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子宮頸がんの再発する確率と生存率~子宮を全摘した場合の再発のリスクとは~

子宮頸がんの再発する確率と生存率~子宮を全摘した場合の再発のリスクとは~
杉田 匡聡 先生

NTT東日本関東病院 産婦人科部長・医療安全管理室長

杉田 匡聡 先生

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子宮頸がんとは子宮の入り口である“子宮頸部”に生じるがんのことをいいます。子宮頸がんは手術療法・放射線療法・化学療法などで治療され、早期に治療ができれば比較的予後がよいがんといわれています。しかし、進行がんに発展すると一度治療によってがんがなくなっても再発や転移によって再びがんが生じることもあります。

本記事では子宮頸がんの再発する時期や再発後の治療方法などについてお伝えします。

子宮頸がんが再発する確率はがんが進行するほど高くなることが分かっています。特にがんが進行して治療時の検査で骨盤リンパ節への転移陽性や子宮傍結合織(子宮周辺の結合組織)の浸潤が陽性だった場合に再発リスクが高いと考えられます。そのため手術後に放射線療法や化学療法を行い、再発を防ぐ処置が行われることもあります。

子宮頸がんが再発した場合、再発のタイミングはおよそ75%が治療から2~3年後です。ただし、治療から5年以上経過してから再発する人もいるため治療後は定期的な経過観察を継続して行う必要があります。

がんの余命は5年生存率によって表されます。5年という指標が使われるのは、多くのがんにおいて治療後5年生存するとがんを理由に亡くなる可能性が低くなるためです。

子宮頸がん再発後の5年生存率は全体で見ると5%以下といわれています。一方、子宮頸がんの5年生存率は2010~2011年のデータによれば75.0%で、がんの進行具合(ステージ)ごとに見るとI期は95.0%、II期は79.6%、III期は62.0%、IV期は25.0%です。つまり、再発後の生存率はより低くなることが分かります。ただし、子宮頸がん再発後の生存率の場合は最初の子宮頸がん治療時に放射線療法を行ったかどうかによってかなりばらつきがあるため注意が必要です。最初の子宮頸がんの治療時に放射線療法を行っていない場合、骨盤内にとどまって再発した子宮頸がんに対して放射線療法をすることで5年生存率が33~74%となります。

一方最初の子宮頸がん治療時に放射線療法を行った場合は、再発したがんは難治性といわれています。再びその箇所に放射線療法を行ったり、手術療法をしたりすることで合併症を起こしやすくなるため化学療法などによる緩和医療を含めて治療方針を検討していく必要があります。また、再発した部位が一部にとどまるか、遠隔再発などで複数あるかによっても予後や治療方針が変化します。

子宮頸がんの治療で子宮を全摘した場合でもごくわずかながんが残っていることにより、子宮の元あった場所に再発が認められる、“遠隔再発”といって別の臓器にがんが再発することがあります。また、再発部位としては肺・脳・傍大動脈(ぼうだいどうみゃく)リンパ節・骨などに遠隔再発することがあります。これらは子宮摘出後の再発・遠隔再発は腫瘍マーカーの採血や定期的な画像診断を行うことで発見されます。なお、子宮摘出後に腟に再発することもあり、この再発は内診や細胞診、超音波などで診断することができます。

再発した子宮頸がんの治療方法は前回どのように治療したかによって変わります。

前回の治療で放射線療法を行っていない場合や再発したのが前回は放射線療法で照射していない部位の場合には放射線療法によって治療を行います。しかし、最初の子宮頸がんの治療で放射線療法を行った後の再発である場合は放射線療法や手術療法を行うことで合併症が生じることもあるため症状を緩和するための化学療法を行い、緩和医療を行うことが一般的です。ただし、状況に応じて合併症のリスクを考慮しながら放射線療法や手術療法が選択されることもあります。

なお、再発した子宮頸がんの完治が難しい場合や遠隔再発が他の臓器に及んでいる場合には全身状態に応じて症状を和らげることを目的に全身化学療法が行われることがあります。

子宮以外の臓器に遠隔再発した場合の治療方法は以下のとおりです。

肺に転移した場合

転移の数が少数の場合は手術や放射線療法を行います。転移が多い場合や他の臓器にもがんがある場合には化学療法が検討されます。

脳に転移した場合

放射線療法が行われます。状況に応じて“定位手術的照射”といって、病変にピンポイントで放射線を照射する治療方法を行うこともあります。

傍大動脈リンパ節に転移した場合

放射線療法と、必要に応じて化学療法を組み合わせて治療を行います。

骨に転移した場合

痛みを和らげるために放射線療法が行われることがあります。また、薬物療法として、ビスフォスフォネート製剤や塩化ストロンチウムが処方されることもあります。

子宮頸がんは進行がんの場合、治療が完了しても再発してしまうことがあります。そのため、再発のリスクが高いと考えられる場合は再発を防ぐような治療が行われることもあります。

また、子宮頸がんが再発しても最初の子宮頸がんの治療で放射線療法を行っていなければ、放射線療法で治療することができ予後がよくなります。一方すでに放射線療法を受けた人に子宮頸がんが再発した場合、緩和医療を含めて治療を検討する必要があります。子宮頸がんの治療後は再発した場合に早期発見・早期治療できるよう、医師の指示のもと定期的な経過観察を受けましょう。

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