手術支援ロボット“ダヴィンチ”を用いた僧帽弁形成術が、2018年4月に保険適用されました。それ以前より僧帽弁閉鎖不全症のダヴィンチ手術を実践しているニューハート・ワタナベ国際病院は、患者さんの体への負担を抑える手術方法を追求するとともに、医師の技術向上に力を注いでいます。
今回は、同院における僧帽弁閉鎖不全症のダヴィンチ手術について、総長兼理事長の渡邊 剛先生にお伺いしました。
当院では、僧帽弁閉鎖不全症に対して、手術支援ロボット“ダヴィンチ”を用いた弁形成術を行っています。数か所の小さな穴から患者さんの体内に器具を挿入し、離れた場所でモニターを見ながら、遠隔操作で切除や縫合を行います。患者さんの負担をできるだけ少なく抑えることが期待できる手術です。
僧帽弁閉鎖不全症に対するダヴィンチ手術が保険適用されるまでは、当院では、肋骨と肋骨の間を小さく切り開く小切開手術(MICS)を多く実施していました。しかし、2018年4月に、僧帽弁形成術に対するダヴィンチ手術が保険適用されたことを受けて、MICSを実施できる患者さんに対しては、ダヴィンチ手術での弁形成術を行うようになりました。
保険適用される以前からダヴィンチ手術を導入しているチーム・ワタナベは、これまでに427件の僧帽弁形成術をダヴィンチ手術にて実施しており、ダヴィンチを用いた心臓手術の実施件数は合計で764件となりました(2005年12月~2019年11月)。今後は、さらに多くの手術に対応していくつもりです。
僧帽弁閉鎖不全症が重症化すると、不整脈の一種である心房細動を合併することがあります。このような場合には、僧帽弁閉鎖不全症の治療と同時に“メイズ手術”を行うことで、心房細動も治療することができます。不整脈をなくすことを目的とした、冷凍凝固によって不整脈の源を断つ治療方法で、ダヴィンチ手術での対応が可能です。
当院が実施している、僧帽弁閉鎖不全症に対するキーホール手術とは、肋骨と肋骨の間に4つの小さな穴を開けて行う、手術支援ロボットを用いたいわゆる内視鏡手術です。キーホール(鍵穴)のような小さな穴だけで手術できるので、痛みを抑えられ、出血が少なく、回復が早いといった特徴があります。こちらの手術も、健康保険で受けていただくことが可能です。
ダヴィンチ手術では、カメラなどを小さな穴から挿入し、術者はモニター画面を見ながら、器具のついたロボットアームを操作します。ダヴィンチ手術のよいところは、術者がどのように治療しているか、手術室に入った医療スタッフ全員がモニター画面で共有できる点です。
当院では、私が手術を担当しているときでも、モニター画面を見ている若手の先生や、麻酔科*の先生が、「こちらのほうがよいのではないですか」「前はこのようにしていましたよ」などと提案してくれます。各スタッフが経験を積めば積むほど、相互に意見を出し合いながら「こんなときはどうすればよいか」と検討できる環境がつくられていくのだと実感しています。
手術室に入った全員が手術に関われることは、手術の質を向上させることにつながります。ダヴィンチ手術の特徴は、傷が小さい、出血が少ないといった、体への負担に関することだけではないのです。
*麻酔科標榜医:宮田和人先生
当院では、技術向上のため、若手の教育にも取り組み始めました。ダヴィンチによる治療の様子を共有することで、若手の医師にもより正確に技術を教えることができています。これは、専門病院で同じ病気の治療を数多く経験するからこそ、気付いてきたことです。実際に、私が手術する様子を見た若手の医師は、「先生は次に何をするだろう」「自分の手術では、もっとこうしたほうがよさそうだ」などと考えていて、よい訓練になっているようです。在籍する全ての医師が治療の技術を共有できることは、同じ病気の治療を数多く経験する専門病院ならではの特徴ともいえます。
当院は、心臓の専門病院として、僧帽弁閉鎖不全症に対する治療の経験を重ねてきました。だからこそ、これから手術を検討する患者さんをはじめ、すでに手術を受けることを決めている方も、気になることがあれば、私たちにご相談いただけたらと思います。
当院のホームページに、患者さん専用の窓口を用意していますので、ぜひそちらにお問い合わせください。メールについては即日返信しており、直接私がお答えいたします。
また、セカンドオピニオンも受け付けています。すぐにお話を伺えるように、紹介状をお持ちいただく必要はありませんので、お気軽にご相談ください。
お問い合わせの際はメディカルノートのこちらの記事を見た、とお伝えいただくとスムーズです。
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ニューハート・ワタナベ国際病院 総長
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日本外科学会 指導医・外科専門医日本胸部外科学会 指導医日本循環器学会 循環器専門医
ドイツ・ハノーファー医科大学心臓血管外科留学、金沢大学第一外科教授、東京医科大学心臓外科兼任教授、国際医療福祉大学教授などを経て、2014年にニューハート・ワタナベ国際病院総長。
心臓疾患におけるロボット手術のスペシャリスト。これまでにロボット心臓手術は850例以上、合計5000以上の手術経験を持ち、その成功率は99.5%以上と圧倒的な成功率を誇る。
渡邊剛先生のHP(http://doctorblackjack.net)
ニューハート・ワタナベ国際病院のHP(https://newheart.jp)
渡邊 剛 先生の所属医療機関
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