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安全第一の分娩を目指して――茨城西南医療センター病院における分娩の特徴

安全第一の分娩を目指して――茨城西南医療センター病院における分娩の特徴
野口 里枝 先生

茨城西南医療センター病院 産婦人科

野口 里枝 先生

目次
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茨城西南医療センター病院は、茨城県の地域周産期母子医療センターとして、健康な妊婦さんからリスクの高い患者さんまで幅広く受け入れ、安心して出産を迎えていただくための周産期医療を提供しています。

こちらのページでは、妊娠中に起こる体の変化や出産までの流れについて、同院で産婦人科医を務める野口のぐち 里枝りえ先生にお話いただきました。本ページでは、分娩の種類やハイリスク妊娠、同院における出産の特徴や取り組みについてお話を伺います。

分娩の方法には、経腟分娩と帝王切開があります。基本的には経腟分娩を行いますが、医学的な理由がある場合に帝王切開を検討します。たとえば、一度帝王切開で出産をされた方、逆子(骨盤位)、前置胎盤*などの理由が挙げられます。また、経腟分娩を進行している最中に赤ちゃんの具合が悪くなった場合には、緊急で帝王切開になることもあります。当院では、全体の約2割程度が帝王切開です(2020年2月時点)。

計画分娩(選択的誘発分娩)とは、あらかじめ分娩日を決め、人為的に分娩を誘発するものです。双子など多胎妊娠の場合や、逆子の経腟分娩など、医学的にリスクが高い場合に選択します。

写真:Pixta
写真:Pixta

患者さんのご希望をお伺いする特別なケースもあります。双子(双胎)の場合、赤ちゃんの向きによっては、経腟分娩か帝王切開を選んでいただくことがあります。あるいは、逆子であっても経産婦さん(出産経験がある方)で条件が整えば、経腟分娩を選択していただけます。また、一度帝王切開で分娩した方が経腟分娩を希望される場合には、子宮破裂などのリスクを伴うため、十分にご説明し、リスクを理解いただいたうえで条件が合えば選択できます。

*前置胎盤:胎盤が正常より低い位置(膣に近い側)に付着し、そのために胎盤が子宮の出口(内子宮口)の一部、または全部を覆っている状態

一般的に妊娠や出産には一定のリスクが伴いますが、なかでも、合併症や持病のある方など、特にリスクが高いケースをハイリスク妊娠といいます。

たとえば、代表的なものに妊娠高血圧症候群があります。妊娠高血圧症候群とは、従来“妊娠中毒症”と呼ばれていたもので、血圧の上昇、むくみ、たんぱく尿などの症状が現れます。影響としては、重症化した場合に、赤ちゃんの発育不全、母体のけいれん発作のほか、多臓器障害を伴いHELLP症候群や、常位胎盤早期剥離(胎盤が子宮から剥がれ、胎児に酸素が届かなくなること)などを併発することがあり、早産を余儀なくされる可能性もあります。

妊娠高血圧症候群の場合、一般のクリニックでは管理が難しいため、周産期母子医療センターで管理する必要があります。

前置胎盤の場合、基本的には帝王切開での分娩となります。ときには大量に出血し、輸血が必要になることがあります。また、多胎妊娠に関しても切迫早産や早産のリスクがあり、分娩時に出血が大量になる可能性があります。これらのようなケースでは、輸血を常備する総合病院での出産が安心です。

内科系の病気、たとえば糖尿病甲状腺疾患膠原病などを合併している場合、内科と十分な連携を取り、病気を治療しながら妊娠、出産を迎える必要があります。そのため、内科医が常駐する病院をおすすめします。

また、胎児発育不全といって、子宮内での胎児の発育が遅く、十分に大きくなれない状態に陥ることがあります。出産後に新生児科による集中治療が必要になることが予測されます。そのため、胎児発育不全に対応できる医療機関にて妊娠中から慎重に管理をしていく必要があります。

先生

当院には産婦人科医、小児科医が在籍し、日々診療を行っています。基本的に24時間365日、必ず産婦人科医1名が病院内で待機しています。緊急時にはもう1名が駆けつけて手術できる体制を取り、分娩や緊急帝王切開に対応します。

