新型コロナウイルス感染症特設サイトはこちら
疾患啓発(スポンサード)

変形性膝関節症の治療における新たな選択肢、“PRP療法”の特徴

変形性膝関節症の治療における新たな選択肢、“PRP療法”の特徴
南 晋司 先生

海南医療センター 医療技術局長兼整形外科部長

南 晋司 先生

目次
項目をクリックすると該当箇所へジャンプします。

変形性膝関節症とは、膝の関節にある軟骨などがすり減って変形したり、骨同士がこすれたりすることで炎症や痛みを生じる病気です。近年、変形性膝関節症の治療におけるひとつの選択肢として、再生医療のPRP療法(多血小板血漿療法)が登場しました。従来の治療では効果が見られないけれど手術まではしたくない方、あるいは手術をするほどではない状態の方であれば、PRP療法を検討することがあります。

和歌山県の海南医療センター 整形外科 診療局長を務める南 晋司(みなみ しんじ)先生に、変形性膝関節症に対するPRP療法の概要と特徴について伺いました。

PRP療法は、再生医療のひとつです。患者さん自身の血液を遠心分離し、血小板を多く含む血漿(血液中の液体成分)を抽出します。この血小板を多く含む血漿のことをPRP(Platelet-Rich Plasma:多血小板血漿)といいます。変形性膝関節症の治療では、PRPを患部に注入し、痛みの軽減や損傷した組織の修復を図ります。

血小板は血を止める機能を担うことで知られていますが、それだけではなく、傷んだ組織の修復を促す成長因子と呼ばれる物質が含まれています。このような血小板が持つ傷んだ組織の修復を促す力を借りて行う治療がPRP療法です。

日本ではこれまで、歯科、口腔外科の分野で治療に活用されており、欧米では靱帯損傷、肉離れ、腱炎などスポーツで生じるけがの治療に応用されています。

変形性膝関節症に対するPRP療法では、まず患者さん自身の血液を採血します。採血した血液を遠心分離して、PRPをつくり、膝の関節内に注射します。

基本的に入院の必要はなく、注射をしたその日に帰宅することができます。原則として注射して2~3日は激しい運動を避けていただきますが、日常生活における動作の範囲内であれば、注射当日から動いていただくことが可能です。

その後は経過を見るために、治療後1か月、3か月、6か月、12か月というタイミングで定期的に受診していただきます。

イラスト③

PRP療法の登場によって、従来の保存的治療では効果がなく、手術を検討せざるを得なかった患者さんにとって治療の選択肢が広がりました。PRP療法は、血液の採取量が少量であるため患者さんの身体的な負担が少なく、また、理論上アレルギー反応が起こる危険性がないという利点もあります。

しかしながら、PRP療法は全ての方に効果があるというわけではなく、膝の変形が大きい方や肥満の方は効果が出にくいことが分かっています。また、日本ではまだ保険診療として認められておらず、自由診療です(2020年3月時点)。その点で、患者さんの経済的な負担が大きくなる可能性があります。

患者さんご自身の血液を使いますので、アレルギー反応や拒絶反応などの副作用を起こすことは少ないと考えられています。患者さんによっては、注射後3~4日は患部の腫れや痛みが生じることがありますが、自然に消失していきます。

PRP療法を行うには、条件があります。下記に当てはまる方は、PRP療法を受けることができません。

  • がんの治療中
  • 感染症がある
  • 発熱がある
  • 薬剤過敏症がある
  • 免疫抑制剤を飲んでいる など

最近では、これまでのPRPをさらに特殊な過程で濃縮した次世代型のPRP療法が登場しています。これをAPS(Autologous Protein Solution:自己たんぱく質溶液)を用いた“APS療法”といいます。

APS療法でも、これまでのPRP療法と同様に、患者さん自身の血液を採取して抽出することに変わりはありません。APSは、PRPから炎症を抑えるはたらきをする抗炎症性サイトカインという物質や成長因子を濃縮して抽出したもので、従来のPRP療法よりも長期的に継続する組織の修復効果と抗炎症効果が期待されています。APS療法の副作用、実施が難しい患者さんの条件については、PRP療法と同じです。

なお、PRP療法などの再生医療を提供する場合、再生医療等安全確保法に基づき、厚生労働省への届出が義務付けられています。

先生

変形性膝関節症でお悩みの方や治療中の方で“今の保存的治療に満足でない”、“どうしても手術する決心がつかない”という場合には、本ページで紹介したPRP療法、APS療法をご検討されるのもよいかもしれません。

私たちは、変形性膝関節症を改善することで日常生活を楽しく過ごせるようサポートします。お困りのこと、気になることなどがあればご相談ください。

受診について相談する
  • 海南医療センター 医療技術局長兼整形外科部長

    南 晋司 先生

「メディカルノート受診相談サービス」とは、メディカルノートにご協力いただいている医師への受診をサポートするサービスです。
まずはメディカルノートよりお客様にご連絡します。現時点での診断・治療状況についてヒアリングし、ご希望の医師/病院の受診が可能かご回答いたします。
  • 受診予約の代行は含まれません。
  • 希望される医師の受診及び記事どおりの治療を保証するものではありません。

    「変形性膝関節症」を登録すると、新着の情報をお知らせします

    処理が完了できませんでした。時間を空けて再度お試しください

    本ページにおける情報は、医師本人の申告に基づいて掲載しております。内容については弊社においても可能な限り配慮しておりますが、最新の情報については公開情報等をご確認いただき、またご自身でお問い合わせいただきますようお願いします。

    なお、弊社はいかなる場合にも、掲載された情報の誤り、不正確等にもとづく損害に対して責任を負わないものとします。

    「受診について相談する」とは?

    まずはメディカルノートよりお客様にご連絡します。
    現時点での診断・治療状況についてヒアリングし、ご希望の医師/病院の受診が可能かご回答いたします。

    • お客様がご相談される疾患について、クリニック/診療所など他の医療機関をすでに受診されていることを前提とします。
    • 受診の際には原則、紹介状をご用意ください。