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東京ベイ・浦安市川医療センターにおけるチーム医療――​​チームで治療選択を行う重要性とは

東京ベイ・浦安市川医療センターにおけるチーム医療――​​チームで治療選択を行う重要性とは
渡辺 弘之 先生

東京ベイ・浦安市川医療センター 副センター長 循環器内科/ハートセンター長

渡辺 弘之 先生

田端 実 先生

順天堂大学 心臓血管外科 主任教授、虎の門病院 循環器センター外科 特任部長

田端 実 先生

目次
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東京ベイ・浦安市川医療センター ハートセンターでは、あらゆる心疾患に対して多職種連携で治療するチーム医療を行っています。このチーム医療を担うハートチームは、一人ひとりの患者さんに対する治療法を選択するにあたり、徹底的なリスク評価・ベネフィット評価を欠かしません。チーム内での議論で生じた治療選択肢はそのまま患者さんにお伝えし、主治医と相談しながら適切な治療を決定します。ハートチームでは、なぜこのようなプロセスで治療選択を行っているのでしょうか。チーム医療の重要性や、これから求められるチーム医療の在り方について、同センター ハートセンター長の渡辺(わたなべ) 弘之(ひろゆき)先生、心臓血管外科 部長の田端(たばた) (みのる)先生にお話しいただきました。

ハートチームは、“科学的根拠(エビデンス)に基づく医療(Evidence-Based Medicine:EBM)”という考え方から始まったチーム医療体制です。

エビデンスとは、無作為抽出された人を対象にした臨床研究の結果を指します。EBMは、このエビデンスに基づいて医療的な判断を行う考え方とされています。

EBMの礎となるエビデンスは、数多くの無作為試験によって築き上げられました。しかしながら、同じ病気を対象にした無作為試験でも、試験結果が異なる場合があることはあまり知られていないのではないでしょうか。

本来のEBMでは、エビデンスをもとに医師の専門的解釈と患者さんの希望などを加味し、総合的かつ慎重に医療的判断をすることが定められています。しかしながら、現在の医療の現場では、“質の高い”エビデンスの有無だけで医療的方針が決定されてしまうケースが存在します。

この結果、各診療ガイドラインで“クラスA*”などに分類されないエビデンスの診療方針を使うことが難しくなっています。

*クラスA:有益であるという根拠があり、適応であることが一般に同意されているエビデンスのこと。クラスⅠとすることもある

診療ガイドラインにおける治療方針の推奨度は、新薬や新しい治療機器の導入によって常に変化します。そのため、急速に治療法が進歩する分野では、EBMやガイドラインだけでは不十分な面がありました。

このようなEBMとガイドラインに共通する弱みを補うため、各分野のエキスパートの意見を集約した“適切性基準(Appropriate Use Criteria:AUC)”が2009年に公表されました。しかし、適切性基準は、患者さんや医師の特性、治療環境などの影響を受けるため、医療の現場で適切性基準の考え方が強くなると、今度は医療の安全性が担保できなくなるリスクが生じてしまいます。

先生方

どの医療を選択する場合にも、絶対的に安全で確実な治療法は存在しません。治療法を選択するにあたっては、リスク評価およびベネフィット評価を行うことが重要になります。

チーム医療で個々の治療法のリスク評価を行うことで、“その患者さんに行ってはいけない治療”を発見し、そこから適切な治療を選択することができます。

たとえば、弁膜症に対する治療法には、内視鏡下MICS・開心術・経カテーテル的大動脈弁留置術(transcatheter aortic valve implantation:TAVI)などが挙げられます。それぞれの治療法には、それぞれメリットとデメリットがあります。また、外科治療やカテーテル治療などの治療ができる範囲に限界があることも事実です。

繰り返しになりますが、すべての患者さんに適した治療法は存在せず、一人ひとりの患者さんの状態によって適切な治療法は異なります。ですからハートチームでは、それぞれの治療のリスク評価を慎重に行ったうえで、どの治療法がその患者さんに適しているのかを判断しています。

