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手などにふるえの症状が起こる本態性振戦は、パーキンソン病など他疾患との鑑別が重要

手などにふるえの症状が起こる本態性振戦は、パーキンソン病など他疾患との鑑別が重要
津川 隆彦 先生

医療法人偕行会 名古屋共立病院 副院長(集束超音波治療センター・センター長 名古屋放射線外科セ...

津川 隆彦 先生

若林 俊彦 先生

名古屋共立病院 集束超音波治療センター 顧問

若林 俊彦 先生

目次
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手足のふるえ、頭、または声などのふるえは、さまざまな理由で起こり、生理的現象によるものから、病気の症状の一つとして現れるものまであります。ほかの病気など特定の原因がなく、ふるえのみを症状とする本態性振戦(ほんたいせいしんせん)を正しく診断するためには、パーキンソン病などふるえを症状とするほかの病気との鑑別が不可欠です。

今回は、名古屋共立病院 集束超音波治療センター センター長 津川 隆彦(つがわ   たかひこ)先生、名古屋共立病院 集束超音波治療センター 顧問 若林 俊彦(わかばやし  としひこ)先生に、本態性振戦の検査や診断についてお話を伺いました。

津川先生:

ふるえは、疲労や興奮、緊張といった生理的な状態の変化で生じることがあります。一方、低血糖甲状腺機能亢進症などの内科的疾患でふるえが出現することもあります。また、中枢神経から末梢神経を含む、運動に関する神経機構の障害でも起こります。

津川先生:

当院を受診される患者さんのなかには、10年や20年も前から手などにふるえがあるという方がいます。また、ふるえは一般的によくみられる症状であるため、それが本態性振戦という病気である可能性や、治療できるふるえがあることがよく知られていないという状況もあります。

だからこそ、私たちは本態性振戦の患者さんに対して、そのふるえは“治療できる症状である”ということをお伝えしたいです。

若林先生:

ふるえの症状があってもご自分が本態性振戦だという自覚がない、潜在的な患者さんは非常に多いと考えられます。そこで、“ふるえ”というキーワードをきっかけに受診に結びついていただきたいという考えから、名古屋共立病院では“ふるえ外来”という名称を掲げて本態性振戦の患者さんの診療を行っています。

津川先生:

パーキンソン病のふるえは安静時にみられ、動作を開始すると減弱します。また、本態性振戦に比べ、ゆっくりとしたふるえです。一方、本態性振戦のふるえは両側でみられることが多く(左右差がみられる場合もあります)、一定の姿勢をとっているときや何か動作をするときに起こり、精神的な緊張などによって増強します。

津川先生:

最初のふるえが始まった時点では本態性振戦と言い切ることは難しく、本態性振戦であることを診断するためには、その他の原因となる病気がないことが大きな判断基準です。そのほか、家族歴があることも診断の参考となります。

また、ある程度長い期間、症状が続いていて、かつパーキンソン病を疑うようなほかの症状がないということも診断の一つのポイントになります。パーキンソン病を疑う症状としては、ふるえのほかに寡動(かどう)(動きが鈍く小さくなること)、筋固縮(きんこしゅく)(筋肉がこわばり、体がスムーズに動かなくなること)、そして、進行例では姿勢反射障害(体のバランスがとりにくくなること)があります。本態性振戦では、ふるえ以外の症状は起こりません。

先生方

津川先生:

まず、診察でふるえの症状を評価します。本態性振戦では字を書くときにふるえが出ることが多いため、当院では、字や図を書いてもらう“書字テスト”などを行っています。そのほか、ふるえを起こすようなほかの病気がないことを確認するためにMRI、CTなどの画像検査を行います。さらに当院では、パーキンソン病との鑑別のため、名古屋大学医学部附属病院と協力して、ドーパミントランスポーターシンチグラフィ(DaT SPECT)と呼ばれる特殊な画像検査も行い多角的に評価、診断しています。

津川先生:

一般的に、ふるえが気になり始めても最初から本態性振戦を疑って受診する方は少なく、むしろパーキンソン病や、あるいは何か脳の病気ではないかと心配して受診する方が多いです。また、何かの病気を心配するというよりも、ふるえが悪化して日常生活に支障をきたすようになり、ふるえの症状そのものを治療するために病院にかかるという方もいます。

多くの診療科があるような比較的大きな病院であれば、脳神経外科か神経内科で本態性振戦を診療します。しかし実際には、ふるえがあるからといって、誰もが最初から大きな病院に行くわけではないでしょう。まずは、かかりつけ医や一般の開業医を受診し、そこから脳神経外科や神経内科を紹介してもらうというケースが一般的なようです。

若林先生:

鑑別診断のために名古屋大学医学部附属病院に来られる患者さんにお話を伺うと、皆さんがふるえに対していかに困っていらっしゃるかがよく分かります。多くの方が最初におっしゃる悩みは、「仕事や役所での手続きなど、人前でサインをしたり印鑑を押したりするときに困る」ということです。

もうひとつ、多くの患者さんが訴える悩みは、食事の問題です。本態性振戦は精神的緊張によって増強するため、家庭でご家族と食卓を囲んでいるときはそれほど問題なく食事ができるのに、外で会食をしながら多くの人と話をすると手のふるえが強くなり、ナイフやフォーク、箸などがうまく使えなくなります。そのため、前かがみになって食器に顔を近づけて食べるような、いわゆる“犬食い”になってしまうのだそうです。きちんとマナーを守って食事をすべき場で、それができないことで緊張すると、なおさらふるえが悪化してしまいます。これは、年長者や立場を重んじる方にとって大変つらいことです。

本態性振戦は、治療可能な病気のひとつです。ふるえは生活に影響する症状であるため、ご自身の生活に大きな支障が出ている場合には、ためらわずに病院に来ていただきたいと思います。

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