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弁膜症とは?種類と原因、症状、検査について
弁膜症とは、心臓の中で血液の流れを補助する役割を持つ「弁」に異常が起こる病気です。弁のところで血液の流れが悪くなる、あるいは血液が逆流することにより、息苦しさなどのさまざまな症状が現れます。進行...
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弁膜症とは?種類と原因、症状、検査について

公開日 2019 年 04 月 26 日 | 更新日 2019 年 04 月 28 日

弁膜症とは?種類と原因、症状、検査について
山本 信行 先生

湘南厚木病院 心臓血管外科部長

山本 信行 先生

目次

弁膜症とは、心臓の中で血液の流れを補助する役割を持つ「弁」に異常が起こる病気です。弁のところで血液の流れが悪くなる、あるいは血液が逆流することにより、息苦しさなどのさまざまな症状が現れます。進行すると主に心不全が引き起こされます。健康診断などで心雑音や心拡大を指摘されたら、弁膜症の可能性が考えられます。

今回は、弁膜症とはどんな病気なのか、健康診断で発見される特徴などについて、湘南厚木病院の山本信行先生にお伺いしました。

心臓の病気のひとつ、弁膜症とは?

心臓は血液を一方通行に送り体内で循環させる機能を持つ

心臓は、右心房、右心室、左心房、左心室という4つの部屋に分かれています。血液は、この4つの部屋の中を一方通行に流れていくことにより体内で循環します。

体内から心臓に戻ってきた血液は右心房に流れ込み、右心室を通り、肺へ流れていきます。肺は、私たちが生きていくうえで必要な酸素を取り入れるはたらきを担う臓器です。肺で酸素を含んだ血液は左心房へと戻り、左心室を通って、また体内へと流れていきます。血液の流れは常に一方通行になっており、心臓が機能することで血液は全身へと送り出されていきます。

弁膜症は血液の流れを補助する「弁」が正常に機能しなくなる病気

血液の流れがしっかりと一方通行になるように、心臓の中には「弁」と呼ばれる場所が4か所あり、血液の流れを補助する役割を担っています。それぞれ僧帽弁、大動脈弁、三尖弁、肺動脈弁といいます。

何らかの原因で、弁が固くなったり、形が悪くなる変性が起こったり、弁を支える組織が切れたりすると、弁のところで血液の流れが悪くなったり(狭窄症)、血液の逆流を生じたりします(閉鎖不全症)。弁が正常に機能しなくなることで生じる病気を弁膜症といいます。

弁膜症の種類と原因について

主な弁膜症は「僧帽弁膜症」と「大動脈弁膜症」

湘南厚木病院で手術を多く実施しているのは、主に僧帽弁(僧帽弁膜症)と大動脈弁(大動脈弁膜症)です。それぞれについて、血液の流れが悪くなる「狭窄症」と、血液の逆流を生じる「閉鎖不全症」があります。

弁膜症の中でも患者さんが多くみられるのは、次の4種類です。それぞれの原因についてお話しします。

<僧帽弁膜症>

<大動脈弁膜症>

僧帽弁狭窄症─子どもの頃にかかったリウマチ熱などが原因

僧帽弁狭窄症は、主に、リウマチ熱という病気が原因で発症します。リウマチ熱とは、子どもの頃にA群連鎖球菌に感染することで発症し、高熱を生じる病気です。症状が長引くと、心臓弁に異常が起こる場合があります。しかし、抗菌薬を投与することで症状は治まるため、抗菌薬が使用できる現在の日本では患者さんは減少しています(2019年現在)。僧帽弁狭窄症の可能性が考えられる場合は、診察するときに「子どもの頃に高熱が出てリウマチ熱といわれたことはありますか?」などと聞いて、原因が分かることがあります。そのほかに、透析治療を受けている患者さんにおける僧帽弁輪石灰化により生じることもあります。

僧帽弁閉鎖不全症─弁や弁を支える組織が機能しないことなどが原因

僧帽弁閉鎖不全症は、リウマチ性と非リウマチ性に大別されますが、現在は非リウマチ性が多く、その大部分が、結合組織の退行性病変です。僧帽弁尖の拡大、腱索の延長を特徴とする一連の僧帽弁の病変を、退行性病変もしくは変性性病変と呼びます。それ以外の原因としては、虚血性心臓病、僧帽弁輪の石灰化、感染性心内膜炎などがあります。

大動脈弁狭窄症─生まれつきの二尖弁や動脈硬化などが原因

大動脈弁狭窄症は、主に、生まれつき弁が2枚しかない先天性大動脈弁二尖弁という病気が原因で発症します。また、高血圧などが原因で動脈硬化が起こり、弁が固くなって発症することもあります。

