疾患啓発(スポンサード)

胃切除後の食事のポイントは?胃がんの手術前と手術後の注意事項

胃切除後の食事のポイントは?胃がんの手術前と手術後の注意事項
今村 和広 先生

東京都立多摩総合医療センター 外科 部長

今村 和広 先生

目次
項目をクリックすると該当箇所へジャンプします。

胃がんの手術の前には、手術決定直後からの禁煙や、入院に向けた飲酒習慣の改善といった、手術に向けた準備が必要になります。手術で胃を切除した後は胃の機能が低下しているため、食事の内容や食べ方に気をつけることが大切です。

今回は、胃がんの術前・術後の注意について、東京都立多摩総合医療センターの今村和広先生にお伺いしました。

胃がんの手術前に注意することは?

禁煙する

胃がんの手術を受ける患者さんで煙草を吸っている方には、必ず禁煙をお願いしています。本数を減らすのではなく1本も吸わないことが重要です。術前から術後までの期間(周術期)における喫煙は、術後の肺炎や心筋梗塞などの合併症の増加や、傷の回復の遅れなどにつながります。1か月程度、禁煙することによって、手術のリスクを下げることができるといわれています。

当センターでは、喫煙を続けている方の手術には同意しておりません。胃がんの手術が決定した直後から、必ず禁煙していただくようにお伝えしています。

飲酒を控える

習慣的にお酒を飲んでいる方は、普段の生活も含めて飲酒を控えたほうがよいです。たとえば、何日かに1回、少量を飲んでいる程度であれば問題ありません。しかし、毎日飲酒している方が禁酒すると、お酒が切れることでイライラする、手が震える、夜眠れなくなるといった離脱症状が生じることがあります。胃がんの手術では入院が必要になるので、日常的に飲酒している方は、飲酒習慣を改善していきましょう。

食べすぎて急に太らないようにする

胃がんの患者さんのなかには、胃を切ることが決まってから手術までの間に、普段よりもたくさん食べて急に太ってしまう方がいらっしゃいます。しかし、短期間でお腹についた脂肪はもろく、手術が困難になるため、食べすぎないように注意してください。

また、肥満ぎみの方の場合は、運動を中心に少しダイエットしたほうがよいです。お腹まわりの脂肪が少ないほうが、手術しやすく、より安全に手術を行うことができるためです。

胃がんの手術後に注意することは?

食事のとり方について理解する

胃がんの手術の後遺症は、食事に関する問題がほとんどです。当センターでは、患者さん一人ひとりにしっかりとご説明して、食事のとり方について納得してから退院していただいています。入院中に資料を読み込んだり、栄養士の指導をよく聞いたりして、ご自身で食事のとり方について勉強するように心がけてください。

よく噛んでゆっくり食べる

患者さんのなかには、手術後の食事のとり方に関しては家族に勉強してもらって、自分では料理をしないという方もいらっしゃると思います。しかし、胃がんの手術後は、食事の内容以上に、食べ方が重要です。胃は、取り込んだ食物を溜めて消化するはたらきを持つ臓器です。手術後に残った胃の負担を軽くするためには、よく噛んでゆっくり食べる必要があります。

食べ物の消化の仕組みをよく理解して、ご自身に適した食事のとり方を考えていきましょう。分からないことがあれば遠慮なくご質問ください。

地域の方が安心できる医療を提供したい─胃がんの診療にかける思い

多摩総合医療センターは、多摩地区における総合的な医療機能を持つ病院として、地域の方々に幅広い医療を提供しています。なかでも、多摩地域におけるがん医療の拠点として、さまざまながんについて専門性の高い医療を提供しています。胃がんの治療では、隣接する検診センターと共同で精密な術前診断を行っており、必要十分な胃切除手術の実現を目指しています。最新の治療を取り入れながら、医療の知識や技術の向上に努めることで、東京都多摩地区の方々に安心して医療を受けていただけるようにしたいと考えています。

私が診察するときは、患者さんにとってなるべく分かりやすくお話しすることを心がけています。少し厳しく聞こえるときもあるかと思いますが、やわらかい表現よりも、きっちりと正確に伝えることを大切にしています。

胃がんの治療について気になることがあれば、お気軽にご相談ください。