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男性ホルモンの影響で起こるAGAの原因と脱毛のメカニズム
日本で「男性型脱毛症」とも呼ばれるAGA(AndrogeneticAlopecia)は、男性ホルモンの作用によって起こる脱毛症の一種です。ヘアサイクルの変化によって毛髪が十分に成長できないまま抜...
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男性ホルモンの影響で起こるAGAの原因と脱毛のメカニズム

公開日 2019 年 05 月 16 日 | 更新日 2019 年 05 月 20 日

男性ホルモンの影響で起こるAGAの原因と脱毛のメカニズム
川島 眞 先生

医療法人社団ウェルエイジング・医療法人翠奏会・医療法人リアルエイジ静哉会 総院長 東京女子医科大学 名誉教授 東京薬科大学 客員教授 

川島 眞 先生

目次

日本で「男性型脱毛症」とも呼ばれるAGA(Androgenetic Alopecia)は、男性ホルモンの作用によって起こる脱毛症の一種です。ヘアサイクルの変化によって毛髪が十分に成長できないまま抜け落ちるため、毛髪の量が少なくなったように感じられます。また、AGAでは、頭頂部または額の生え際、あるいはその両方に脱毛がみられるという特徴があります。今回は、AGAではなぜ特徴的な脱毛が起こるのか、AGAの原因は何であるかについてご紹介します。医療法人社団ウェルエイジング・医療法人翠奏会・医療法人リアルエイジ静哉会 総院長の川島眞先生にお話しいただきました。

AGAの症状と特徴―頭頂部と額の生え際が脱毛する

AGA(Androgenetic Alopecia:以下、「AGA」)とは、男性ホルモンであるテストステロンが主な原因となって起こる進行性の脱毛症です。日本では「男性型脱毛症」とも呼ばれ、主に思春期以降の男性が発症します。一般的には20代終盤から30歳にかけて脱毛の兆候が現れます。

AGAの症状は、一般的には頭頂部と額の両生え際が後退していく形で進行します(MO型)。AGAのタイプによっては、頭頂部のみ(O型)または額の生え際のみ(M型)が脱毛するケースもあります。また、側頭部や後頭部などの毛髪は、ほとんど抜けずに残ることもAGAの特徴です(この理由は後で詳しく説明します)。

男性ホルモンは年齢と共に緩やかに減少しますが、ホルモン分泌量の変化には個人差があり、男性ホルモンが分泌されている間はAGAの症状が進行します。

AGAの脱毛の特徴によるタイプ分類
AGAの脱毛の特徴によるタイプ分類

AGAで脱毛が起こるメカニズム―毛髪のミニチュア化とは?

人の体毛には、ヘアサイクルという毛周期があります。一般的に、毛髪には数年間の成長期と約2週間の退行期、約3~4か月の休止期があり、成長期にある髪の毛は太く・長く伸び続けます。成長期が終わって退行期に入ると、毛髪の成長が止まり、毛球(毛包の深い部分にある膨らみ)が退化していきます。毛球が完全に退化して休止期に移行すると脱毛が始まり、再び毛球の成長が始まります。

一連のヘアサイクルが長い期間をかけて回っていれば、基本的に毛髪量が減少することはありません。ところが、AGAでは、ヘアサイクルにおける成長期の期間が短くなってしまいます。ヘアサイクルの成長期が短い場合、本来太く長く伸びるはずだった毛髪が十分に成長しません。これを「毛髪のミニチュア化」といいます。毛髪が細くて短い状態のまま退行期に入って抜けてしまうので、結果的に毛量が少なくみえます。

正常の発毛サイクルとAGAの発毛サイクルの違い
正常の発毛サイクルとAGAの発毛サイクルの違い

AGAの原因―男性ホルモンの作用と遺伝的要因

テストステロンがジヒドロテストステロンに変化することで脱毛する

AGAは、男性ホルモンの一種であるテストステロンが、Ⅱ型5αリダクターゼという酵素のはたらきによってジヒドロテストステロン(DHT)に変化することで発生します。

ジヒドロテストステロンは、毛乳頭細胞という毛を作る細胞にあるアンドロゲンレセプター(受容体)に結合します。ジヒドロテストステロンが結合したアンドロゲンレセプターが毛母細胞の増殖を抑制することで、毛髪が成長できなくなってしまいます。

