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大腸がんは早期に発見して治療をすることが大切——​​大腸がんの特徴や検査、治療について解説

大腸がんは早期に発見して治療をすることが大切——​​大腸がんの特徴や検査、治療について解説
山下 浩子 先生

河北総合病院 消化器内科副部長 内視鏡室室長

山下 浩子 先生

目次
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大腸がんは、早期発見、早期治療で完治に至る可能性が高くなります。また、大腸がんにおいても胃がんと同様に早期段階では症状が現れにくく、発覚したころにはがんの状態が進行してしまっていることも少なくありません。粘膜に直接がんが発症する場合もありますが、良性ポリープから発症することもあるので、大腸がんになる前にポリープを切除しておくことも大腸がんを防ぐポイントになるといいます。

大腸がんにおいても、早期の場合は内視鏡を用いた治療で、患者さんにとって負担が少なく治療を受けることができます。

今回は、河北総合病院の山下 浩子(やました ひろこ)先生に、大腸がんの特徴や検査、治療についてお話を伺いました。

大腸は、お腹の右下から始まり肛門につながっている管状の臓器のことを指し、結腸(けっちょう)直腸(ちょくちょう)に分かれています。結腸は盲腸、上行結腸、横行結腸、下行結腸、S状結腸からなっており、直腸は直腸S状部、上部直腸、下部直腸からなっています。大腸は、主に水分を吸収する役割を担っており、便を固形化するはたらきがあります。

大腸の位置

大腸がんには、大きく分けて結腸にできるものや直腸にできるもの、肛門にできるものの三つに分けられています。それらの部位にできた腺腫(せんしゅ)といわれる良性のポリープ*ががん化したり、粘膜に直接発生したりすることで、大腸がんが発生します。

大腸がんの発症は、やや男性の方が多いですが、性別に大きな差はないといわれています。年齢は大腸がんの発症に関与していると考えられており、年齢を重ねるごとに大腸がんを発症する確率も増えていきます。

*ポリープ:粘膜にイボのような隆起ができている状態のこと

初期の大腸がんは症状が見られないことが多く、進行するにつれて症状が出てきます。進行してくると、血便(けつべん)*下血(げけつ)**、お腹が張るなどの症状が現れることがあります。そのため、症状が現れる前に定期的にがん検診などを受け、がん化する前段階になりうるポリープの治療を行ったり、大腸がんでも早期の段階で発見し治療を行ったりすることが大切です。

*血便:便に血が混じること

**下血:消化管が出血を起こすことで黒や赤黒い色の便が出たりすること

大腸がんの発症要因には、食生活や肥満、運動不足などの生活習慣のほか、遺伝なども関わっているとされています。特に近年では、脂肪分の多い食事や繊維の少ない食事などの食の欧米化が進んでおり、これもひとつの要因になっていると考えられています。

がん検診ではまず便潜血検査を行い、この検査で便潜血陽性が確認された場合には、精密検査として大腸内視鏡検査などを実施します。また、当院では河北健診クリニックで便潜血検査を行い、必要と判断された場合は当院で大腸内視鏡検査・治療を行える仕組みになっています。

便潜血検査は、一般的に“検便”といわれるもので、便に血液が含まれているかどうかを検査するために実施されます。便潜血検査は2日に分けて行われることが多く、2日のうち1日でも陽性が出た場合は大腸内視鏡検査を行います。便潜血検査は大腸がんを発見するためには必要な検査であるといえます。そのため、「2回のうち1回しか陽性になっていないから大丈夫」と言って大腸内視鏡検査を拒否したりせずに、きちんと検査を受けましょう。

大腸内視鏡検査は、先端にカメラがついたスコープと呼ばれる管を肛門から入れて検査を行う検査方法です。ポリープなどの大腸がんにつながる可能性のあるものが発見された場合には、その病変がある部分を一部取って病理診断に出したり、全体を切除したりすることもできます。

今までは、便潜血検査の結果が陽性であった場合には、注腸造影検査を行われることが主流でしたが、近年では内視鏡の技術が進歩したことによって大腸内視鏡検査を取り入れることが多くなってきています。

