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弁膜症の手術前後の流れ、術後の注意について

弁膜症の手術前後の流れ、術後の注意について
山本 信行 先生

湘南厚木病院 心臓血管外科部長

山本 信行 先生

目次
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弁膜症の手術の前には、より安全な手術ができるよう、CT検査をはじめとした術前検査を行います。手術のあとは、約2~3週間のリハビリを経て元の生活に戻ることができます。その後は心臓に負担がかかりにくい健康的な生活を送ることが大切です。

今回は、弁膜症の手術前後の流れや、湘南厚木病院の取り組みについて、同院の山本信行先生にお伺いしました。

手術をすることが決まったら、記事1『弁膜症とは? 種類と原因、症状、検査について』でもお話ししたように、術前検査を行います。

弁膜症の術前検査では、主に全身のCT検査、首・心臓のエコー検査、胸のレントゲン検査、採血などを行います。人によって、脳動脈瘤という病気がみられる方や、首のエコーで血管が狭いと指摘された方などは、さらに頭部のMRIを撮影することもあります。

外来診療で術前検査が終わっている場合は、約2日前から入院して全身のチェックを行います。手術の時間は術式によって異なりますが、一般的には6時間前後で終了します。

当科では、手術の翌日からベッドサイドでリハビリテーションを始めます。心臓リハビリテーション(心リハ)を専門に行っているスタッフが担当します。多くの場合、約2~3週間で日常生活に戻れるようにスケジュールを組んで行います。

なお、入院期間には個人差があります。若い患者さんであれば2週間程度で退院する方も多いですが、高齢の患者さんではもっと長く入院することがあります。また、高齢者でも術前の様子がはつらつとしていれば、早めに退院できる方もいます。

弁膜症の手術後は、半年から1年ほどで状態が落ち着いてきます。それまでは、1か月に1回程度の通院が必要です。安定したら、2か月に1回へと頻度を減らします。

弁置換を行ってワルファリンを飲んでいる方は、診察では毎回、採血を行います。それ以外の方は、胸のレントゲン検査や心電図検査を半年に1回程度、心臓のエコー検査を1年に1回程度行います。

弁膜症の手術は、弁形成術と弁置換術のどちらも保険適用されています(平成30年診療報酬点数より)。自己負担額が高額になるため、手術費用は高額療養費で払い戻しが受けられます。また、弁置換術を行った場合、手術のあとは身体障害者1級に認められるため、保険診療による医療費の自己負担分については助成の対象となります。

弁膜症の手術後は、およそ1か月~1か月半で仕事に復帰できます。仕事内容にもよりますが、デスクワークなどは、退院後はご自身の判断で出勤して差し支えありません。

弁膜症は、手術を受ければ完治すると考えている患者さんは多いと思います。しかし、心臓に負担がかかる暴飲暴食や、さまざまな病気の原因となる煙草はやめましょう。弁そのものの機能は改善しており、心不全のリスクも減っているため、生活に制限があるわけではありませんが、健康に気を使って規則正しい生活を心がけてください。

弁膜症の手術を受けていても、一般的なスポーツは問題なくできます。ただし、弁置換を行って、血栓予防薬のワルファリンを毎日飲んでいる方は、けがによる出血に注意が必要であるため、他者と接触するようなスポーツは避けてください。

弁膜症の手術のあと、周囲の方のサポートは必須ではありません。気を使って何でも手伝ってあげるよりも、話し相手になること、重いものを持ってあげることなど、弁膜症に限らないことですが、ささやかな気遣いが大切です。患者さんは元の生活通りに過ごしていただければと思います。

湘南厚木病院 受付の様子
湘南厚木病院 受付の様子

弁膜症の手術後は、定期的な通院が必要です。特にワルファリンを継続して飲んでいる方は、飲むのをやめたり忘れたりすると命にかかわるため、確実に受診していただくようにお話ししています。湘南厚木病院では、予約通りに受診できなかった方には医療事務から電話連絡をするなど、手術を担当する医師以外のスタッフも協力して患者さんをサポートします。

当院は北里大学病院の関連施設として、毎年1回、症例検討会に参加しています。多くの先生方と話し合い、どのような手術を行うべきか検討したり、勉強になった症例を共有したりしています。

また、当院では、動物の臓器を用いて手術を体験するウェットラボを行っています。手術室の看護師向けのウェットラボでは、手技や医師の考え方を体験してもらっています。

手術室、集中治療室、病棟などのスタッフとかかわるなかで、一番大切なのは、医師の考え方が相手に伝わらなければ意味がないということです。病棟ごとのカンファレンスを必ず実施し、治療方針を明確にするよう努めています。そして、複数の医師の間で意見が食い違うということが絶対にないように注意しています。

患者さんから「手術は先生が担当しますか?」と聞かれることがあります。私が診療するときは、手術の説明をした医師が手術も担当するとお答えしています。手術を担当する医師が、責任を持って、患者さんに説明するべきだと考えているからです。

また、手術の一番の目的は、患者さんが元気になって社会復帰することです。結果を運に任せて手術するのではなく、手術のメリットが大きいと判断できるときだけ選択します。術前検査の結果、残念ながら手術はできないと判断することもあります。医師の説明を聞いたうえで、もう少し時間をかけて考えたいというご希望があれば、そうしていただければと思います。

弁膜症の手術について気になることがあれば、遠慮なくご相談ください。

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