なぜ頭頂部と額以外の毛髪は抜けないのか

アンドロゲンレセプターの分布は、同じ人の頭部でも偏りがあります。このため、男性ホルモンに対する感受性が、頭頂部や額とそれ以外の部分(後頭部・側頭部など)では大きく異なります。

頭頂部と額には、アンドロゲンレセプターが多く存在します。一方で、側頭部や後頭部などの毛乳頭細胞にはアンドロゲンレセプターがほとんど存在しないので、ジヒドロテストステロンが結合できません。このため、AGAによる脱毛症は、頭頂部と額の生え際を中心に現れます。

AGAは遺伝する可能性が高い

AGAは遺伝する可能性が高い病気と考えられています。

過去の研究で、若年でAGAを発症した患者さんは、X染色体にあるアンドロゲン受容体遺伝子に変異が目立つことが明らかにされています。アンドロゲン受容体遺伝子に変異があると、男性ホルモンに対する感受性が強くなります。このため、男性ホルモンの影響によって脱毛が起こりやすいと考えられます。

なお、男性は母親からX染色体を受け継いでいるので、男性ホルモンに対する感受性は母方からの遺伝による影響が大きいという説もあります。

AGAの発症にはストレスや生活習慣が関係する?

ストレスとAGAの関係は、ゼロではないと考えます。一般的に、慢性的なストレスを受けた体は自律神経が乱れ、血流が低下します。すると毛髪まで必要な栄養が届かず、毛髪が抜けたり、成長できなかったりすることが予測できます。

また、不規則な食事や偏食、喫煙習慣、睡眠不足なども体の新陳代謝を低下させる要因です。こうした生活習慣を続けると、頭皮の代謝も悪くなり、毛髪の健康を損なう可能性があります。

AGAにおける治療ではジヒドロテストステロンを抑える

AGAの治療では、ジヒドロテストステロンの産生を抑える薬を処方することが一般的です。

ジヒドロテストステロンは、人の発生において欠かすことのできないホルモンで、胎児期における性分化の際に重要な役割を果たします。外性器にジヒドロテストステロンが存在する場合、陰茎・陰嚢に分化し、存在しない場合は陰核・陰唇に分化します。このように、ジヒドロテストステロンは胎児期に必要不可欠な存在です。しかしその一方で、成人以降では脱毛症や前立腺肥大、ニキビなどを引き起こす原因となります。治療中、患者さんの体からはジヒドロテストステロンが出ていないことになりますが、ジヒドロテストステロンが出ないことによる副作用は、現在のところ確認されていません(2019年4月時点)。このような状況から、現在のところは、ジヒドロテストステロンが成人後の体にプラスの影響をもたらす可能性はほとんどないと考えられています。

記事2『AGAの診断のポイントと治療の流れ―治療にかかる期間は?』では、今回説明した内容を踏まえて、AGAの診断および治療の流れと注意点について詳しくお話しします。

治療費について

AGAの治療は全額自己負担です。当院における初診の費用は10,000円(検査費込、税別)、初診以降は11,000円~30,000円(月1回の診察と30日分の医薬品処方の場合)が標準的な費用となります。

東京大学医学部を卒業後、1984年にパリ市パスツール研究所に留学。アトピー性皮膚炎、皮膚ウイルス感染症、接触皮膚炎などの研究に携わり、皮膚がんに関与するヒト乳頭腫ウイルス34型、36型を世界で初めて発見した。その後東京女子医科大学を経て、2018年より医療法⼈社団ウェルエイジング医療法⼈翠奏会医療法⼈リアルエイジ静哉会城西クリニック福岡の総院長に着任。皮膚科医としての視点から、AGAをはじめとして男性のあらゆる健康美を支えている。メンズヘルスクリニック東京所属。

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