大腸がんの治療方針は、がんの進行度とステージ、体の状態によって決められていきます。

大腸がんの深達度

大腸の壁は、内側から粘膜、粘膜下層、固有筋層、漿膜下層(しょうまくかそう)または外膜、漿膜(しょうまく)の順で構成されており、どこまでがんが深く広がっているかを見るものです。

  • Tis :がんが粘膜内にとどまっている状態
  • T1 :がんが粘膜下層にとどまっている状態
  • T2 :がんが固有筋層にとどまっている状態
  • T3 :がんが固有筋層は超えているが、漿膜下層または外膜までにはとどまっている状態
  • T4a:がんが漿膜を超えた深さに到達している状態
  • T4b:がんが大腸周辺にあるほかの臓器にまで到達している状態

がんの深達度

大腸がんのステージ分類

大腸がんのステージは0〜Ⅳ期までに分類され、深達度のほか、リンパ節への転移などがあるかどうかによって決められていきます。

大腸がんのステージ分類

大腸がんのステージ分類

大腸がんの治療には、内視鏡治療や外科的手術、薬物療法、放射線治療などの治療法があります。治療方法は、深達度やステージだけでなく、患者さんの状態も踏まえたうえで選択していきます。

大腸内視鏡治療

大腸内視鏡治療は、肛門から内視鏡を入れて、大腸に発生したポリープやがんを切除する方法です。

大腸内視鏡治療は、基本的にステージ0〜Ⅰ期で、深達度がT1程度の比較的早期であると考えられる患者さんに対して行われます。大腸内視鏡治療には、EMR(Endoscopic mucosal resection:内視鏡的粘膜切除術(ないしきょうてきねんまくせつじょじゅつ))やESD(Endoscopic submucosal dissection:内視鏡的粘膜下層剥離術(ないしきょうてきねんまくかそうはくりじゅつ))のほか、ポリペクトミーという方法もあります。

ポリペクトミーとは、内視鏡の先端からリング状のワイヤーを出し、隆起した形の病変部分を締め付けた後に高周波電流で焼き切る方法です。近年では、コールドポリペクトミーといってワイヤーで切り取るだけの方法もあります。

また、大腸内視鏡検査ではポリープが発見された場合には、その場で切除できるため、検査回数を重ねるという負担を減らすことができます。当院でも検査時に処置ができる場合には、可能な限り検査と処置を一緒に行っています。

※EMR(Endoscopic mucosal resection:内視鏡的粘膜切除術)、およびESD(Endoscopic submucosal dissection:内視鏡的粘膜下層剥離術)の詳細については、『胃がんは早期に発見して治療をすることが大切——胃がんの特徴や検査、治療、ピロリ菌の除去について解説』をご覧ください。

内視鏡治療と腹腔鏡下手術の違い

患者さんに内視鏡治療のご説明をする際、「内視鏡治療と腹腔鏡治療の違いは?」とご質問いただくことも少なくありません。腹腔鏡下手術は、内視鏡治療とは異なり、お腹に数か所程度の穴を開けて、そこにポート*と呼ばれる治療器具を入れたうえで行われる治療です。それに対して、内視鏡治療は傷を残すことなく、治療が可能です。

*ポート:メスなどを入れる通路となる筒状の腹腔鏡下手術の器具のこと

当院は、河北健診クリニックと連携しています。河北健診クリニックでは、人間ドックや健康診断を専門に行う施設として機能しており、もし病気が見つかった場合や精密検査が必要な場合には、当院を受診できる診療体制を整えています。

大腸がんは早期に発見して治療を行うことで、完治に至る可能性が高くなります。しかし、早期の大腸がんでは症状が現れないことも多く、発見されたころにはある程度進行してしまっていることも少なくありません。そのため、定期的にがん検診などを受けて、早期の段階で発見できるように努めることが大切です。

当院では、透析患者さんの受け入れを行っていたり、さまざまな診療科を整えたりしているため、いくつかの病気を併発していても診療科同士の協力のもと、総合的な診療が可能です。ぜひ、定期的な健康診断やがん検診の受診を心がけ、またすでに気になる症状がある方は早めに医療機関を受診しましょう。

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    山下 浩子 先生

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