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大腸がんのステージごとの生存率と早期発見のための検査について

大腸がんのステージごとの生存率と早期発見のための検査について
松原 長秀 先生

社会医療法人中央会 尼崎中央病院 副院長・消化器センター長、兵庫医科大学 特別招聘教授・臨床教授

松原 長秀 先生

目次
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大腸がんは早期発見ができれば、予後がよいがんであると考えられています。では、大腸がんの早期発見のために、どのようなことができるのでしょうか。本記事では、大腸がんのステージごとの生存率やがんを早期発見するための検査方法について、尼崎中央病院副院長 兼 消化器センター長の松原(まつばら) 長秀(ながひで)先生にお話を伺いました。

大腸の壁は五つの層でできており、内側から粘膜、粘膜下層、固有筋層、漿膜下層(しょうまくかそう)漿膜(しょうまく)に分かれます。大腸の粘膜に発生したがんは、進行するに連れて、徐々に深く食い込みながら広がっていきます。がんがどの程度の深さまで食い込んでいるかを表したものを、“深達度”といい、TisからT4bまでの六つに分類されます。Tis、T1を早期がん、T2より深く食い込んだものを進行がんといいます。

大腸がんステージⅠ

大腸がんステージⅡ

大腸がんの進行の程度を示す“ステージ”は、がんの“深達度”と、リンパ節や他臓器への“転移の有無”によって、ステージ0からⅣまでの5つに分類されます。

大腸がんステージⅢ

大腸がんに限らず、どのがんにおいても早期発見は重要ですが、特に大腸がんにおいては、ステージⅠ~Ⅲでの発見とステージⅣになった段階での発見では、生存率に大きな差が生じます。国立がん研究センターが公表している、大腸がんのステージごとの5年相対生存率*は以下の通りです(2020年4月現在)。

【大腸がん患者さんのステージごとの5年相対生存率】

  • ステージⅠ:95.1%
  • ステージⅡ:88.5%
  • ステージⅢ:76.6%
  • ステージⅣ:18.5%

この数字からも分かるように、大腸がんはステージⅠ~Ⅲの間に発見できれば、十分治療が可能ながんであるといえます。裏を返せば、早期発見が治療の大きな鍵となるということです。

*5年相対生存率:生存率は、がんの診断を受けてから一定の期間が経過した時点で生存している方の割合を指し、相対生存率ではほかの死因は除き、がんのみによる死亡を計算している。

では、大腸がんを早期発見するためには、どのようなことができるのでしょうか。前ページでも解説した通り、大腸がんは早期段階で症状が現れることはまれです。そのため、無症状の段階で見つける可能性を高めるためには、定期的に検査を受けることが必要です。

大腸がんを見つけるために行われる検査には、以下のようなものが挙げられます。

便潜血検査とはいわゆる検便のことで、便に血液が含まれていないかどうかを診る検査です。大腸がんの代表的な症状といえば血便ですが、一般に腸管で50ml以上の出血がないと、便に血液が混ざっていることを肉眼で確認することは難しいとされています。便潜血検査では、便に混ざっている血液の量が肉眼では確認できないほどの量であっても、確認することができます。大腸がんは通過する便によってがんの表面がこすられてごくわずかな出血を起こすこともあるため、この検査によって、無症状の方の集団から大腸がんである可能性の高い方を拾い上げる(スクリーニング)ことができます。

検査で陽性反応が認められた場合は、必ず精密検査を受けましょう。もともとのある方は、陽性反応が痔のせいだと思い込み精密検査を受けず、のちに大腸がんであったことが発覚する場合もあるため、特に注意が必要です。

ただし、結果が陽性だったからといって必ずしも大腸がんだということではなく、同様に、便潜血検査が陰性だったからといって大腸がんではない、ということではありません。便潜血検査はあくまで、大腸がんの可能性がある方を少しでも早く発見するための方法のひとつです。その一方で、この検査を毎年受診することで、大腸がんによる死亡が60%ほど減少するという報告もあります。40歳以上の場合、便潜血検査の費用を各自治体で負担*してもらうことができるため、年に一度検査を行い、早期発見に努めることをおすすめします。

*負担額は各自治体によって異なります

便潜血検査が陽性だった場合に行われるのが、内視鏡検査です。内視鏡検査では、下剤を用いて大腸を空にした後、内視鏡スコープを肛門から挿入します。大腸の全ての部位(直腸、結腸、盲腸)を観察するため、まずは盲腸まで到達させます。到達後、徐々に内視鏡を抜きながら10分ほどかけて腸内の観察を行います。観察にあたっては、隅々までよく観察できるように内視鏡から空気を入れ、腸管を膨らませながら行うのが一般的です。大腸内に病変が発見された場合には、その組織を採取して良性か悪性か診断します。

内視鏡検査に抵抗がある方には、CTコロノグラフィー検査を行う場合もあります。この検査は、肛門から内視鏡を挿入せず、CT撮影を行って大腸の様子を観察する方法です。内視鏡検査と同様に下剤を用いて大腸を空にした後、肛門から大腸へ二酸化炭素(炭酸ガス)を注入し、CT撮影を行います。検査中は二酸化炭素によりお腹が張りますが、検査後、すぐに改善します。検査の所要時間は15分程度です。

ただし、大腸内に病変が見つかった場合やその疑いが強い場合には、組織を採取して診断する必要があるため、最終的には内視鏡検査が必要となります。

大腸がんにかかる方は、40歳代から増加します。40歳代ではまだ働いている方も多く、自身ががんになるなどと考えたこともない、という方がほとんどではないでしょうか。しかし、若いうちから自分の健康に目を向け、定期的に検査を受けることは、大腸がんの早期発見につながります。各自治体では、男女ともに40歳以上の方に対して、大腸がん検診に必要な費用の一部を負担しています。

大腸がんは早期発見さえできれば、治る可能性の高いがんであるといえます。そのため、万が一大腸がんを発症した場合でも早期段階で発見し、治療を受けられるよう、必ず年に一度は検査を受診することをおすすめします。

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