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心臓弁膜症に対するMICS(小切開心臓手術)とは?

疾患啓発(スポンサード)

最終更新

2019/07/10

2019 年 07 月 10 日
掲載しました
心臓弁膜症に対するMICS(小切開心臓手術)とは?
柴田 講 先生

NTT東日本 関東病院 心臓血管外科部長

柴田 講 先生

目次
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近年、心臓弁膜症に対して行う弁置換術や弁形成術において、MICS(小切開心臓手術)が行われ始めています。MICSは従来から行われてきた胸骨正中切開に比べて、患者さんにかかる身体的負担を大幅に軽減するだけでなく、心臓手術に対する「恐怖心」の軽減にもつながります。

今回は、MICSを積極的に実施しておられるNTT東日本 関東病院の心臓血管外科部長である柴田講先生にMICSについてお話を伺いました。

MICSとは?

「胸骨を部分的に切る」または「胸骨をまったく切らない」心臓手術

MICS(Minimally Invasive Cardiac Surgery:小切開心臓手術)は、小さな傷で行う心臓手術を指します。

従来から心臓手術は、胸の中央にある胸骨という板状の骨を全長に切開して行う「胸骨正中切開」という方法で行われてきました。しかし胸骨正中切開では、切った胸骨がくっつくまでの数か月間は運動制限があったり、傷の痛みが残りやすかったりする問題点があります。また胸を大きく切開するため、喉元からみぞおちにかけて大きな傷が残ってしまいます。

そこで、胸骨正中切開で行う心臓手術のクオリティは維持したまま、患者さんにかかる身体的負担をできるだけ軽減するために、MICSが登場しました。

MICSには具体的に以下の2つの方法があります。

  • 胸骨部分切開:胸骨を部分的に切る
  • 右小開胸:胸骨をまったく切らない

当院でも、症例によっていずれかの方法を選択しMICSを行っていますが、特に最近では、右小開胸によるMICS を積極的に行っています。右小開胸は胸骨をまったく切らずに行うため、上半身の骨格に影響を与えません。これによって、術後の痛みが少なくて済み、術後早期から体を動かすことが可能です。

肋骨

右小開胸のMICSが適応とならない症例

MICSで行う心臓弁膜症手術では、患者さんの心臓を一時的に止めて行うため、心臓の代わりとなる「人工心肺」という体外循環装置を運転する必要があります。

右小開胸のMICSでは、人工心肺を足の付け根にある大腿(だいたい)動脈から取り付ける必要があります。しかし、大腿動脈から心臓に向かう途中にある腸骨動脈などが、動脈硬化によって狭くなっていたりする場合には、人工心肺の取り付けが困難です。そのため、このような場合には右小開胸のMICSを行うことはできず、胸骨部分切開のMICSを選択します。

そのほか、右肺に重度な肺気腫や縦隔炎の既往がある場合、右の開胸手術歴がある場合にも右小開胸のMICSは適応となりません。

心臓弁膜症に対するMICS