インタビュー

【特集】熱中症の人を見かけたら? 熱中症の症状と処置について

【特集】熱中症の人を見かけたら? 熱中症の症状と処置について
上條 由佳 先生

医療法人社団善仁会 中田駅前泉クリニック 院長、医療法人社団ときわ 理事、横浜市立大学腎臓高血...

上條 由佳 先生

石橋 由孝 先生

日本赤十字社医療センター 腎臓内科部長

石橋 由孝 先生

目次
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暑い夏になると、熱中症になる方も増えてきます。では、熱中症になっている人を見かけたら、どのように対処すればいいのでしょうか?

熱中症では、早期発見・早期処置がとても大切なのですが、そのためには以下の2点が重要です。

  • まずは、熱中症でどのような症状が起こるのかを知る
  • そして、熱中症の人の処置法を知る

そこで、熱中症の症状・処置についてご紹介します。引き続き、日本赤十字医療センターの上條由佳先生にうかがいました。

熱中症は「暑熱環境における身体適応の障害によって起こる状態の総称」と定義されています。つまり、「暑い環境で起こる健康の障害」をまとめて熱中症といいます。

熱中症の症状としては、

めまい、失神(立ちくらみ)、生あくび、大量に汗をかく、ひどく喉が乾く、筋肉痛、筋肉の硬直(こむら返り)、 頭痛、嘔吐、全身がだるい、意識障害、けいれん、体温が高い

などが挙げられます。
熱中症では、早期発見・早期処置により重症化を防ぐことが大切です。

熱中症の人を見かけたら、まずは以下に挙げるような応急処置を行いましょう。

  1. 涼しい場所へ

エアコンの効いた室内や車内、もしくは涼しい日陰に移動するようにしましょう。

  1. 足を高くして寝かせる
  2. 服を脱がして体温を下げる

衣服を脱がして、体の熱を逃がしましょう。

  • 氷や冷たいタオルで、首元・わき・足の付け根などを冷やす
  • 体に水をかけて、うちわ、タオルなどで仰ぐ

なども有効です。

  1. 水分・塩分を補給する

水分と塩分を同時に補給できるスポーツドリンクが有効です。
ただし、意識がない場合や嘔吐がある場合は、水分が気道に入ってしまうことがあるので、むりやり飲ませるのはやめましょう。

熱中症の程度はⅠ度からⅢ度まで3段階に分類されます。

熱中症重症度
熱中症重症度
 

※ この表に載っている症状は、各段階でよく見られる症状を提示するものであり、その重症度においては必ずその症状が起こる、あるいは起こらなければ別の重症度に分類されるというものではありません。

重症度別の対応は、以下のようになっています。

  • Ⅰ度は現場で対処可能な状態
  • Ⅱ度は速やかに医療機関への受診が必要な状態
  • Ⅲ度は採血、医療者による判断により入院(場合によっては集中治療)が必要な状態

つまり、Ⅱ度・Ⅲ度の症状が見られた場合は、すぐに救急車を要請する必要があります。
具体的には、以下の場合はすぐに救急車を要請してください。

  • 意識がはっきりしない場合
  • 自分で水分が補給できない場合
  • 症状が改善しない場合

熱中症の症状は、刻々と変化します。早く異常に気付き、早く処置を行うことで、重症化を防ぐことが大切です。
特に、意識障害の程度、体温、発汗の程度などは、短時間で大きく変化するので、継続的に観察して容態の変化に注意するようにしましょう。
 

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  • 医療法人社団善仁会 中田駅前泉クリニック 院長、医療法人社団ときわ 理事、横浜市立大学腎臓高血圧内科 客員研究員

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  • 日本赤十字社医療センター 腎臓内科部長

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