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心臓リハビリテーションの現状と普及に向けて−心臓リハビリテーションの重要性
心不全の患者さんが急増する中で、心臓リハビリテーションは大切な治療のひとつです。しかしながら、心臓リハビリテーションを実施していない病院も多く、患者さんの継続率も低い現状があります。横浜南共済病...
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心臓リハビリテーションの現状と普及に向けて−心臓リハビリテーションの重要性

公開日 2019 年 02 月 15 日 | 更新日 2019 年 02 月 18 日

心臓リハビリテーションの現状と普及に向けて−心臓リハビリテーションの重要性
鈴木 誠 先生

横浜南共済病院 循環器内科 総括部長

鈴木 誠 先生

目次

心不全の患者さんが急増する中で、心臓リハビリテーションは大切な治療のひとつです。

しかしながら、心臓リハビリテーションを実施していない病院も多く、患者さんの継続率も低い現状があります。

横浜南共済病院では、2018年4月から心臓リハビリテーションを開始しています。今回はその立ち上げに尽力された、横浜南共済病院の循環器内科部長である鈴木誠先生に心臓リハビリテーションについてお話を伺います。

心臓リハビリテーションとは?

心臓リハビリテーションでは、自分の病気について理解することが大切

心臓リハビリテーションとは、「すべての心臓病の患者に対する再発予防・自己管理について多職種で行う教育プログラム」のことです。具体的には、心臓病の再発や再入院を防ぐための自己管理を目的として、運動療法や学習、生活指導、カウンセリングなどを行います。心臓リハビリテーションには、医師、看護師、理学療法士、作業療法士、管理栄養士、社会福祉士など、さまざまな職種のスタッフがかかわります。

リハビリテーションというと、「運動療法」を真っ先に思い浮かべる方も少なくないかもしれません。もちろん、体を動かすことも大切な要素のひとつです。しかしそれ以前に、心臓リハビリテーションでは、ご自身の病気について知っていただくことがとても大切です。

たとえば心不全の患者さんであれば、心不全の予後がどれだけ悪いのか、なぜ処方された薬を欠かさず飲まなくてはいけないのか、などについて患者さんにしっかりと理解していただくところから始まります。

このように、ご自身の病気に対する理解を深めていただいたうえで、運動療法を行います。

運動療法ではどのようなことを行うの?

リハビリテーション

運動療法の内容は、患者さんの運動機能や心機能などによって異なります。そのため、ここでは運動療法の一例についてご紹介します。

急性期で有酸素運動ができないレベルでは、ベッドサイドでの足上げ運動やつま先立ち運動などの軽い筋力トレーニングを行います。

その後、徐々に歩行を開始します。300mくらいの距離が歩けるようになったら、自転車エルゴメーターという機械を使用して、自転車こぎ運動を行います。また、退院後も自宅で運動が継続できるよう、患者さんの心肺機能に合わせて運動処方を出します。

自宅で運動を継続していただくのと同時に、外来リハビリテーションにも定期的に通院していただきます。

早期心臓リハビリテーションとは

近年は、病気の発症や急性増悪から48時間以内にリハビリテーションを開始する「早期心臓リハビリテーション」が少しずつ普及し始めています。たとえば、人工呼吸器を装着していたり、気管挿管管理をしていたりする患者さんに対して、ベッド上で手を挙げるトレーニングを行ったり、離床して軽い歩行を行ったりします。

早期心臓リハビリテーションは、より早い段階に体を動かすトレーニングを行うことで、自分の力で歩いて帰れるようになることを目指して行われます。しかし、実施している病院はまだまだ少ないという現状があります。

心臓リハビリテーションの現状

心臓リハビリテーションは、心臓病の再発予防のために非常に重要なことですが、その認知度はまだまだ低いといえ、以下のような問題点があります。

外来リハビリテーション参加率が低い

まずは、外来リハビリテーション参加率の低さです。退院後、継続的に心臓リハビリテーションに通っていただく必要のある患者さんでも、リハビリテーションを自己中断してしまう患者さんは少なくありません。その参加率は欧米諸国と比較して低く、4〜8%にとどまっています。

Jpn J Rehabil Med 2018;55:690-700

心臓リハビリテーションを実施している病院は少ない

また、心臓リハビリテーションを実施している病院が少ないという問題点もあります。特に神奈川県の実施率は低く、さらに横浜市は近隣の川崎市や相模原市に比べて心臓リハビリテーションができる病院が少ないこともわかっています。

住んでいる地域によっては、心臓リハビリテーションの恩恵が受けられない患者さんも多くいらっしゃるという現状があるのです。

心臓リハビリテーションの普及に向けた取り組み

会議

横浜市の取り組み「CREYoN2プロジェクト」

高齢化に伴い心不全の患者さんの数は急増しており、また予後が悪いという点からも、心不全患者さんに対する積極的な心臓リハビリテーションが望まれます。

しかし、先に触れた通り、横浜市は総人口に対して心臓リハビリテーションを実施できる病院が不足しています。

これを受けて、横浜市が心臓リハビリテーション普及のために実施している取り組みが「CREYoN2 Cardiac Rehabilitation Enhancement in Yokohama for Next generation & Novel approach:クレヨン)プロジェクト」です。

CREYoN2プロジェクトは、横浜市を7つのエリアに分けて、それぞれのエリア内で心臓リハビリテーションの強化病院を指定する取り組みです。横浜市をあげて、心臓リハビリテーションを普及させていくために準備しているところです。

神奈川県全体にも心臓リハビリテーションの普及を「K-PREVENT」

また、神奈川県全体に心臓リハビリテーションを普及させるために、聖マリアンナ医科大学 循環器内科教授・明石嘉浩先生らと共に「K-PREVENT(Kanagawa-cardiovascular Prevention and REhabilitation Via Exercise and Nutritional Therapy associates)」という研究会を立ち上げました。2019年3月に第1回の研究会開催を予定しています。

心臓リハビリテーションに対する鈴木誠先生の想い

鈴木誠先生

もっと楽しんでリハビリテーションができる仕組みがあれば

先ほどお話しした通り、心臓リハビリテーションを自己中断してしまう患者さんは少なくありません。これは、多くの患者さんに「治療のために、仕方なくリハビリテーションを受けている」という意識が強くあるからだと思います。

そのため、患者さんが楽しくリハビリテーションができる仕組みがあれば、もっと多くの方がリハビリテーションを続けてくれるのではないかと思っています。

たとえば、病院だけでなく、小学校の体育館やフィットネスクラブなどに集まって、バスケットボールやバレーボールなどを行うなど、レクレーションの要素があれば楽しんでリハビリテーションを継続できるのではないでしょうか。目標を持って続けるためにも、たまに試合をしたりするとよいかもしれません。

どうしても病院だけのリハビリテーションでは「やらされている」感覚が拭えないでしょう。患者さんが無理なくリハビリテーションを続けられるような仕組み作りは、心臓リハビリテーションの普及に向けた大きな課題であるといえます。

 

心不全・心房細動(鈴木 誠先生)の連載記事

東邦大学医学部を卒業後、東京医科歯科大学第三内科(現:循環器内科)へ入局。その後、市中病院での研修や海外留学を経て、2001年に亀田総合病院の循環器内科医長、2004年には部長に就任。
2018年4月より現職。循環器疾患の中でも、特に不整脈と心不全を専門としている。日々の診療に尽力する傍ら、講演や研究会なども積極的に行っている。

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