院長インタビュー

正確な情報提供と鍛錬を積んだ技術で地域に貢献する西島病院

正確な情報提供と鍛錬を積んだ技術で地域に貢献する西島病院
坂本 真幸 先生

医療法人社団 親和会 西島病院 院長

坂本 真幸 先生

目次
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医療法人社団親和会西島病院(以下、西島病院)は、静岡県沼津市に位置する病院です。同院は、脳神経外科診療を中心に地域に医療を提供しています。また、正確な情報と鍛錬を積んだ技術を提供することを使命と考え、地域への医療貢献を行っています。

地域に貢献する取り組みについて、院長である坂本真幸先生にお話を伺いました。

西島病院 外観
西島病院 外観

現代社会は情報があふれている時代です。しかし、その情報の中から正しい情報のみを選別する難しさを、多くの方が抱えています。

当院は、医療を行うことと同様に、正しい情報を提供することも大切な使命と考えています。

医療に関する情報は提供側と受け手側で予備知識に差があり、提供側が意図する形で受け手側に伝わらないことが問題です。患者さんが最も知りたいのはご自身の病気に対する正確な情報だと思います。したがって、病気の解説はもっとも力を入れた記事になっています。

当院では、正確な情報を提供するとともに、正確な理解が得られるように予備知識の差を徐々に埋めながら理解していただけるように画像や動画を多用しています。このような説明の工夫によって、病気や病態という本来視覚的なものについて、言葉だけで説明するよりも理解が深まると考えています。

当院では、医師から患者さんへの説明の中で曖昧な部分があってはいけないと考えています。

前項で述べたように、インターネットでの情報提供は一般的なものです。個々のケースにおいては、個別性を加味し、外来で時間をかけて患者さんの予備知識の程度と理解度を確認しながら、徐々に理解の溝を埋めていきます。最終的には、提供側と受け手側が病気に対して同じイメージを持つようになることが理想です。

脳神経外科では、脳腫瘍脳動脈瘤などの脳神経疾患に対する手術を行います。脳は運動機能だけでなく、感情・言語・思考など人間性の根幹を担う組織です。そのため脳神経外科の手術では、繊細で正確な手術が求められます。

当科では標準的な手術を行うだけでなく、さらに手術の低侵襲化に努めています。手術の低侵襲化とは、皮膚切開・開頭範囲を可能な限り小さくするといった、目に見える部分だけの努力ではありません。検査データを詳細に検討し、症例ごとの個別性を加味して、同じ内容の手術でも症例ごとに手術操作の最適化を行います。低侵襲手術は結果として、患者さんの体の負担を軽減することにつながります。

当院では先ほど述べた低侵襲手術の代表として、脳動脈瘤に対する小切開・小開頭でのクリッピング術を行っています。

脳動脈瘤とは、脳血管の一部が風船のように膨らんでいる状態です。脳動脈瘤は、破裂することなく一生を終えられる方もいらっしゃいます。しかし一方で、脳動脈瘤が破裂し、くも膜下出血を起こし、後遺症や死につながることもあります。

近年、脳動脈瘤は脳ドックや患者さんの頭痛やものが二重に見える複視などの訴えをきっかけに発見されることが多いです。発見されたとき、患者さんはまさか自分に脳動脈瘤があるとは思っていませんので、非常に不安になります。一方で脳動脈瘤は珍しいものではなく、成人の保有率は2~6%程度と言われていますので、実際のところ検査しないから分かっていないだけで、実際は保有している方は潜在的に多いと思われます。上にも述べたように、脳動脈瘤の破裂率は約1%と低く、破裂せずに一生経過する方のほうが多いです。したがって、脳動脈瘤が発見された場合はいたずらに不安に駆られて治療に踏み切る前に、脳動脈瘤という病気について正しく理解して、冷静に経過観察することも大切です。また、脳動脈瘤はサイズ・形状・存在部位・患者さんの既往によっても破裂率に差があります。そのため患者さんには、ご自身の脳動脈瘤の現在の状態を正確に理解して、どのように対処するかを的確に判断していただきたいです。

当院では、脳動脈瘤についての正しい情報と患者さんの症状ごとに個別に低侵襲手術についてご説明します。最終的な治療の決定は患者さんの自由意志に委ねておりますが、当院では患者さんの意志に寄り添う治療を提供しています。

医師として重要なことは、患者さんに対して正確な情報を提供すること、磨き上げた技術で治療を提供することに尽きると考えています。

脳神経外科を目指す皆さんは、病気や治療方法などの情報を患者さんに正確に伝える力を伸ばす努力が必要です。わかりやすい言葉で説明しても、患者さんが全て正しく理解できるとは限りません。最初の段階では患者さんごとに予備知識の差があるので、予備知識の差を埋めることがもっとも大切です。患者さんがどこまで理解しているか確認しながら、言葉による説明に留まらず、画像や動画なども使用し説明するスキルを高めることも大切です。なぜなら、病気・病態・治療などの情報は言語的なものではなく視覚的なものなので、視覚的に理解する必要があるからです。

脳神経外科医を名乗る医師に脳神経外科の定義を尋ねると私とは違った返事が返ってくると思いますが、個人的に脳神経外科とは、脳腫瘍脳動脈瘤三叉神経痛顔面けいれんといった主たる治療が外科手術である脳神経外科疾患に対して、繊細で正確な手術を提供する診療科だと思っています。脳神経外科医を名乗るのであれば、守備範囲を拡げる前に、標準的な手術を完璧に行えるまで鍛錬を積んでください。

病院7階からの富士山夕景
病院7階からの富士山夕景

脳神経外科手術に必要なことは、操作の繊細さと正確さです。手術機具の操作はミリ単位なので、粗雑な動きは排除する必要があります。顕微鏡下で機械の先端をミリ単位で制御するためには、機械を保持している手がぶれてしまってはお話しになりません。その手を保持しているのは上肢と体幹であるため、手術トレーニング以外に体幹や筋肉を鍛えるための運動を日常的に行うなどの自助努力が必要です。また個人的には、飲酒・喫煙などの習慣も手術のパフォーマンスに影響しますのでしないほうがよいと思います。

このような技術の鍛錬が基礎となって、症例の個別性を考慮し、無駄を排した操作・手順の最適化を行います。その結果として、可能な限り少ない皮膚切開・開頭範囲が定まって低侵襲手術となります。そのための頭脳やセンスは必要です。

近年、医療に関する情報が氾濫し、正確な情報を選び取ることがますます難しい時代を迎えています。当院は地域の皆さんに向け、病気や治療に関する正確な情報を引き続き提供していきます。また、患者さんの理解に応じた正確な説明を行うことを心がけ、地域の皆さんとの間に信頼関係を築いてまいります。

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