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“新生児医療”とは? 新生児に起こりうる病気やトラブル、治療方法を解説

“新生児医療”とは? 新生児に起こりうる病気やトラブル、治療方法を解説
野口 里枝 先生

茨城西南医療センター病院 産婦人科

野口 里枝 先生

長谷川 誠 先生

茨城西南医療センター病院 小児科 部長

長谷川 誠 先生

目次
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茨城西南医療センター病院は、茨城県の地域周産期母子医療センターとして、健康な妊婦さんからリスクの高い患者さんまで幅広く受け入れ、安心して出産を迎えていただくための周産期医療を提供しています。同院は、総合病院である特徴を生かして小児科とも連携し、生まれてきた赤ちゃんに病気やトラブルがあれば、すぐ対応できる体制を整えています。

産婦人科の野口(のぐち) 里枝(りえ)先生と、小児科 部長の長谷川(はせがわ) (まこと)先生に、新生児に起こりうる病気やトラブルとそれらに対する新生児医療についてお話を伺いました。

新生児とは、生後28日(4週目)未満の乳児を指します。生まれて間もない新生児には、さまざまな病気や問題が起こる可能性があり、そのような場合には新生児医療が必要になります。

お腹の中にいるときの赤ちゃんは、母親とへその緒でつながり、栄養や酸素をもらっています。外の世界に出て、へその緒が切れた赤ちゃんは、ときに外の環境にうまく適応できないことがあります。その代表が、呼吸や血液循環がうまく機能しなくなる“新生児仮死”と呼ばれる状態です。新生児仮死は軽症であれば発育に影響しませんが、重篤な場合、その後の成長過程で、脳性麻痺や発達遅延などの後遺症が残る可能性があります。

このような新生児仮死をできる限り防ぐため、当院における小児科医と助産師は、全員NCPR(新生児蘇生法)という新生児の蘇生方法を習得するプログラムを受講し、緊急時に迅速に対応できる体制を整えています。

先生

生まれた直後は元気でも、その後、呼吸が不安定になるケースもあります。そのなかのひとつに、新生児一過性多呼吸があります。新生児一過性多呼吸とは、出生後、肺の中に過剰な液体があるために一時的な呼吸困難が起こり、血液中の酸素が不足する病気です。呼吸が速い(多呼吸)、顔色が悪いという症状が見られ、必要に応じて酸素投与を行います。しかしながら新生児一過性多呼吸は一時的に起こるものであり、その多くは2〜3日以内に回復します。

胎児発育不全により小さく生まれた低出生体重児巨大児は、外見上は異常がないようでも、血糖が低いことがあります。新生児における低血糖は、中枢神経障害など子どもの発達に影響を及ぼす可能性があるのでしっかりと確認し、低血糖と診断された場合にはブドウ糖の静脈注射や点滴などを行います。

まれではありますが、妊婦健診では異常が見つからずに、生まれた直後に赤ちゃんの顔色が悪い、ぐったりしているといった様子に気付く、あるいは心雑音の聴取がきっかけとなり、検査を経て先天性心疾患(生まれつき心臓に異常があること)と分かるケースがあります。新生児で見つかる先天性心疾患にはさまざまな種類があり、ごく小さなものを含めると、その頻度は100人に1人ほどです。近年、先天性心疾患に対する治療は目覚ましい進歩を遂げており、適切に治療を行うことでその多くを克服できるようになっています。

生まれてから、口唇裂(上唇が割れている状態)や口蓋裂(鼻腔と口腔との境界を成す口蓋が割れている状態)などの目に見える形態異常が見つかることもあります。その場合、ほかに大きな臓器の形態異常がないかを確認し、口腔外科や形成外科、耳鼻咽喉科などの診療科と連携し、専門の医師を紹介することになります。

生後0〜2日後にミルクがあまり飲めなくなったり、吐いてしまったりすることがあります。その場合には、先天的な消化管の形態異常がある可能性を考えます。形態異常が起きている場所や状態によって転帰は異なりますが、腸管の減圧、水分と栄養の補給といった処置を行い、必要に応じて手術を行います。このように消化管の形態異常の可能性があるため、生後数日間は哺乳や消化の状態、排便排尿の状態を観察することが必要です。

生後すぐの赤ちゃんに比較的よく見られる病気のひとつが、新生児黄疸新生児高ビリルビン血症)です。これは血中にビリルビンという物質が増えることにより起こる現象で、体が黄色く見えるのが特徴です。その多くは通常の新生児に見られる生理的なものですが、程度が強くビリルビンが脳に沈着すると脳性麻痺などの原因になりうるため、血液検査の基準が定められています。

ビリルビンが基準値以上の場合は、光線療法(ビリルビンを分解する光線を当てる治療法)や交換輸血(ビリルビン濃度が高い血液を体外へ出し、同時に輸血を行う治療法)などの治療を行います。当院では光線療法を行っており、それ以上の治療が必要な場合には対応可能な病院をご紹介しています。

皆さんに安心して出産していただけるよう、新生児に病気や問題が起こった場合に迅速に対応できる体制を整えています。

出産時に赤ちゃんの状態がよくない場合、まずNCPR(新生児蘇生法)を習得している助産師が対応し、小児科医の介入が必要と判断された場合には小児科医が介入します。出産が無事に終わった後もしばらくの間は新生児室で赤ちゃんの様子を観察しており、赤ちゃんの異常が発見された時点で小児科医に連絡が入り、すぐに対応します。

当院は、産婦人科と小児科が同じフロアにあるため連携しやすく、必要なときはすぐ駆けつけることが可能です。産婦人科で行う母乳外来でお伺いした話の中で気になる点があれば、小児科医に相談し、解決方法を探ることもあります。

また、当院では生まれた赤ちゃんに対して入院期間中に必ず1回小児科医が診察し、全身を診ます。そこで異常が見つかった場合には、そのまま小児科で対応し、より高度な医療を必要とするケースでは総合周産期母子医療センターへ搬送することもあります。このように妊娠中から出産、退院まで常に小児科医が近くにいることで、お母さんに安心していただければと考えています。

安全に出産し、母子ともに健康であることが非常に大切なので、もし出産前に胎児のリスクが判明したら、安全に出産できる施設、そして生まれてくる赤ちゃんに必要な新生児医療を受けられる施設を選ぶことが第一です。当該施設で必要な医療を提供できない場合、赤ちゃんを別の医療機関に搬送する必要があり、出産直後に赤ちゃんと離れ離れになってしまう可能性があります。そのため、出産前に胎児のリスクが分かっている場合には、出生後の赤ちゃんに対する適切な対応が可能な病院での出産を推奨します。

また、ご説明したように、妊婦健診や分娩時に問題がなくても、赤ちゃんが生まれてから問題が起こることもあります。あまり心配しすぎる必要はありませんが、特にハイリスク妊娠の方(※詳しくは前のページをご覧ください)などは新生児に問題が起こる可能性があるということを頭の片隅に置き、病院を選んでいただけたらと思います。

先生方

妊娠、出産、そして子育ては本当に大変なことだと思います。ですから、私たちは小児科医として、ご家族が安心できるよう新生児医療という形で貢献したいと思っています。

当院の小児科では、外来や乳幼児の健診、慢性疾患のある方に対する予防接種も行っています。出産や新生児期はもちろん、成長のあらゆる段階で必要な医療を提供し、赤ちゃんが健やかに成長できるようサポートしていきます。

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