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3病院の心臓血管外科で目指す“働き方改革”とは? 病院の垣根を越えたチーム医療で心臓手術の質向上を

3病院の心臓血管外科で目指す“働き方改革”とは? 病院の垣根を越えたチーム医療で心臓手術の質向上を
田端 実 先生

虎の門病院 循環器センター外科 特任部長、東京ベイ・浦安市川医療センター 心臓血管外科 部長

田端 実 先生

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心臓外科医の田端実先生は、東京ベイ・浦安市川医療センター心臓血管外科部長として、2013年10月からゼロからの心臓血管外科立ち上げを主導し、TAVIやMICSを含めた幅広い心疾患治療を行うハートチーム*を作り上げました。心臓手術の技術を追うだけではなく、より効率的に治療を行うための体制や業務システムの構築に注力していることが特徴です。2019年4月からは、虎の門病院の循環器センター外科特任部長を兼任され、“病院の垣根を越えたチーム医療”を掲げています。そして2019年6月、東京ベイ・浦安市川医療センターと虎の門病院、聖路加国際病院の心臓血管外科による“ハートアライアンス”を立ち上げました。3つの病院が連携することで、これまで1つの病院ではできなかった業務効率化、働き方改革を突き進め、手術成績のさらなる向上を目指しています。田端実先生に“ハートアライアンス”についてお話しいただきました。

*チームの取り組みについては、「東京ベイ・浦安市川医療センター、ハートチームの挑戦」をご参照ください。

東京ベイ・浦安市川医療センターと虎の門病院、そして聖路加国際病院の3病院の心臓血管外科(虎の門病院は“循環器センター外科”)で、ハートアライアンスというグループを作りました。主な目的は、外科医やその他医療スタッフの“働き方改革”、業務効率化を研究して、それを実践、普及することです。

これまで、東京ベイ・浦安市川医療センターと聖路加国際病院の心臓血管外科は、それぞれ院内で新しい業務体制を取り入れ、より効率的なシステムの導入や心臓血管外科医の“働き方改革”に取り組んできました。ある程度の成果が出たことは確かですが、1つの病院では限界があると感じ、自然と2つの病院の連携が始まりました。

2019年4月から私が虎の門病院の循環器センター外科特任部長を兼任することとなり、虎の門病院を加えた3病院の心臓血管外科が連携して、本格的に業務効率化と"働き方改革"に取り組んでいます。

東京ベイ・浦安市川医療センターでは、集中治療医が夜間休日を含めて術後管理を担っており、手術後に外科医が夜通しベッドサイドに張り付くということがありません。ただし、緊急手術は外科医にしかできません。

外科医がいつ何時でも緊急手術に対応する姿はドラマなどでかっこよく描かれがちですが、あなたがもし心臓手術を受ける場合に、夜通し緊急手術を行い疲弊した外科医に手術をしてもらいたいでしょうか?

実際に、"睡眠不足は飲酒時と同じくらい注意力が低下する"ことを示唆する研究結果もあり、夜通しの勤務が続くと日中の手術やその他の診療の質が低下することが予測できます。効率的で無理のないオンコールの体制を作って、外科医や手術に関わる医療スタッフがしっかりと休息をとる時間を確保することが重要なのです。

一般的に、心臓や大動脈の緊急手術は、通常2名か3名の外科医で行います。現状では各病院で毎日緊急手術に対応できるよう、2~3名のオンコール*体制を取っています。緊急手術が来ない日も各病院で2~3名の外科医を拘束することは非効率的ですし、実際に3病院で同時に緊急手術ということはきわめてまれな事象です(2019年12月現在)**

そこで、オンコール医師の一部を3病院で共有化すること、さらには緊急心臓手術に対応していない他の病院に所属する外科医にも、3病院の緊急手術を支援してもらうシステムを構築中です。このシステムは病院が強制するものではなく、心臓外科医の自由な参加意思に基づいて成り立つものですし、このシステムに加わる外科医は緊急手術において高い手術手技を備えていることが前提です。

現在は、東京ベイ・浦安市川医療センターのオンコールシフトに他病院の外科医が入って、“働き方改革”への効果を評価しているところです。

また、同じ病院にて連日あるいは1日に何件も緊急手術となると、外科医だけでなく麻酔医や手術室スタッフも疲弊します。そのような場合に、3病院間で円滑に連携し、速やかに患者さんを搬送して手術を行うシステムを整えつつあります。時と場合に応じて医師が動くまたは患者さんが動くことで、患者さんと医療者両方にとって最善の手術環境作りを目指しています。

*患者さんの緊急搬送時に備えて、勤務時間外に医師をはじめとした医療従事者が待機していること。

**現在の実態とは異なる場合があります。

手術標準化のためのミーティングの光景
手術標準化のためのミーティングの光景

2019年12月現在、3病院の心臓血管外科で取り組んでいることとして、手術の標準化があります。全ての手術手技を統一することは困難ですが、ドレープ(手術の際に患者さんの体を覆う清潔な布)の形や貼り方、人工心肺の回路、開胸・閉胸などの基本手技は3病院で標準化することができると考え、標準化に向けてワーキンググループを立ち上げました。

手術の基本的な要素を標準化すれば、いつ、誰が、どの病院で、誰と手術をすることになっても違和感が生じません。心臓外科医はもちろん、看護師や臨床工学技士などのコメディカルも、スムーズに手術を行うことができるでしょう。緊急手術で医師が行き来しても、皆がいつもと同じように手術できるようになり、より安全で効率的になると考えています。医師、特に外科医は自分独自のやり方にこだわる傾向があると思っていますが、医師によってやり方が異なると業務が煩雑になり、ミスが起こりやすくなります。医師のこだわりも他の医師に浸透できないのであればそれをいったん見直して、よいこだわりを全員で共有するべきではないでしょうか。

さらに、現在取り組んでいることとして、メディカルイラストレーターやデザイナーと共に、新しい手術説明資料を作成しています。現在使用している資料は、文字数や難しい単語が多く、とても分かりやすい資料とは言えません。新しい資料では、分かりやすいイラストが多く使用され、文章は最小限かつ理解しやすい表現となり、さらに書き込みスペースが十分あって、個々の患者さんに対するオーダーメイドの説明資料にすることができます。見やすさにこだわった色やデザインを使っていることも特徴です。分かりやすい資料を作ることは、何より患者さんと医師の距離を縮めることに役立ちますし、医師の説明時間の短縮にもつながります。もちろん、これらの資料はハートアライアンスの病院で共有するので、どの医師がどの病院でも同じように手術を説明できるようになります。

このほか、医師がどこにいても治療方針について話し合えるオンラインカンファランスの促進や、若手医師や診療看護師の教育カリキュラムの標準化などにも取り組もうとしています。また、ハートアライアンスでは、麻酔科医が心臓麻酔の相互支援や標準化に取り組みはじめています。看護師や臨床工学技師も自主的にワーキンググループを立ち上げて、手術の質向上に取り組んでいます。

心臓手術でよい結果を出すには、もちろん外科医の技術が重要ですが、それを最大限生かせるチーム体制やシステム作りが欠かせません。これまで各々の病院が院内でのチーム医療体制作りに努力してきました。これからは、院内チームに加えて病院の垣根を越えたチームを作り、患者さん、医療従事者、病院、社会の4者にとって有益かつ持続可能な体制を作っていきたいです。そのために、これまでの常識やしきたりにとらわれず、革新的なアイデアと行動力で勝負していきます。

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