疾患啓発(スポンサード)

「自分の家族のように大切に、患者さんと接したい」 患者さんが苦しまない医療を目指して挑戦を続ける土田幸広先生のストーリー

「自分の家族のように大切に、患者さんと接したい」 患者さんが苦しまない医療を目指して挑戦を続ける土田幸広先生のストーリー
土田 幸広 先生

社会医療法人若竹会 つくばセントラル病院 サイバーナイフセンター長

土田 幸広 先生

目次
項目をクリックすると該当箇所へジャンプします。

脳は不思議なことが多い。だからこそ面白い

今でこそ、サイバーナイフセンター長として多くの患者さんに定位放射線照射を行っていますが、医師になったばかりのころから定位放射線照射を専門にしていたわけではありません。実はもともと、開頭手術などの外科治療が専門でした。

初めて脳神経外科に興味を持ったのは、医学部4年次生のとき。母校である筑波大学には、当時、私や私の同級生からもしばしば「カリスマ」と呼ばれていた、牧豊先生(筑波大学初代脳神経外科教授)がいらっしゃいました。おそらくですが、私に限らず、牧先生の影響で脳神経外科医への道を選んだ筑波大学出身の医師は、かなり多くいるのではないでしょうか。

牧先生は、当時学生だった私から見ても非常に勉強家で、お酒好き、そして学生に対していつもフレンドリーに接してくださる方でした。私が4年生のときに教授を退官されてしまいましたが、退官後もたびたび学生からの相談に乗ってくださっていました。牧先生は、今でも私の憧れの医師です。

脳は、人の臓器の中でも一際不思議な存在だと思っています。

学生時代に解剖実習で脳を解剖しているとき、生きている間は誰ひとりとして同じ人間はいないのに、亡くなった方の脳はどれもほとんど同じ形であることが特に不思議でした。

「その人をその人たらしめている脳―。」

この不思議な臓器に知的好奇心を突き動かされた私は、もっと脳について知りたいという強い思いに駆られました。それと同時に、脳神経外科医になれば、もっとたくさんの脳を実際に診ることができるのではないかと考えました。

それからは、脳神経外科医を目指して勉強に励む毎日でした。地道な努力を重ねて医学部を卒業し、脳神経外科医としてのキャリアをスタートさせました。

慣れ親しんだ土地を離れて沖縄で過ごした日々

若手の時期は脳を実際に見てみたい気持ちが強かったこともあり、外科治療について積極的に勉強し、手術も多数経験しました。

茨城県や千葉県を中心に関東圏で医療に携わっていたのですが、ある一時だけ、関東を離れて沖縄にわたり、琉球大学で臨床医を行っていたことがあります。突如、まったく別の環境に身を置いてみたくなったのです。

沖縄県は気候も、そこで暮らす人々も、とても温かくて穏やかでした。どこかのんびりとした環境に包まれて過ごすうち、関東に戻ってからは公的な大学病院ではなく、民間病院に移ることを自然と決めていました。

沖縄県でのこれまでと異なる生活は、私の医師としての進路や、キャリアに対する考え方を大きく変えてくれたと感じています。

サイバーナイフへの新しい挑戦

茨城県に戻ってきてから、民間病院で脳神経外科医として臨床に明け暮れていたある日、恩師である坪井康次先生(現・つくばセントラル病院腫瘍センター長)から私に連絡がありました。そこで坪井先生から、つくばセントラル病院でサイバーナイフの導入が決まったことを教えていただきました。そしてこのとき、つくばセントラル病院でサイバーナイフを担当してみないかというお話をいただいたのです。

これまで脳神経外科として手術を中心に行ってきた私にとって、放射線治療であるサイバーナイフは未知の領域でした。しかし坪井先生は、私が放射線治療に興味があることを昔からご存じだったのだと思います。

私は若手の頃、基礎研究の一環として、坪井先生の指導の下で放射線照射による悪性腫瘍の反応について研究していました。そのことを、坪井先生が覚えていてくださったのかもしれません。

指導医であり恩師でもある坪井先生に推薦されて、断る選択肢はありません。そのまま2012年につくばセントラル病院に就任し、2019年現在はサイバーナイフセンター長として、脳に病気を抱える患者さんに日々向き合っています。

「この患者さんが自分の家族だったらどう接する?」

転移性脳腫瘍の患者さんを多く診療する中で特に注意しているのは、患者さんとの接し方です。

大前提として、晴れ晴れとした気持ちでサイバーナイフセンターを訪れる患者さんはまずいません。自分の病気への不安や生活の悩み、恐怖感を抱えている方がほとんどです。ですから、そういった気持ちをなるべく和らげられるような対応を意識しています。

診察時には、「この患者さんが私自身の家族だったらどうするか」を念頭に置いています。初めてお会いする患者さんの診察枠は1時間ほど設け、その中でじっくりと患者さんのお話を聴きます。

患者さんにとって、ここでサイバーナイフによる治療を受けるかどうか決めることは、初対面の相手と一緒に自分の命をかけた選択をするようなものですから、なるべくゆっくり話し合うことが大切です。診察に時間がかかったとしても、患者さんが本当に納得したうえで、サイバーナイフによる治療を受けていただきたいと考えています。

もちろん、患者さんのお話を聴いたり検査を行ったりする中で、サイバーナイフが適切な治療法ではないと判断させていただく患者さんもいらっしゃいます。その場合は、包み隠さず正直にそのことをお伝えしています。

患者さんがなるべく苦しまない医療を

サイバーナイフセンターで放射線治療に携わり始めてから、2019年3月で6年半が経ちました。今までは、一人ひとりの患者さんに向き合うことに必死でしたが、これからは、1人でも多くの方にサイバーナイフについて知ってもらいたいという思いが強いです。

まだまだサイバーナイフの認知度は高いとはいえず、私が説明するまでサイバーナイフについて知らなかった患者さんも多数いらっしゃいます。これからも、サイバーナイフセンター長としての責任と誇りをもって、多くの患者さんに「痛みの少ない治療」を提供していきたいです。