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AGAの診断のポイントと治療の流れ―治療にかかる期間は?

AGAの診断のポイントと治療の流れ―治療にかかる期間は?
川島 眞 先生

医療法人社団ウェルエイジング・医療法人翠奏会・医療法人リアルエイジ静哉会 総院長 東京女子医科...

川島 眞 先生

目次
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頭頂部と額に特徴的な脱毛をきたすAGA(Androgenetic Alopecia)の治療は、薬物治療が中心となります。2019年4月現在、日本では2種類の内服薬と1種類の外用薬が認可されており、一人ひとりの患者さんに適した形で治療を進めていきます。記事2では、AGAにおける検査・治療の流れと、治療に関する注意点についてご紹介します。引き続き、医療法人社団ウェルエイジング・医療法人翠奏会・医療法人リアルエイジ静哉会 総院長の川島眞先生にお話しいただきました。

AGAの診断では家族歴・脱毛開始時期・脱毛の場所が重要

問診や頭部の観察を行い、「家族歴」「脱毛が始まった時期」「脱毛している場所と抜け方」の3点が確認できた場合はAGAを疑います。そのうえで、抗がん剤の副作用、円形脱毛症、トリコチロマニア(抜毛症)などのほかの病気による脱毛ではないか、一つひとつ除外診断していきます。3つの要素が確認できて、かつほかの脱毛症である可能性を否定できた場合、AGAと診断します。

AGAの治療の流れ―薬物治療が中心

薬物治療でジヒドロテストステロンの産生を抑える

AGAの治療は、薬物治療が中心です。日本では、2種類の内服薬(フィナステリドとデュタステリド)と1種類の外用薬(ミノキシジル)がAGAの治療薬として認可されています(2019年4月時点)。

記事1で説明したように、AGAの発症や進行にはジヒドロテストステロンが関係します。そのため、体内でなるべくジヒドロテストステロンが作られないようにすることが、基本的なAGA治療の考え方です。

ジヒドロテストステロンが体で作られないようにするためには、テストステロンがジヒドロテストステロンへと変化するために必要な酵素である5αリダクターゼのはたらきを抑える必要があります。日本でAGAの経口投与治療薬として認可されているフィナステリドおよびデュタステリドには、いずれも5αリダクターゼを阻害し、ジヒドロテストステロンのはたらきを止める作用があります。また、ミノキシジルという外用薬(塗布薬)は発毛を促進させる効果があります。この作用によって毛髪の成長期間が長く保たれ、毛量を増やすことが期待できます。

3種類の治療薬のほかには、シャンプーやサプリメントなど、発毛をサポートするヘアケア商品を、必要に応じて併用することがあります。

治療費について

AGAの治療は全額自己負担です。当院における初診の費用は10,000円(検査費込、税別)、初診以降は11,000円~30,000円(月1回の診察と30日分の医薬品処方の場合)が標準的な費用となります。

AGAの治療に関する4つの注意点

AGAの治療では男性機能の低下はほぼ起こらない

当院を受診する患者さんのなかには、フィナステリドやデュタステリドの服用による男性機能の低下を心配される方がいらっしゃいます。しかし、これらの治療薬は、5αリダクターゼに作用して活性型のテストステロンであるジヒドロテストステロンの産生を抑えるものであり、テストステロンそのものに作用する薬ではありません。そのため、AGAの治療薬が直接男性機能に影響するリスクは少ないと考えられます。

治療を始める前に「本当にAGAであるか」を確認する

理想的な治療開始のタイミングは、AGAによる脱毛の症状が現れて頭部の状態が気になり始めた段階です。脱毛が進行してから治療を開始して毛髪を増やすよりも、脱毛が起こり始めた早期段階から治療を開始して毛量を維持するほうが、ご自身の理想とする髪の状態をキープできる可能性が高いと考えられます。実際に、当院には20代前後の若い患者さんも多数受診しています。しかし、AGAではない方に対してAGAの治療を行う必要はありません。不必要な治療は、かえって患者さんの肉体的・経済的負担になります。

AGAではないのに「いつかAGAになるのではないか」という恐怖感を抱いて、AGAの治療を希望される患者さんがいらっしゃることがあります。そのような方には安易に薬を処方せず、恐怖感を取り除くことが大事だと考えます。当院では、医師がAGAの原因や脱毛のメカニズム、診察の結果などを説明したうえで、今は心配する必要がないことをお話ししています。

毛量維持のためには薬を飲み続ける必要がある

AGAの治療によって増えた毛髪の量を維持するためには、男性ホルモンが体内で産生されている間は、薬を飲み続ける必要があります。ただし、維持期以降、または年齢と共に産生される男性ホルモンの量が減った場合は、薬の量を減らすことが可能です。

AGAの治療のゴールは患者さんの満足度によって異なるので、一概にいつまで治療を続けるべきかを述べることはできません。基本的には、毛量を維持するために治療を続けるのか、中止するのかを、患者さんご本人の意思で決めていただきます。もちろん、やむを得ない理由で治療を中断しなくてはならない場合は、ご相談ください。

治療には長い時間をかける必要がある

毛髪には一定のヘアサイクルがあるため、治療薬を飲み始めて直ちに毛髪が増えることは期待できません。

現在行われているAGAの治療は、毛髪が抜けない期間を長くして寿命を延ばすことで、毛量を増やすという方法です。毛髪が生える速度を上げる治療ではないため、速効性のある治療とはいえません。少なくとも「脱毛が止まった」と感じるまでに、通常6か月は服用を続ける必要があります。「毛量が増えた」という実感を得るには、1年間は治療を継続することを推奨します。

もちろん、治療中も定期的に外来診療で毛髪の状態を確認しながら、治療継続の必要性について検討します。治療を受けるべきか悩んでいる方は、悩みすぎる前に医療機関に相談することが大切です。現在、AGAの症状が気になっている方や頭部の脱毛で悩みがある方は、お気軽にお問い合わせください。