏡手術の創は開胸手術の創に比べて小さいものの、数日で手術前とまったく同じ状況になるということはありません。生きていくために必要な臓器である肺を切除するため、術後の呼吸機能や痛みなどの回復には1~3か月を要します。また、退院が可能な状態になるのは、通常、術後11~14日前後が目安です。

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