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乳がんの症状・原因について 早期発見するためには?

乳がんの症状・原因について 早期発見するためには?
河野 範男 先生

医療法人財団 神戸海星病院理事長、乳腺外科部長

河野 範男 先生

目次
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誰でもなり得る可能性があるという乳がん。どのようなものが原因となり、さらにはどのような症状が現れるのでしょうか。また、早期に発見するために、日頃からできることはあるのでしょうか。

本記事では、医療法人財団 神戸海星病院の理事長である河野範男先生にお話を伺いました。

乳房は、皮膚や脂肪からなる皮下組織、乳管や小葉からなる乳腺組織からできています。さらに、乳腺は、乳頭を中心に15〜20個それぞれ独立して、乳管を介して小葉につながっています。

一般的にいわれる乳がんの90%近くは、乳管にできる乳管がんがほとんどであるといわれています。残りの5~10%近くは、小葉にできる小葉がんと特殊型といわれるいくつかの種類のがんがあります。そのほか乳腺を取り囲む間質*という組織に生じる肉腫もありますが、少数であるといわれています。

*間質…繊維組織、リンパ管、血管などからなる

乳がんは、30歳代から増加し、40歳代後半〜50歳代前半で罹患率が高くなります。ただし、まれに20歳代でも乳がんを発症する方もいます。

近年、乳がんは早期に発見し、適切な治療を受けることで、良好な経過が期待できるとされています。それは、乳がんは均一な病気ではなく、がん細胞を遺伝子レベルの変化を基盤とするサブタイプ分類がなされ、そのサブタイプごとの治療法が進歩してきているためだと考えられます。乳がんは、早期に発見すれば過度に怖がる必要はなくなってきています。そのため、日頃から自己検診を行ったり、定期的に検診を受診したりするようにしましょう。

乳がんは、定期的な検査で発見される場合も、自分で異変を感じて受診したことから発見される場合もあります。重症化することを防ぐために、普段からどのような症状や異変に気をつけるべきなのかを知っておくことが大切です。また、異変を感じたらすぐに病院を受診しましょう。

しこり

乳房のしこりは、乳がんの症状の中でも多くみられる症状です。また、症状が進行してくると、しこりが大きくなることから自己発見しやすい症状の1つでもあります。しかし、しこりが症状として現れる病気には乳腺症*や線維腺腫**などの病気の場合もあるため、きちんとした見極めをするためにも病院を受診するようにしましょう。

*乳腺症…痛みを伴うことが特徴で、乳腺の病気の中でも多いとされている良性の病気

**線維腺腫…可動性があるしこりであることが特徴で、良性の30歳以下の若い方に多い腫瘍

乳房にえくぼのような窪みや皮膚の変化

乳がんは、時として乳頭や乳房の皮膚に変化をもたらすことがあります。

たとえば、乳がんが発生する場所によっては、乳房にえくぼのようなへこみやひきつれが起きたり、乳頭や乳輪部分に湿疹やただれなどの症状が現れたり、皮膚が赤く腫れたりすることがあります。ほかにも、乳頭から血が混じったような分泌物が出ることもあります。

特に、乳頭や乳房の皮膚に起こる変化は患者さん自身でも気づきやすいため、日頃から自己検診を行いましょう。

乳房周辺のリンパ節の腫れ

乳がんの場合には、(わき)の下にあるリンパ節や胸骨のそばにあるリンパ節、さらには鎖骨の上にあるリンパ節など、乳房の近くにあるリンパ節にリンパ行性転移が起こる可能性があります。それらの乳房の近くにあり、転移しやすいリンパ節を領域リンパ節といいます。

通常は、領域リンパ節に転移があっても自覚症状がないことがありますが、病状が進行して、がんがリンパ管を閉塞した場合には腕がむくんだり、乳房が炎症のように赤く腫れたり、さらにひどくなるとがんが神経を圧迫し腕などに痺れなどの症状が起こることもあります。

乳がんは、領域リンパ節以外の胸腔内や対側のリンパ節など、遠隔のリンパ節に局所的に再発することがあります。これを、遠隔リンパ節転移といいます。また、骨、肺、肝臓などの血液の流れが豊富な場所への転移を遠隔転移のなかでも血行性転移と呼び、転移した臓器により症状は異なります。

