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肺がんに対する内科的治療とは? 薬物療法・放射線治療など

肺がんに対する内科的治療とは? 薬物療法・放射線治療など
𩜙平名 知史 先生

独立行政法人国立病院機構 沖縄病院 外科医長/肺がんセンター長

𩜙平名 知史 先生

目次
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こちらのページでご説明したとおり、肺がんの治療における基本的な方針は病変をなくすことです。一方で、小細胞肺がんなど、内科的治療がメインとなるケースもあります。近年、いわゆる抗がん剤のほかにも、がんの増殖にかかわる遺伝子にターゲットを絞ってそのはたらきを抑制する分子標的薬、免疫チェックポイント阻害薬(自己免疫を抑制して体内の免疫細胞の活性化を持続し、がん細胞を攻撃する薬)など、内科的治療の幅が広がっています。

本記事では、肺がんに対する内科的治療について、独立行政法人国立病院機構 沖縄病院の𩜙平名(よへな) 知史(ともふみ)先生にお話を伺います。

肺がんの内科的治療として、薬物療法が挙げられます。薬剤を点滴あるいは内服で投与し、血流によって全身に巡らせることでがん細胞を攻撃します。薬物療法で使用する薬剤は、ケースによって異なります。

肺がんの薬物療法には、化学療法(抗がん剤治療)、分子標的治療、免疫チェックポイント阻害薬などの種類があります。

(1)化学療法

化学療法とは、細胞障害性抗がん剤を用いて、細胞増殖を制御しているDNAに作用したり、がん細胞の分裂を阻害したりすることで、がん細胞の増殖を抑える治療法です。いわゆる“抗がん剤治療”と呼ばれるものです。

非小細胞肺がんに対する化学療法には、手術による治癒が難しいケースに対して行う通常の化学療法と、手術と組み合わせて術前・術後に行う補助化学療法があります。通常の化学療法は、病気の進行を抑え、生存期間の延長や症状を軽減するために行います。一方、術前の化学療法は腫瘍を小さくしてダウンステージを図ることを目的として行い、術後の化学療法は、再発を抑制するために行います。

化学療法は副作用として悪心(おしん)(吐き気、胸のむかつき)、嘔吐、脱毛、血液毒性(白血球や赤血球、血小板の減少)、肝機能障害、腎機能障害などの症状が現れることがあります。

(2)分子標的治療

分子標的治療とは、がんの増殖にかかわる遺伝子をターゲットにして、そのはたらきを阻害する治療法です。

分子標的治療の副作用は、薬の種類にもよりますが、皮膚の変化、下痢、肝機能障害、間質性肺炎などが挙げられます。しかしながら、分子標的治療はがん細胞だけを攻撃し、正常な細胞には攻撃しないというメカニズムを持つため、化学療法で懸念されるような副作用と比べると軽度であるといえます。

(3)免疫チェックポイント阻害薬による免疫療法

近年、肺がんに対して免疫チェックポイント阻害薬を用いた免疫療法が行われています。体に備わる免疫機能は、発生したがん細胞を異物として排除するはたらきを持っていますが、がん細胞はその免疫機能にブレーキをかけて増殖をします。免疫チェックポイント阻害薬は、がん細胞が免疫にブレーキをかける場所(免疫チェックポイント)で、ブレーキをかけられないように阻害する薬です。

免疫チェックポイント阻害薬は、切除不能な進行・再発の非小細胞肺がんの治療に用いられます。免疫チェックポイント阻害薬による治療には、適応や条件があります。

免疫チェックポイント

放射線治療とは、高エネルギーのX線を体の外から照射し、がん細胞を死滅させる治療です。放射線治療には、治癒を目的に行う根治的放射線治療と、骨・脳などへの転移によって起こる症状を緩和する目的で行う緩和的放射線治療の2種類があります。

化学放射線療法とは、放射線治療の効果を高めるために化学療法を併用する治療法です。

非小細胞肺がんのうち、手術が困難な局所進行例(ステージIIIA、IIIB)が適応となります。また、小細胞肺がんはがん細胞の増殖が早く転移しやすい反面、抗がん剤や放射線治療の感受性が高い(効果が出やすい)ことから、ステージⅡ以上には化学放射線療法(抗がん剤と放射線治療の併用)が推奨されます(ステージ Iには手術適応があります)。

先生

肺がんの治療では、外科と内科がお互いの役割を理解し、連携しながら治療を進めていくことが大切です。たとえば、最初に手術が難しいと判断された症例に対して、内科的治療の効果が得られたら、その後に根治的手術ができる可能性が出てくるかもしれません。そのようなケースでは、外科と内科の知見を合わせて、タイミングを逸することなく最適な治療法を検討することが必要です。このような点を考慮し、当院では外科と内科がボーダーレス・シームレスに連携し、患者さんにとって最適な治療を提供できるよう心がけています。肺がんの治療を検討されている方はぜひご相談ください。

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