大動脈弁閉鎖不全症─生まれつきの二尖弁や大動脈基部の拡大などが原因

大動脈弁閉鎖不全症は、生まれつきの二尖弁や大動脈基部の拡大などにより発症することがあります。その原因となる病気には、弁輪拡張症などが挙げられます。

弁膜症の症状について

進行すると心不全を発症

弁膜症が進行すると、いわゆる心不全の状態になります。心不全とは、心臓のポンプ機能が低下して全身の血液の循環に影響が及び、さまざまな症状が現れる状態です。どの弁に異常が起こるかによって、症状の出方は異なります。

左心不全の症状─主に息苦しさ

左心(僧帽弁あるいは大動脈弁)に異常が起こり、左心不全になると、肺が血液で満たされてしまうことから、主に息苦しさを生じます。

右心不全の症状─主に足のむくみ

右心(三尖弁あるいは肺動脈弁)に異常が起こり、右心不全になると、血液が体内から心臓へと戻りにくくなるため、主に足のむくみや肝臓の腫れなどを生じます。

心不全以外の症状─不整脈、失神、狭心症など

心不全のほか、弁膜症の種類によって、次のような症状が起こることがあります。

<不整脈>

不整脈は僧帽弁膜症の患者さんに多くみられます。心臓に負担がかかりやすくなるため、心房が不規則に震える心房細動という不整脈が現れることがあります。

<失神>

失神は大動脈弁狭窄症の患者さんに多くみられます。大動脈弁のところで血液の流れが悪くなり、頭へと送られる血液量が少なくなるため、一時的に意識消失する失神を引き起こす可能性があります。

<胸の痛み>

胸の痛みは、大動脈弁狭窄症の患者さんに多くみられます。心臓に酸素や栄養を与えている冠動脈に流れ込む血液量が少なくなることで、胸に痛みを感じる狭心症のような症状が出ることがあります。

弁膜症だけにみられる特別な症状はない

弁膜症はその種類によってさまざまな症状が起こる可能性があるため、必ずしも「この症状が出たら弁膜症」と言いきることはできません。たとえば、弁膜症の症状のひとつである息切れは、弁膜症以外にも狭心症や肺の病気によって引き起こされている可能性があります。

弁膜症の検査について─健康診断で分かることとは?

聴診で分かる「心雑音」

弁膜症がある程度進行していると、健康診断や診察などで「心雑音」を指摘されることがあります。心臓の弁のところで血液が逆流したり、血液の流れが悪くなったりすると、心臓の病気による雑音(心雑音)が聞こえることがあるからです。

胸部レントゲン検査で分かる「心拡大」

企業の定期健康診断などでも行われる胸部レントゲン検査において、心臓が大きいと指摘された場合、弁膜症の可能性が考えられます。弁膜症では心臓に負担がかかってくるため、心臓自体がだんだん大きくなってきます。心臓が大きくなった状態を心拡大といいます。心拡大は、弁膜症ではない別の病気の可能性もありますが、弁膜症を発見するひとつのきっかけになります。

心電図検査で分かる「不整脈」

心電図検査では、波形の異常から不整脈が発見されることがあります。弁膜症になると、心房や心室に負担がかかって大きくなり、脈が乱れやすくなるからです。

弁膜症は健康診断や日常診療で発見できる

聴診、胸部レントゲン検査、心電図検査は、健康診断で誰でも受けられる一般的な項目です。そのため、弁膜症は、日常の診療や健康診断で発見することができます。

また、息苦しさや足のむくみなどを自覚して病院にかかり、発見されることもありますが、息苦しさなどの自覚症状は弁膜症が進行してから現れてくるものです。弁膜症は初期の段階では無症状のため、早期発見するためには、定期健康診断などをきちんと受けておくことが大切です。

読者の方へのメッセージ

弁膜症に限らず、企業や各自治体が実施する定期健康診断を受けることは大切です。しかし、こうした健康診断では限られた検査しか受けられないため、心臓の病気について心配がある方は、人間ドックなどでオプション検査を追加して受けるとよいでしょう。たとえば、湘南厚木病院では心臓ドックを実施しており、一般的な検査項目に加えて心臓のエコー(超音波)検査などを受けることができます。心臓の病気について不安なことがあれば、お気軽にご相談ください。

 

1999年より心臓血管外科医師としてキャリアをはじめる。海老名総合病院、新百合ヶ丘総合病院などを経て、2016年に湘南厚木病院心臓血管外科部長に就任。日々の診療では、患者さん一人ひとりが納得して治療に臨めるよう、充分に時間をとって相談に応じることを心がけている。

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