転移しやすい部位の1つとして骨が挙げられますが、骨の場合には骨の痛みで骨転移と診断されることがあります。また、肺の場合は、腫瘍マーカーの上昇のみで無症状のことが多いのですが、咳や息苦しさを感じることがあります。肝臓に転移した場合は、同じく腫瘍マーカーの上昇のみで、比較的症状が出にくいのですが、がんが大きくなると肝機能障害や腹部の膨満感を感じることがあります。

また、脳転移では脳圧が高くなることで吐き気やめまいが現れ、脳の支配域に特有の症状が認められることがあります。副腎や縦隔内リンパ節への転移など、臓器によっては症状があまり現れないこともあります。

乳がんの発症には、エストロゲンという女性ホルモンが大きく関与していることが分かってきています。エストロゲンの分泌期間が長いほど乳がん発症のリスクが高まります。以下の項目はエストロゲンの分泌期間を長引かせる原因の一例です。

  • 初潮が早かった
  • 閉経が遅かった
  • 初産年齢が遅かった
  • 授乳経験がない

ほかにも、飲酒や閉経後の肥満、日常的に体を動かす機会が少ないなどの生活習慣の観点、さらには閉経後のホルモン補充療法などについても、薬剤により乳がんのリスクを引き上げる可能性がありますので婦人科医とご相談ください。

乳がんの発症要因について述べてきましたが、日頃から定期的な検診の受診や自己検診を行うことで自分の身を守りましょう。

乳がんは、自分で見たり触ったりすることで、変化に気づくことができるがんです。そのため、定期的に自己検診を行うことで、早期発見につながることがあります。

自己検診とは、病院で行う検診ではなく、自分で見たり触ったりすることで検診を行うことです。

目で見てチェックを行う場合には、鏡の前で腕を下ろした体勢やばんざいをした体勢、頭の後ろで手を組んで前かがみになった体勢など、さまざまな角度や体勢で乳房を見ることが発見のポイントになります。

触ってチェックを行う場合には、チェックする乳房側の腕を上げ、親指以外の指の腹で乳房を押し付け、“の”の字を書きながら触っていきます。その際に、しこりに触れないかを確認します。また、月経の時期には胸が張りやすくなっているため、張りが引く月経が終わってから1週間後を目安に自己検診を行うことがよいとされています。

近年、乳がん患者さんは増加しています。しかし、乳がんは早期に発見し適切な治療を受けることで、良好な経過をたどるとされています。特に、薬物療法においては、さまざまな薬が開発されたことにより、治療法の選択の幅も広がったことなどが良好な経過をたどるとされている理由です。

そのように、早期発見が予後に関わるとされるなかで、気になる自覚症状がある場合には、速やかに病院を受診しましょう。また、定期健診で自覚症状がない方にも乳がんが早期に発見されることもあるため、身近な問題として考えることが大切です。

手術時に体のどこかに存在していた目に見えないほどのがんが、時間の経過とともに手術部位やほかの臓器で目に見えてくることを再発といいます。一方で、転移とは、がん細胞が最初に発生した場所から、血液やリンパ液によって別の臓器や器官に運ばれて、そこで増えることをいいます。そのため、再発は時間の経過を加味したうえで転移があっての再発です。

再発が起こりやすいとされているのは、乳がんの手術後、2〜3年以内であるといわれています。しかし、まれに5年以上たってから再発する方や、10年以上たってから再発する方もいるため、注意深く経過を観察し、気になる症状や異変を感じたら病院を受診しましょう。

乳がんは、比較的早期の段階から転移が起こりやすいがんであるとされており、転移した先の臓器で起こる症状からがんの再発が診断されることがあります。

一般的にがんが転移する方法には、リンパ液の流れに乗りリンパ節に転移するリンパ行性転移と血液の流れが多い臓器に転移する血行性転移があります。乳がんは、がんに近いリンパ節や血液の流れが豊富な骨、肺や肝臓に最初に転移が生じることが多いとされており、まれに脳に転移することもあります。それらの臓器や場所に転移してから、転移した先の臓器で起こる症状や異変でがんの再発が診断されることもあるため、注意が必要です。

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