まれではありますが、特に高度な周産期医療や新生児医療が必要と判断した場合には、総合周産期母子医療センターへの転院搬送を行います。茨城県では、土浦協同病院、水戸済生会総合病院、筑波大学附属病院が総合周産期母子医療センターとして指定されており、母体搬送システムが整備されています。当院の場合、まずは筑波大学附属病院に連絡し、満床で受け入れが難しいときにはほかの2病院いずれかに搬送する体制を整えており、受け入れ先がないという状況の心配はありません。

私たちは、“安全第一。安心して妊娠、出産していただきたい”というポリシーを大切にしています。総合病院として、健康な方はもちろん、リスクの高い方でも安心して妊娠、出産していただけるよう小児科や内科を含む他診療科と連携を取っています。

また、もし赤ちゃんに病気が見つかったり、早産で生まれる可能性が出てきたりした場合には、適切な場所で適切な時期に分娩できるよう最大限努めることが私たちの役割です。たとえば、妊婦健診で心臓病を抱えた赤ちゃんを発見したときには、妊婦さんを適切な医療機関に届けることも重要な使命です。

茨城西南医療センター病院のお部屋
茨城西南医療センター病院のお部屋

当院では、経腟分娩、帝王切開を扱っています。無痛分娩は行っておりません。

基本的な入院期間は、経腟分娩の場合、分娩当日を0日として産後4日目までです。帝王切開の場合であれば前日に入院し、手術当日を0日目として術後5~6日目に退院となります。ご面会時間は、平日15:00~19:00、土曜と休日が13:00~19:00です。

分娩費用に関しては、前金として10万円を納めていただきます。健康保険に加入していれば、出産育児一時金が支給されるため、個人の負担は前金10万円の範囲内であることが多いです。分娩、入院費用など全部を含め、10万円程度をご準備ください(個室代を除く)。

入院するお部屋は、大部屋(4室)、個室(7室)、特別個室(1室)の3種類です。個室は風呂、トイレ付で、1日あたり4,000円です。入院中に2度、お産後のお祝い膳として豪華な食事を提供しています。出産という一大イベントを終えられた後、ゆっくりとお食事を楽しんでいただく時間も大切にしています。

お祝い膳(ディナー)の一例
お祝い膳(ディナー)の一例

当院を受診している妊婦さんを対象に、マタニティビクスの時間を月に2回設けています。適度な運動は、リフレッシュや体重管理に有効です。費用は1回500円、予約制です。お子さんを連れてきていただくこともできます。妊婦さん同士の交流の場にもなると好評です。切迫早産や妊娠高血圧腎症などの合併症がある場合には受けられないことがありますので、妊婦健診で医師の許可を得ていただくようお願いいたします。

マタニティビクスの様子
マタニティビクスの様子

当院では、産後のサポートを通じてお母さんの心身のケアに努めています。退院しても育児が不安、まだ体調がよくないのでゆっくり休みたい、周りのサポートがないといった場合に、退院後に同じ産科病棟で“宿泊型産後ケア”を利用していただくことができます。ご希望に応じてお子さんをお預かりしてゆっくり休んでいただくことが可能ですし、母乳育児を頑張りたい、父親も沐浴を練習したいといったご要望があれば、基本的には助産師がマンツーマンで対応し、出産後の生活をスムーズに送れるようサポートしています。退院後すぐに自宅に帰って育児をすることが不安な方におすすめです。

当院の場合、境町・古河市・五霞町・坂東市にお住まいの方は市町村より補助があり、自己負担は利用料金の2割で1日約5,000円(税抜)となります。利用日数は最長5日間です。

退院後も母乳育児に関する相談ができる場として、助産師が主導で行う“母乳外来”を設けています。お一人1時間〜1時間半ほどの時間を設け、実際に赤ちゃんが飲む様子を確認したりお悩みを伺ったりしながら、丁寧な指導を行っています。母乳外来では、急な乳腺炎のご相談にも対応しています。

母子ともに元気で出産を終え、その先の育児が順調であるように支援することを心がけています。元気なお母さんと赤ちゃんの姿を見ることは、やりがいを感じる瞬間です。当院は地域周産期母子医療センターとしてリスクの高い方にも対応していますので、切迫早産で何か月も入院されていた方が無事に出産されたときなどは、喜びもひとしおです。小児科医をはじめとする他診療科のスタッフとも連携し、これからも安全第一で、切れ目のないサポートをしていきたいと思っています。

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