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変形性膝関節症における人工膝関節置換術について解説

変形性膝関節症における人工膝関節置換術について解説
髙原 康弘 先生

日本鋼管福山病院 整形外科 科長

髙原 康弘 先生

目次
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膝関節の変形が大きい患者さんや、痛みが強く歩行が困難な患者さんに適応されている人工膝関節置換術。人工膝関節置換術とは、どのような特徴があり、どのような経過をたどるのでしょうか。

今回は、日本鋼管福山病院の髙原 康弘(たかはらやすひろ)先生に人工膝関節置換術についてお話を伺いました。

人工膝関節置換術とは、変形が大きく痛みが強いために歩行が困難な患者さんの膝関節を、膝関節の代わりとしてインプラントと呼ばれる人工の膝関節に置き換える手術方法です。

まれに、下肢深部静脈血栓症肺塞栓症、感染などの合併症を引き起こしてしまうこともありますが、痛みをなくすことが期待できるため、生活の質を改善するという点では優れた治療法であると考えます。

人工膝関節置換術には、主に人工膝関節全置換術と人工膝関節単顆置換術の2種類があります。

人工膝関節全置換術(じんこうひざかんせつぜんちかんじゅつ)

かつて人工膝関節置換術のなかで主流とされていたのが、膝関節の内側と外側をまとめて人工の膝関節に置換する人工膝関節全置換術です。

人工膝関節全置換術の特徴は、変形の大きさや年齢、体型などに関係なく受けることができるため、手術を受けることができる対象者が幅広いことが挙げられます。

人工膝関節置換術.

人工膝関節単顆置換術(じんこうひざかんせつたんかちかんじゅつ)

人工膝関節単顆置換術は、痛みの少ない膝関節の外側は温存して、すり減っている内側だけを人工の膝関節に置き換える術式で、近年取り入れられることが増えています。

人工膝関節単顆置換術には適応条件が定められており、手術後の活動性が高くないこと、肥満体型ではないこと、膝関節の変形が内側あるいは外側のどちらかであること、などが挙げられます。また、人工膝関節全置換術よりも、比較的自然な膝関節に近い動きを再現することが可能です。

人工膝関節単顆置換術

人工膝関節置換術は、やや膝関節の動く領域が狭くなってしまうため、正座ができないなどの多少の制限はありますが、痛みが軽減されるのが特徴といえます。また、耐用年数も2019年11月現在は20年程度に延びており、生涯に渡り再度手術を行わなくてもよい患者さんもいらっしゃいます。

人工膝関節置換術を受けた後は、膝関節の安定性を保つためにリハビリテーションをしっかりと行っていくことが大切です。リハビリテーションや、患者さんごとに適した量の運動を行わないと、筋力が低下してしまったり、関節が硬くなってしまったりすることがあります。

そのため、当院ではリハビリテーション科と連携し、理学療法士および作業療法士が積極的なリハビリテーションを行っています。また、人工膝関節置換術を受けた患者さんのリハビリテーションにおいては、基本的に手術の翌日から行い、立位や歩行練習、関節可動域訓練、筋力増強訓練などを行います。

人工膝関節置換術は、自分の膝をインプラントに置き換える治療であるため、患者さんによっては違和感を訴える方もいらっしゃいます。私は、そのような患者さんのためにも、人工膝関節で自然な動きの再現を目指していきたいと考えています。

しかし、人工のインプラントで自然な動きを再現するのは簡単なことではありません。そのため、膝関節の曲げ伸ばしや回旋運動などの特徴的な動きをより自然な動きに近づけるためには、どのようにしたらよいのかを検討していきたいと考えます。

また、人工膝関節置換術の術後は高い活動性を望むことができないため、スポーツへの復帰などは難しいとされています。今後、スポーツへの復帰を期待できる人工膝関節のインプラントはあるか、または術式があるかという観点においても、考えていきたいと思います。

当院では、リハビリテーション科と積極的な連携を図ったり、患者さんの病状に合わせて必要な処置を行ったりすることを大切にしてきました。特に、リハビリテーションで体操や散歩、膝関節の曲げ伸ばしなどをしていただくことで、関節が硬くならないように患者さんにも協力いただいています。そのため、当院ではこれからも治療を終えた患者さんの生活を考え、患者さん一人ひとりに合わせた治療やリハビリテーションを取り入れていきたいと思います。

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