多様な職種・専門分野が集うチーム全体で治療を検討するので、いずれかの治療法に選択肢が偏ることはありません。

ハートチームで治療選択のリスク・ベネフィット評価をするなかで、治療方針についてチーム内での意見が分かれることがあります。

この場合、患者さんには“チーム内で意見が分かれたこと”をそのままお伝えします。これは、分かれた意見をチーム内だけで完結させ、患者さんに一つの意見として提案するのではなく、きちんと事実をご説明して本人に選んでいただく形を取りたいと考えるからです。最終的には主治医と患者さん、家族が相談し合い、一緒に選択していただく形をとっています。

たとえば高齢で身体的機能が低下している患者さんに対して、治療をすることに意味があるのか、治療によってこの患者さんやご家族の人生はよりよくなるといえるのか、治療をしても患者さんの予後は変わらないのではないか、などについて議論されることがあります。

このように意見が分かれたときは、チームで意見を共有しあい、チーム全体で検討することを大切にしています。

職種や診療科をまたいであらゆるエキスパートが集うハートチームでは、心疾患の治療に関してさまざまな選択肢を持つことができるだけではありません。治療選択における意思決定プロセスについても、チーム全体で徹底的な意見交換と情報共有を行うことで、さまざまな治療法の中から個々の患者さんの希望や容体に応じた治療を選択できるのです。

チーム医療では、そのチームに必要な人材を、どのようにしてチーム内に揃えるかが重要になります。近年では、問診、身体所見や画像診断の結果から状態を的確に理解して、患者さんやチームに診断や治療法を解説・共有する“画像診断医”の存在が、チーム医療には必要であると感じます。

循環器領域では、心エコー図やCT検査、MRI検査の結果で正常および病気の心臓血管の状態について理解し、それらから適切な診断および治療に結び付けることが、画像診断医の一般目標とされています。

当センターでは、心エコー図を中心に画像診断について学びたいという医師に対して、“心血管イメージング教育プログラム”による教育指導を実施しています。本プログラムでは、心エコー図(経胸壁、経食道、負荷、術中)、心臓CT・MRI、心臓核医学などについて研修を行います。

特に心エコー図は検査・診断の基本的技術であるため、当センターではまず心エコー図から入念に指導しています。心エコーの技術取得後は、さらにCTやMRIなどの検査方法に幅を広げて学習を進めていきます。

心エコー図検査を行うだけであれば、超音波検査士の専門領域です。ただし、その結果を適切に解釈して患者さんに解説したり、チーム医療の現場につなげたりすることは、医師でなければできません。チーム医療には、こうしたスキルを持つ医師の存在が必要であると考えています。

先生

ハートチームにおけるチーム医療は、たとえるならば掛け算のようなイメージです。

1チームあたりの人数は少数に絞り、その少数の人材を生かしながら現状のチームに足りない部分を補うにはどうすればよいかを考え、課題を解決するためのよりよいチームを作り上げます。弁膜症心房細動など、病気によって小さなチーム同士が集結し、コラボレーションするような形をとっています。

今後の理想的なチームには、特殊な病気に対してはその都度チームを組み、治療が終わり次第解散するような形を設けてもよいのではないでしょうか。自施設・他施設を問わず、その病気の治療にはどのようなスキルを持った方が必要なのかを考えて広く呼びかけ、その病気に対するひとつのチームを作るような仕組みが、チーム医療では重要であると考えます。

そのためにも、まずは病院ごとに異なっている手術の流れを標準化する必要があるでしょう。ひとつの病院に所属する医師が他病院で手術をする際には、やはり違和感を覚えてしまいます。普段と違う感覚で手術を行った場合、その方本来のパフォーマンスを出すことは難しいといえます。

どの病院で手術を行っても、その医師の持つ力を100%発揮していただけるための環境づくりが重要であると感じています。そのために、まずはこちらのページでお話しした、3病院での提携による“働き方改革”を推し進めていきたいと考えます。

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