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毛利正博先生のあゆみ——大きな影響を与えた3人の先生との出会い

毛利正博先生のあゆみ——大きな影響を与えた3人の先生との出会い
毛利 正博 先生

独立行政法人地域医療機能推進機構 九州病院 内科診療部長

毛利 正博 先生

目次
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大都市でありながら高齢化が進む北九州市に位置するJCHO九州病院。今回は、同病院で15年以上にわたり循環器疾患の診療に携わってこられた、毛利正博先生のこれまでのあゆみや想い、またJCHO九州病院の特徴についてお話を伺いました。

私が循環器内科医を志した理由は大きくふたつあります。ひとつは単純に心臓病に興味があったから。そしてもうひとつは、九州大学医学部学生時代に循環器内科の教授であった中村元臣先生と出会ったことです。

中村先生は、36歳という若さで九州大学循環器内科の初代専任教授に就任し、約30年にわたり教室を率いてこられた、非常にバイタリティ溢れた先生です。そのような力強さを持つ一方、とても人情深く温かい先生でもいらっしゃいます。

中村先生からは、循環器内科医としての知識や技術だけでなく、医師としてのあるべき姿をお教えいただき、私が循環器内科医として成長するための確たる土台を築いてくださいました。

中村先生は文字通り私の恩師であり、先生との出会いがなければ、私は循環器内科への道は進んでいなかったと思います。

1990年、私はドイツにあるマックス・プランク研究所へ2年間の留学をする機会をいただきました。当時、冠循環の基礎研究分野では世界でもっとも著名な研究者のひとりであるヴォルフガング・シャーパー(Wolfgang Schaper)教授が研究所で活躍されており、先生のもとで基礎研究について指導を受けることとなります。

シャーパー先生からは循環器病学に関することはもちろんですが、医学から離れた生活全般に関すること、社会や世界のことなど、さまざまなことについて広く物事をみる視点を学びました。

私はベルリンの壁が崩壊した直後に渡独しましたが、半年後に東西ドイツが再統一されるという歴史的な瞬間に現地で立ち会うことになりました。そして翌1991年には湾岸戦争が開戦、1992年にはソビエト連邦が崩壊し、私は激動のヨーロッパで2年間の留学生活を送ったわけです。

今振り返ってみても、シャーパー先生のもとで過ごした2年間の留学生活は、私の人生観や価値観に非常に大きなインパクトをもたらしたと感じます。

2年間のドイツ留学から帰国したあとは、九州大学へ戻ります。そこで出会ったのが、中村先生のあと、九州大学循環器内科の第二代教授となられた竹下彰先生です。

竹下先生とは、10年以上にわたり共に仕事をさせていただきましたが、先生は臨床、研究、教育のいずれの分野においても傑出された才能をお持ちの先生で、私の物の見方全般や考え方に強い影響を与えてくださいました。

JCHO九州病院
JCHO九州病院

2003年からは、現在勤務しているJCHO九州病院(旧称:九州厚生年金病院)で日々の診療に従事しています。

当院がある北九州市の特徴は、人口が約96万人の大都市でありながら高齢化が急速に進んでいる地域であるということです。その高齢化率(全人口のうち65歳以上が占める割合)はおよそ30%と、全国20市ある政令指定都市の中でトップの数字となっています。さらに、そのうちの半数は75歳以上の後期高齢者です。

このように高齢化が進んでいる現状がある一方で、北九州市は医療や介護が非常に充実しているという特徴があります。市内には医療施設や介護施設の数も多く、たとえば市内のどこで急性心筋梗塞を起こしても、救急車でほぼ20分以内の場所にカテーテル治療ができる病院があります。

また、北九州市では医師会が中心となって、医療・介護・福祉・保健が連携することで、高齢者やそのご家族を支援する取り組みを積極的に行っており、「北九州方式」と全国的にも高く評価されています。

将来的には、北九州市と同様に、全国の大都市でも高齢化が進むことが予測されますが、この意味で北九州市は「高齢化大都市のモデル」といえるでしょう。

院内掲示

当院は1955年に開院して以来、さまざまな診療科を備える総合病院としての役割を担ってきました。循環器疾患については、1961年に九州で第1例となる人工心肺を使った開胸手術を実施、1966年からは心臓カテーテル検査を実施しており、循環器診療における長い歴史があります。

そのような歴史の中で、医師会や地域の開業医の先生方とは、強固な連携体制を構築してきました。その取り組みのひとつが、急性心筋梗塞の地域連携パス手帳の作成です。

これは、急性心筋梗塞でカテーテル治療を行った患者さんが、近隣の開業医へ通院する際、病院と開業医での医療連携をスムーズに行うためのツールです。

当院で作成した連携パスは北九州市医師会の後援をいただき、市内でカテーテル治療を行うすべての病院に配布されました。

2019年から、大動脈弁狭窄症に対するTAVI(タビ:経カテーテル大動脈弁置換術)を開始する予定です。TAVIとは、カテーテルを使って大動脈弁部に人工弁を留置する治療です。TAVIの登場によって、体力的な問題などで開胸手術ができなかった患者さんも治療の恩恵を受けることができるようになりました。

先ほどお話ししたように、当院のある北九州市は高齢者が多く、大動脈弁狭窄症の患者さんも多くいらっしゃいます。これまで私自身、治療が必要にもかかわらず年齢の問題で手術ができず、お亡くなりになる患者さんを少なからず目の当たりにしてきました。

しかしTAVIが開始されたことで、かつては救えなかった命が救える時代になってきました。当院でも、TAVIに携わるさまざまな職種のスタッフとチームワークを築き、多くの患者さんに高いレベルのTAVIを提供できるよう尽力していきます。

TAVIteam2

毎日の診療で考えることは、「目の前の患者さんが、もし自分の親、兄弟だったらどうするか」ということ。

このことは以前から思っていたことであり、また多くの医師が普通に感じていることでしょうが、最近自分の身内の者が病気になったり他界したりしたことをきっかけに、改めて一人ひとりの患者さんに対して、そのことを強く思うようになりました。

同じ病気であっても、患者さんのこれまでの人生、生活環境、価値観などによって治療法は大きく変わります。

患者さんを取り巻く背景を理解し、一人ひとりの患者さんにとって最適な治療を提供できるよう、「もし自分の家族だったら」という当たり前の気持ちを忘れず、これからも患者さんと向き合っていきたいと思います。

【JCHO九州病院へのお問い合わせはこちら】

受付時間: 8:30~11:00  月~金曜日
電話番号: 093-641-5111
ホームページ:https://kyusyu.jcho.go.jp/

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    毛利 正博 先生

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