Close banner icon
App icon

メディカルノートアプリ

期間限定 医療相談無料

インストール

超高齢社会の中で急増する心不全〜心不全患者の増加を防ぐために

疾患啓発(スポンサード)

最終更新

2019/04/01

2019 年 04 月 01 日
更新しました
2019 年 02 月 15 日
掲載しました
超高齢社会の中で急増する心不全〜心不全患者の増加を防ぐために
鈴木 誠 先生

横浜南共済病院 循環器内科 総括部長

鈴木 誠 先生

目次
項目をクリックすると該当箇所へジャンプします。

超高齢社会を迎えている日本では、「心不全」の患者さんが急増しています。多くの高齢者が健康的に長生きできるようにするためにも、心不全の増加を食い止めることは喫緊の課題といえるでしょう。

鈴木誠先生は「心不全の発症予防のためには、地域の開業医との連携が必要不可欠」と語ります。本記事では、心不全について横浜南共済病院の循環器内科部長である鈴木誠先生にお話を伺いました。

日本の医療が直面する超高齢化社会の到来

少ない若者で、多くの高齢者を支えなくてはならない時代が来る

日本は今、超高齢社会を迎えています。2017年の高齢化率(総人口あたり65歳以上が占める割合)は27.7%と高く、約3人に1人は高齢者です。

この高齢化率は、今後もさらに上昇していくと予想されています。特に、2025年にはすべての団塊の世代が75歳を超え、2040年にはすべての団塊ジュニア世代が65歳を超えます。

それに伴って、2018年現在121.3兆円の社会保障給付費(医療、介護、子育て、年金などに支出される費用)は2025年には140.2〜140.6兆、2040年には188.2〜190.0兆円と大きく膨らんでいくと予想されています。数少ない若者で、多くの高齢者を支えなくてはならない時代へ突入していくのです。このような近い将来起こりうる問題は、それぞれ「2025年問題・2040年問題」と呼ばれています。

団塊の世代…1947年〜1949年の第一次ベビーブームに生まれた世代

団塊ジュニア世代…1971年〜1974年の第二次ベビーブームに生まれた世代

多くの高齢者が「健康長寿」を目指すために

超高齢社会の進行と共に、平均寿命も年々伸びてきています。平均寿命は今後さらに伸びていくと考えられており、2007年に生まれた子どものおよそ2人に1人は100歳より長く生きるといわれています。仮に60歳で定年退職を迎えるとして、退職後の人生はおよそ40年間も残されています。

そのような現状の中、私たち医療者は「健康寿命の延伸」を目指す必要があります。そして、多くの高齢者が「健康長寿」として長生きするためには、高齢化と共に急増している「心不全」という病気に目を向ける必要があります。

次章からは、この心不全について詳しくお話ししていきます。

健康寿命…健康上の問題で日常生活が制限されることなく生活できる期間

高齢化と共に増加する心不全

心不全パンデミックの到来

入院患者の推移グラフ

【参考】日本循環器学会2018年 JROAD報告

心不全とは、心臓が悪いために息切れやむくみが起こり、それがだんだんと悪化していくことで、生命を縮める病気です。

心不全は高齢者に多い病気で、超高齢社会を迎える日本では、心不全を発症する患者さんの数が年々増加傾向にあります。

上のグラフは、急性心筋梗塞と心不全の入院患者さんの数の推移を比較したグラフです。ご覧いただくと分かるように、急性心筋梗塞に比べて心不全の増加率は大きく、毎年約1万人ずつ増えていることがわかります。

新規心不全患者の発症率

【参考】Shimokawa H,etal:European Journal of Heart Failure 2015:17,884-892

このグラフは、新しく心不全を発症する患者さんの数を示したものです。これによると、東京オリンピックが開催される2020年には、約35万人の方が新しく心不全を発症すると推測されています。

このように急激に増えていく心不全は、感染症の大流行になぞらえて「心不全パンデミック」と呼ばれています。

急性心筋梗塞…心臓の周りを取り囲み、心筋(心臓を動かすための筋肉)に血流を供給している「冠動脈」が完全に詰まってしまう病気